ステージ・プールの作り方
東宝のゴジラなどで有名な野外プールに対して 予算や演出的に屋内(ステージ・スタジオ)で 撮影する時にはプールを組みます。 *津波や激しい格闘などがある場合は平板では無く ブロックにセメントなどで組む事もある。 まだ、東宝(系)でも、スタジオをステージと 言ってた頃は床が土でした。 *撮影所内も近辺の道も舗装では無かったので 搬入や撮影の建てこみも、土の方が都合がよかった。 その頃はプールの部分を少し掘り下げ平板で囲い ビニールシートを被せます。*実際は青より濃い。
そこに水をはり、青材を入れて深みを出します。 現場で見てると入れなくても…?と思えたり しますが、撮影すると透明の水だとスケールが ある場合(巨大怪獣やメカ)玩具のように見えて しまいスケールが画面で解ってしまいます。
山勝5円カード
*青材・はやい話入浴剤みたいなモノで、業務用サイズ? 石油缶からヒシャクなどで入れてました。 Qちゃんの頃は3色混ぜてましたが、昔は青と緑2色を混ぜて 海は青が多く、湖や池は緑を多く配分していましたそうです。 厳密にはウルトラマンの頃まで使用していた着色粉で セブンの頃からは下水などの問題から別成分の着色粉を使用。 それが2匹目のエレキングを産むのですが…それは第三研究所にて。
波の演出
水と火だけは、ミニチュアのように縮小出来ない為に 特撮プールでは小さい波を起して演出します。 海の波などは、主に板(板に網を貼った物もある)で起して 湖や池・カメラ前は扇風機が、よく使用されます。 厳密には、おかしいのですが基地内など波が起こらない ようなドックなどの水面も演出したりします。 波と波の波紋をぶつけたり、規則正しい波紋はプロペラ式 の電動ファンを直接水に付け起こします。
遠近法の低予算撮影
怪獣やヒーローが水に入る必要が無い場合には 本来照明さんが、水辺などの反射のゆらめく光を 作るのに使う5~10cm程の深さで、1mくらいの大きさの ブリキの箱(最近はいろんな素材がある)にギリギリまで 水を入れ、遠近法でカメラの前に置いてプールに見せる 技法もあります。*固定画面のみ使用可能。 最近で有名なのは平成ガメラなどで使用され、予算削減に 貢献しました。平成ウルトラマンでも時々使用しています。
昔からある遠近方の1つで、主に時代劇などで 近代的なもの(手前に舗装道路など)を隠す時に 使っていた方法で、ピントは怪獣に合わすので水に入る 芝居が無い時は水の予算、セッティングや撤収の時間など 大幅に短縮できる有効な技です。*映る一辺は情景に合わせ加工 *本来照明さんは、この水面に波紋を起し照明を反射させて 画面効果に使う。セットなどの船(上)で実際に水は無い時や 夜間の水辺など、コントでも使用されてます。
水の2次災害
プールの撮影では、おさえ以外の照明が水の中に 立たせないと撮影できない事も多く、万が一は無いように なるべく電源ケーブルは、水に着けないように 出来るポイントはするのですが、電流が漏れた例もあり 水の深さ以外に電気も水を使った撮影では 気をつける重要ポイントです。
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深さとの格闘
カッコよく海や湖で戦うヒーロー!は…
ほとんどは、FSのみのイメージカットが多く 膝をついていたりします(^^; *FS・引いた画(サイズ) 実際は深いとあまり動けず、格闘はヒーローでも 難しく、相手が怪獣では…まず動けない…
ほとんどの場合は、FSでも足首の上から多くて 膝の下くらいまでです。 *マスク(スーツ)をして深度がある水は とても危険なのと動きが取れない。
アマダ・カード
格闘シーンが多くある場合も、倒れても水に 浸からない程度の深さで、シートの色や水の色で 浅く見せない工夫をします。 *透明だとほとんど爪先が見えるくらいですが安全第一です。
演出上、怪獣が湖底や海から浮上したり 逆に潜って隠れる場合は、その場所だけ 深い所を作っておきます。 テント屋さんがビニールシートを専用の接着剤 (最近はテープ)で、深いポケットを作ります。
アマダ・カード
*撮影所ではテント屋さんと言うが、そう言わない店舗も ありますし、工場や撮影所は利用しても一般の方の生活では あまり目にもしませんが、店舗などの軒先などで一番 目にすると思います。ビニールシート類の専門店
昔は、ドラム缶を埋めたりもしたそうでローアングル撮影で 使用した缶が、ステージ床に残っていたりしたのを 利用したり、常設的に埋まってたステージもあったそうです。
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