オイル怪獣・タッコング
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デザイン・池谷仙克 造型・開米プロ(東宝特美) S・アクター遠矢孝信
★光跡
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タッコング☆NG・バージョン
青ダコ(NGバージョン) NGアーストロンと同じ、東宝特美制作のタッコングです。 見た目には色は勿論ですが、吸盤の数が圧倒的に多く ビッシリ空間なく、吸盤だらけの体です。 形は良くても硬くて動けなくて、入るのも困難で 切り込みを入れて入った程でNGになります。 NGアーストロン、NGザザーンと同じく、砧撮影所での 3面スチールが残っていますが、茶色とカン違いして 補整した、黄色いプリント写真だとグレーぽく見えます。
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開米P(オンエア)バージョン
オンエア版タッコング(格闘バージョン) ザザーン戦と、2話でウルトラマンと格闘するタッコングです。 NG版と比べると、色は勿論、吸盤の数が少ないです。 特に、顔(首?)の近辺の小さい吸盤は、首を動かすように 薄いラテックス素材になっているので、着けていません。 Sアクターの遠矢さんは、水で濡れて縦に伸びたと 言ってますが、それほど、このスーツは水には 浸かっていなくて、手を動かせる用のアンコが 入った状態のバージョンです 遠矢さんの頭部は、確かに縦に突っ張っていて 縦長には見えるんですが(^^;
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図
●タッコングスーツ解説に、前から後ろにある吸盤を 分けている図の黄色い線の間部分を、センター上から順に 1~6番レーンと書きます。 また、図の黄色いライン自体を凸ラインと記します。
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タッコング(ローポジバージョン) 顔の位置が極端に低い位置にあります。 これは、格闘バージョンと同じスーツで、中にある吊りを 外して着ているだけです。 簡単に言えばサスペンダーを してなくズボンが落ちてる状態です(^^; ですが、ツインテールの逆入りと同じく、面白い工夫です。 低い位置の建物などを壊す時に、この使用で演じています。
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NG版・サイド オンエア版との違いは、幾つかありますが 凸ライン(上図黄色い線)の形状が、右のオンエア版と 比べると、違うのが解ると思います。 手の下の部分で、3と5レーンが下の凸ラインに合流 していて、後ろまで行っていません。 手のすぐ後ろの吸盤も、小さいのが2つ上にあり 皮膚?(設定では甲羅)の面を、吸盤で出来るだけ 覆うように作られています。 形としては、とても綺麗でカッコイイです!
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オンエア版・サイド 手の位置も、動き重視のオンエア版は、かなり前にあり 覗き穴(左右1番レーンの顔から4と5の間)に Sアクターの顔が密着しないと、外なんて見えないので そこから逆算した手の位置になっています。 手(腕?)自体も、長くて軟らかく動きやすいモノに 変更され、かろうじて?敵を殴れるくらいには作られて いますが・・・実際には、よく見えない同士が 当たりに行かないと、殴れない難しいような手です(^^; その為か?帰マンに引っこ抜かれます♪(笑) 吸盤の数も少ないですが、できるだけ大きな吸盤を 着けるように、小さいブラウン管の怪獣として配慮されて います。*尻尾は長さを省略
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ソフビのタッコング
見て解るように、NGバージョンを元に作られています。 準備期間の少ない帰マンは、台本の完成を待たずに デザインから>怪獣制作を、先行して進めた為に 1話の3体が撮影的にはNGなのですが、形としては マーチャン用に撮影した写真を出してしまったので アーストロンの腹部と共に、タッコングもNGの方が 商品やイラストなどに使われています。 ソフビの放映当時の発売は、整形色が赤でしたが その後も、NGを引きずってか?青い顔で、青系が 体にも吹かれている状態が続いています。
逆に、オンエアバージョンのタッコングは形的には 未発売のままです(^^;
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タッコング(まん丸バージョン) アンコ*を、もっとも積めた状態のタッコングです。 主に海底のセットで、水槽フィルター前で演技する フルショットに使用され、2話の単独(破壊、対アロー)でも 少し使用されています。 手はほぼ詰め物で固定。 タッコングと言う怪獣のイメージは、この状態と NGタッコングを合わせたものが、おそらく一番メジャーで 最もオンエアでメインの縦長の格闘バージョンや ローバージョン、NG版の前からのショットは 意外な形に見えるかと思います。 *アンコ・ウレタンやスポンジで出来た Sアクターとの体型の隙間に入れる詰め物。
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細部の変更
タッコングの蛸である証である、吸盤はNGだと センターが溝だけで、少し盛り上がったような円ですが オンエア版は、半球状態に凹んだ形に黒く塗装され 吸盤内部の集中線のような、溝にも黒い色が入れられて ブラウン管でのコントラストがハッキリします。 デザイン画だとCDの裏面のような金属的にも見えます。 オンエア版の足の吸盤は、色が入ってないようにも 見えますが・・・入ってるようにも見えるカットもあり 足元なので汚れてしまうのと、体色が似てしまったので 判別が難しいです。個人的には塗ってあるように見えます。
その吸盤の間にある凸ラインも、NG版は山形で 顔の近くも、丁寧にグラーデーションされていますが オンエア版は、断面が四角で、顔の側も切り落とされた 形状になっています。
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タコの顔
顔も、NGとオンエア版はまったく違います。 オンエアは、海底のパイプなどを噛む演出などから ペスターのように動かせる用に、首?が軟らかく 広い面積になっているので、首には吸盤が着けられ ない為、額?の部分には異なる形状の突起があります。 池谷さんのデザイン画の、面白い解釈の1つだと思いますが デザイン的には、凸ラインで額から続く流れがあるのが 本当だと思います。 その効果で、首は亀ほど中には入りませんが、画面でも 解るくらい、奥にも引っ込み面白い動きを見せてくれます。 目も、デザイン画は瞳が赤いのですが、どちらも黒目で オンエア版には白目外周りと、血管が赤く書かれています。 ただ、これだけ顔が違うのに~その後、商品化される タッコングも、何故かアーストロンの腹部、セブンの白線と 同じく、長~~くNGの方が使われているのが不思議です。
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2本足怪獣の謎
見ての通り、蛸でも2本足で立つ怪獣で、8本の足は ありません。 逆に尻尾があったり設定では手も 体の中(これも設定では甲羅)に、入ってしまう事に なっているので、フォルムからしてもアルマジロと蛸の 合体した形状がモチーフだと思われます。 池谷さんのデザイン画だと、色も黒くて手足も輪状の テレスドンのようなデザインで、金属ぽいアルマジロ のような感じの怪獣です。
NG版は2足的に、背中?(後側)にチャックを着けて 腕も、足の位置から真上の左右に出しています。 ただ、この怪獣は2足立ちですが、出入りからしたら ステゴザウルスのように、甲羅の高い部分を背中に 解釈する感じで、チャックをもっと前に(前まで)着けないと 入れない特異な怪獣でした。 アーストロンのような型の怪獣は、肩から(首部)が 前に倒れて、入れますけども、この怪獣は肩とか首とか ツインテール以上に常識外で、甲羅の上(から前方向)に 切り込み手術を慣行されています。
むらさき色のタッコング?
1カット、完全に水に触れてるタッコングで 紫色で目の瞳が小さいタッコングが、出てきますが LD発売の頃、話題になり、限定の紫色ソフビまで 出ましたけども、コレは、爆破用のカポックで 作ったものが、水の色に反応して、茶色>紫に 変色したんだと思います。 ブースカの模様や、ガイロスなども近い変色が見れます。
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帰ってきたタッコングのひみつ
アーストロンと、タッコングの2体もが 名前的には2つなのに、4体分の時間と費用を 喰ってしまった事は、1クール立ち上げ時には 本来は大きな痛手でした。 *ザザーンは色と頭部。 変則的な前後編のようになっている、1・2話は 第2話の怪獣を浮かせる工夫で、ノリきりる事になります。
準備稿段階では 3話予定でしたが*セットの都合や サドラーの完成時間、東宝のステージと言う経費の 問題からも、「タッコング大逆襲!」はくり上がります。 *1話勝どき橋と2話のコンビナートは置物が違うだけで同じ。 そこで「呪われた怪獣伝説」>後の「恐怖の怪獣魔境」が 3話にに変更、3話予定の「怪獣流れ星殺法」>後の 「必殺!流星キック」が4話に変更されます。 *上の赤い台本は、まだ帰って来た(漢字)の段階で、右下に 決定稿とありますが、すぐ準備稿に変更され、サブタイトルが 紙貼りで、1話とタッコング大逆襲!が書かれ繋がります。 右の黄色い台本で、完成2話の決定稿になりますが それぞれ、完成3,4話も話数NOが変更されています。 2話の怪獣選択は、ザザーンはビジュアル的にも 当時は、さらに地味~な存在でしたから別にして(^^; 当事者の2体のうちどちらかに、2本分働いてもらう 選択になりますが・・・第1話に帰ってきたウルトラマンが お決まりのスペシュウム光線で倒す相手としては やはりアーストロンが選ばれます。 そこで残った タッコングが、完全に2体作られた責任を負って 第2話で逃げた怪獣が帰ってきた設定で メインを勤める事になります。 ただ、体型からも格闘は不可能に近いので 手前に模型や火を置いて、激しく暴れてる演出にしたり ウルトラマンも、顔をわざわざ口の前に持っていき オイル(水)を浴びるなどの工夫で、1本1体を勤めます。 もし、タッコングが1体だけだったら・・・別の怪獣か? タッコングは、もっと先の回でゴルザように 再登場したかもしれませんが・・・1話で逃げた怪獣案が 逆に、このタッコングからのアイディアだとも言えます(^^; ただ、ストーリー的には、タッコングの特徴などとは別の ドラマ重視の第2話になっています。 *ゴルザ・ティガ1話
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