キャメラ        ★光跡

特撮部分は35mmドラマ部分が16mmと言うのが
大雑把な定説のようですけども、実際は
特撮部分(特撮セット)でも合成が無いものは
大半が
16mmで、逆にロケでも合成があるものは35mm
使用されていると言う解釈の方が実際には近いです。

*35mm・16mmフィルムの幅の事。フィルム項目参照
シリーズ中ウルトラQだけは、全て35mmで撮影されています。
まだTV映画の基本や特撮の本格進出がなされてなく制作期間に
約2年(30分×28本)本編並(*劇場映画の事)のような
贅沢な撮影が
ウルトラQではされています。

35mm NCミッチェル(ハイスピードタイプ)

とても大きく重いカメラで、画面にもその重さから来る安定感が
出るほどのカメラでゴジラシリーズなどの名作を撮影していますが
1966年では、すでに特撮には使用されましたが
普通の映画ロケなどには重く型遅れ的な存在でした。
*それでも好んで画の安定感などの為使い続けた方も居ます。

英二さんが実際に使用していたミッチェルの1台。


ウルトラの1期の文献にはNCミッチェルとの記載が多いので
NCと↑で書いてますが、STハイスピードNC・サウンドなどの
種類があります。 しかし、この時代のキャメラは修理を含め
各撮影所で改造しパワーUPしてるものも多く、必ずしも
メーカーのデータ通りの性能だけではなかった物が多いです。
ウルトラでもハイスピード撮影も大半は任されたカメラで
オプチカルプリンターに改造されてたりもします。
*オックスベリーの1200ではなく1ヘッドのプリンター

主にカタログデータ的に言えばミッチェルST
合成処理などに便利とされています。

さらに進化型で別形式ですが、ミッチェルマーク2
マーク3(レンズブリンプが不要)があります。
平成ゴジラなどはマーク2やアリの35を使用しています。

ブリンプ(防音カバー)

ブリンプと言うと今のビデオカメラなどのクルーは、カメラの雨カッパ
事だと思うでしょうが、このカメラでブリンプと言うと
防音カバー
指します。
金属制) それほどモーターが強力な音を発た為で
同録(
*6mm録音)などだと普通の映画でも、布団をさらに
被せて撮影する程の事態でした。
昔の映画のメイキング写真でカメラに
布団がかかってるのは
ほとんど防音の為だと思って間違いありません。
はやい話重いのと音が凄いのでロケや同録に向かないので
特撮に廻って来たと言う撮影所もありますが
性能がわるい訳では決してなく好んで使用した特撮マンも多く
円谷英二さんの愛機でもありました。

ピント

このカメラはピントがラシュ(現像後)でしか解らないと言う
今では考えにくいカメラで、レンズのメモリと距離と
1機1機
(そのレンズ)の癖を知り抜いた経験と
カンでピントを合わせます。
*焦点合わせ>ラックオーバー式(マーク2からレフレックス)

カメフレックス

 

ウルトラQではピンチヒッター的に使用していただけだと思って
いましたが、40周年で見せて頂いたりお聞きした事などから
けっこう使用していたそうで、凄いハイスピードで無い場合も
ガバナのDC12VからシンクロのAC220Vで、ブン廻したそうです。
見た目はハッキリ言ってブサイクなカメラで、アリよりはマイナー
ですが、業界的にはメジャーなカメラの1つです。
レンズマウントは、アリSTと同じ3本のターレット型で
ファインダーのすぐ後ろに縦にフィルムマガジンが装着されます。
上に未撮影>下に撮影済のフィルムが巻き取られます。
*ガバナ・ガバナモーター、シンクロモーター
他にバリアブDC8Vのモーターが使えました。

ハイスピード(高速)撮影

初級編フィルムのハイスピードは>スロー画面の事で
1秒24コマが通常だとしたら、1秒で倍(ハイスピードで)
48コマ撮影したものを、同じ映写機で再生すると
24コマ再生すると0.5秒の時間しか再生できません。
 つまり速度が半分
(スロー)になる訳です。

中級編ベムラーエレキングが湖から出て来るカットなど
東宝映画のような迫力を感じるハイスピードは
合成などの不思議差とは別に特撮の醍醐味と言える
名カットのイメージを産んでいます。

「シーン1カット2!用意~スタート!」こんなのが
普通の撮影で助監督が言う言葉ですが
「照明さんOK?、カメラ!・・・・・・はいカチン」
ちょと変った掛け声の撮影ですが、こんな感じの
掛け声はハイスピード
(特撮)の場合がほとんどです。

車のギアと同じで走りはじめからいきなり
トップギアに入れる事はできなく速度が上がるまで
「待ち時間」があります。
*ギアがあるわけではない・ビデオの5秒前と同じ
一定の速度に達してから怪獣などが動き出す用に
カチンコを後で合図として鳴らします。
メガホンなどで
「怪獣歩いた~!爆破!とか飛行機出た!」
など指示を出す場合もあります。
この待ちの分だけ余分にフィルムを消費し使う
部分も贅沢に使用する為少しずつコマ数が減り
(速度が下がり)同倍速になっていってしまいます。

巨大感を出す為にも主に使用されるハイスピード
撮影は大変フィルムを消費します。

上級編シャッター0~175度の可変が出来撮影中調整も可能です。
バリアブルモーター、シンクロナスモーター
クリスタルモーター、ハイスピードモーター

などがあり各撮影所でいろいろ改造していたりもしますが
バリアブルで1~32コマ 24~128コマ秒
*コマ撮りモーターなどもあり。

さらに上級編 縮小されたもの(ミニチュア・着ぐるみ他)
スロー(ハイスピード)で撮影しないと巨大感が
出ないのですがビデオで撮るとこれが、スローモーション
しか成らずダメです。
ティガ移行もこの為、縮小撮影はフィルムも使用されています。
ミニチュアサイズやアングル、照明によっても速度を調整します。
*右・特殊撮影の照明参照
高速は、ある意味超次元と言いたくなるほど別世界の面もあり
1コマの露出時間を短くし被写体などの移動を、精度内に納めないと
コマ数の現像解析すら難しくなります。
MVt=dと言う式で、限界条件は出るのですがそこから先はほんとに
プロの世界なので控えます(^^; 

ハイスピード・カメラ モニター600

ウルトラQ、マン、セブンでの20倍の高速撮影以上の
30倍の高速撮影が出来る(出来た)キャメラで
英二さんはマイティジャックの時に、当時は軍事用しか
無いのを取り寄せ使用しています。
その効果はMJ号の巨大モデルの浮上シーンや搭載機などで
見られますが、30秒撮影しても15分以上のフィルムが
吹っ飛ぶ訳で、浮上シーンもありまりに高速撮影だった為
いい所を切って短く使う事になってしまったそうです。

2007.12.6~08.1.20に六本木ヒルズギャラリーでの
ウルトラマン大博覧会で、ミッチェル・モニター600
ボディとレンズ部分が円谷英二さんのコーナーに展示されていました。
吊り下げ式でも使用したので間違いでも無いのですが
三脚使用的にはボディ部分の展示は逆さまでした。
上に三脚固定のネジ穴が3つある状態でしたが、本来は上には
フィルムのマガジンが着くので、その装着部品と
フィルムが通る穴があります。
*マガジンが残ってなかったのか、専用のではなく他のマガジンが
流用出来た?もしくは専用マガジンだけ後に他のカメラで使えた
のかもしれません。
吊り用の
MITCHLLの文字を基準に三脚固定穴を上にしていました。

逆と言うのは、レンズとファインダーは三脚固定の上下になっていた
からで、上の図はレンズとファインダー、ボディとも三脚用の向きです。
ファインダーが変った所から出てると思うかもですが?
本体側でフィルムがとても目で追える速度でパーフォレーションが流れ
ていない為に、この部分で見ます。 存在しないハイスピードカメラも多い

展示はNHK放送博物館のモノですが、このカメラをちゃんと見て行く人も
そうとうマニアですが、展示の形だけなら35mmのNCと16mmのアリの方が
寧ろいいくらいなので、わざわざ展示してる事からも円谷プロから
寄贈したモノなのではと思います。

さらに、逆さだったので手前カメラマン側から被写体方向への
右側にあるはずのモーター接続の回転軸パーツが手前左に
ありましたが(左だとファインダー覗けません)本来はファインダーの
逆側です。*反対のボディはただの板なので気ずきそうなのですが
モーターは残念ながら展示されていませんでしたので図は想像です。

ファインダーも、ほぼ確認用で廻してる時に目は着けられなかったと
思いますが(普通のカメラでも着けないカメラマンも多い)吊り下げ用に
カウンターは前にあり、フィルム残が解るようになっていました。
三脚固定は1つ穴でもいいかと思いますが、船(固定板)があれば
振動防止に3つホールドしたのかもしれませんが、基本的には吊りが
3つだったんだと思います。
シャッターはレリーズ(もはやコード)で、離れた所から操作可能でした。

モニター600の登場
1966年9月新製品紹介(業界向け冊子)に
初めての16mmでロータリープリズム方式を採用した高速度カメラとして
紹介さてています。*実際に発売されたのは数ヶ月後。

ハイスピードカメラとは?
ハイスピードカメラは、ハイスピードシャッターカメラと混同しない為にも
白く塗られていますが、まったく別モノでハイスピードのシャッターは
1秒24コマ(通常)を30コマ程度にするくらいです。
*ウルトラマンなどは30コマをハイスピード撮影と言い多用しています。
30コマ程度のまでの方式を専門的には
書き落とし方式と言いますが
この30以上の速度はハイスピードカメラでないと無理とされています。
モーターにもよりますが、30コマから1万~4万近いコマ数を撮影する
カメラも存在しました。
*現在はデジタルに譲る。


ロ-タリ-プリズム式
書き落としと違い、フィルムとレンズの間に回転プリズムが速度に同調し
回転する事で、プリズムとフィルムが相対的に静止状態を作り撮影します。
*簡単に言えば科特隊の実験のようですが、回転してる自転車のスポークや
レコードの溝を静止した人が見るのは難しいですが、回転と同じ速度で廻る
CCDなどの画像で見たら、スポークが静止状態に見えるのと同じ。


特殊撮影のピント
巨大なモノをホントに撮影すると
東京タワーでもピントはインフ(無限)
に設定してしまいます。そのレンズに30mしか無ければ
それ以上は無限でピントを持って来ますがミニチュアは
ピントの範囲内だったりしますのでパンフォーカスにしたり広角や

絞りで被写界深度を得て全体にピントを合わせないといけません。
特に合成の画面ではそれらの知識やデータの精度が求められます。

画像↑>現在のアリの映画用カメラ。
今はカメラマンもファインダーは
もちろん、テレフレ*などいろいろな
フレームをモニターで確認でき
さらに横の(画像右奥)に監督などに
モニター出力できるようになっていて
あらゆる機能が電子制御されていて
チタンなど軽い素材の登場でボディも軽量化されています。
*フレームには、実際ファインダーで覗いたり
フィルムに焼かれてる分と、TVでオンエアには違いがあります。
極端な例では画面には無いモノ
(人)がフィルムには
映って居るのですが、見てる人が解らないといけない
モノが
ギリギリにある場合などは、テレフレ
(TVフレーム)を確認します。

1期はに記したものが、ほぼ適用されていますが
2期では予算的にも16mmでの合成も比較的簡単な
マスク合成では行なわれています。*合成項目参照

16mm アリフレックスST

左のミッチェルのような蛇腹レンズフード
ありますが、カメラマンの好みやメイキングなどの
ポーズで付ける事が多く、実際の漏れ斬りには
さほど役にはたちませんでした。(^^;
*漏れ>レンズに照明や太陽が直であたる事。

NCミッチェルに比べれば格段に軽くコンパクトで
ロケで高台や渓谷など重い機材を運ぶのに大変な
場所が多い
特撮では、良い機体でレンズもいろいろ
マウントできるので好んで使用されました。

アリSTを覗くQちゃん

16mmの入門用カメラでもあり現場でも活躍する
メジャーでまさにスタンダードなカメラです。
TVドラマのフィルム時代のほとんどがこのカメラと
このカメラの
BL同録用
が使用されています。
アリBLを覗くQちゃん

アリフレックス16BL

100.200.400マガジン

マガジンとは、フィルムの入ってる箱の事
(写真のカメラの上の楕円の箱)出着できます。

アリのSTは100.200f(フィート)の短いフィルムは
カメラ本体に入ります。*イラストの丸2のコブの中
400Fマガジンもその上に開閉部がありBLと同じマガジンが
接続できます。
BLに着けてるQちゃんの頭の上の楕円が400Fマガジンです。

ウルトラではロケに2本セット持って行ったそうです。
約400fで10~12分撮影出来ますから、通常(24コマ)撮り
ならば30分番組で特撮部分以外なので充分な量です。

ゴモラ撮影メイキングで円谷一監督とカメラマンが覗いてる
演出スチール(現場で両スタッフがあんなニコニコはしてませんし
一さんは特撮監督では無いです(^^;)のカメラがアリのST16です。

ゴモラの大阪城破壊シーンでは、16mm5台35mm3台
劇場映画並と言うかハリウッド級の抑えです。
*ミニチュア項目参照

三脚

80年代後半までは、TV局でもほとんどユニバーサルと呼ばれた
木製と金属部品の重い三脚でした。
通常の三脚と、ベビーと言う小型(図中央)ローアングル用
さらに特撮などで多用するハットと呼ばれる(図右下)
さらにローアングル用のものが主に使用されていました。
下にはタコと呼ばれるゴムの板が着けられハウススタジオなどの
床上で使用します。金属ダイヤルを外に回転し位置固定します。

雲台(図右上)を、それぞれのサイズの三脚の乗せ
水平バランスを取ります。(雲台に水平機が設置されててます)
35mmなどはとても1人で、高さを変える事も不可能な重さで
一度使用しない三脚に置いて高さを合わせるたりもしますが
場所変える以前に高さをその場で変えるのも昔は大変でした。
通常タイプの三脚のいっぱい上げ(伸ばし)などの指示が
キャメラマンから出ると撮影部総員で上げます。
軽い16mmでも、午前中はキャメラを着けたまま三脚ごと担いで
山でも谷でも動きますが、午後には肩にめり込み重みはどんどん
倍増していきました(^^;

今は、軽い材質のモノがどんどん出てきていてビンテンなどが
主流のようで、昨年も後輩の現場で少し担ぎましたが
勢いの方が増して、拍子抜けするほど軽く驚きました。

黒バック

撮影現場で昔は、黒い布袋をかぶって踊ってる人が
いました♪(かなりそう見えた)(^^;
踊ってるのではなく実は、黒バックと言う袋に穴が
空いてないか自分が被ってグルグル袋を回転させ点検してる
姿で、フィルムを入れるマガジンが別班(組)などで
足りないなど現場でフィルムを、入れる時に使います。
暗箱と言う箱を使用する事も、ありますが箱が大きいので
ロケ向きではありません。
Qちゃんは、フィルムチェンジだけは速くて撮影所でも
TV局でも驚かれましたが、マガジンの内部構造を覚えれば
簡単な気がするのですが不思議と驚かれたり、役者さんは
フィルムチェンジ=休憩なのにQちゃんだと休憩にならないと
イヤミを言われたりもしました(^^;

図の上部チャック(二重)から中に新フィルムを入れ
撮影済みのフィルムを外し交換して新フィルムの袋に入れる
手を入れる所は二重になりゴムで締まります。
*腕当てみたいな感じ

 

特殊撮影の照明

縮小されたものをリアルに見せるには照明が大事です。
ハイスピードはレンズ自体も絞りや照明も簡単に言えば
明るい方向にしないと通常よりはやくコマが流れ暗く映ります。

初級編
例えば水道の水が一定に出てる所にコップを横切らせ入る
量は、ゆっくりの方が沢山ではやくコップを通過させると
少ないのは解ると思います。
それと同じで、同じ光の量に対してフィルムの1コマが
通過するはやさが、はやくなると光が少なく暗く映ります。

中級編
リアルと綺麗

 
その事を踏まえた上でリアルに見せて行きますが
この場合シャープ(綺麗)な事とは反する面もありほんとはDVD
綺麗差をフィルム特撮に要求するには少し矛盾点もあります。

ウルトラはビデオの導入で解り難いかもしれませんので
ゴジラの初期のシリーズと平成ゴジラを比較したらばきっと
綺麗に感じるのは平成ゴジラだと思います。
そこで感覚ですから難しいのですがゴジラがリアルに感じる
のはどちらか?と言う問題があります。
感覚ですから異論はあるかもしれませんが、これは綺麗で
無い方に(例で言えば昔のゴジラ)軍配があがる場合が
多いと思います。

フィルムの問題とか、時代などの照明以外の要素も
感覚にはあるのですが、画面の綺麗と言う問題だけに
着目してみても綺麗=リアルでは無いと、言うのが解ります。


TVの観覧などに行くとセットがTVで見るより
汚く思う事があったり、ガラスを離れて見てたら綺麗でも
近ずくと汚いなどと、綺麗に見える誤差を感じた経験は
あると思いますが、これはTVがハッキリ汚れまで映して無い
シャープにそこまでは出せてないと言う事で
車も、遠くから目立つほどの汚れにまで目のピントをシャープに
合わせきれて無いから綺麗に見えている訳です。

特撮は画像が綺麗も大事ですが画面がリアル感が命ですから
照明や美術でどこまで綺麗に見せればリアルなのか?を
積み重ねたり省略する事で、特撮のリアル感は生まれます。

上級編
スターウォーズⅣの1作目ではフィルムであるのと時代的な
綺麗差も要求される中この問題を露出でカバーしました。
白い宇宙船を長時間露光で撮影し凹凸の影を記録しブレて進む
難しい撮影の為にモーションコントロールカメラを造り出しました。
スターデストロイヤー(宇宙船)をスローでコンピューター制御で
動かし(実際はカメラが移動)被写界深度を得ています。
その事で凹凸のブレが少なく巨大かどうかもまだ解らない宇宙船が
超巨大に見えてフィルムが汚い印象を与えず、むしろ綺麗に船体の
汚しまで写し出した事は、世界の特撮マンのど肝を抜きました。
合成の為の同じ動きと言うのはMコントロールカメラの一般的な
能力でしかなく実は被写界深度とリアル差を獲得したミニチュアと
照明(絞り)に齎した光跡もありかなり高レベルの技術でした。

カチンコ



カチンコは、基本的に同録映画で使用する道具です。
カメラと録音テープが別の時代に生まれ
カメラを廻す前に、各部のOKを確認します。
「照明さんOK?」「録音部さんOK?」など
最後に録音部さんを聞くようにすると、そこで録音テープを
走らせます。(その前に自分の声でシーンNOなど入れる方もいます)
そして、「用意・・・・・」でカメラマンがカメラをい廻し始めた
時にカチンコを、カメラ前(ピントの合う所)で閉じます。
すると、録音テープにもカチン♪と音が入るので、フィルムの閉じた所と
テープのカチン♪の音を合わせると、その後の台詞などの口や
ドアなどの
全ての音がズレずに合うのが、本来の使い方です。

ウルトラの場合は、ロケではアフレコですがノイズが居る場合は
同じ使い方をします。電車の走るカットとか、車がカメラ前を行くなどは
アフレコでも現場で同録します。*ノイズ一般の意味と違い後の音など
ノイズと言うオンリー録音もします、港だとか工場などのノイズは
カメラ廻って無い時にシーンの長さより長めに録音しておきます。

特撮現場では、まずカチンコとしては使用しませんし呼び名も
「ボールド」と言います。
特撮はテイクが多いので、シーンナンバーは本編より少なくても
カット数が多いので、ちゃんとボールドが入ってないと
合成に廻すカットなど後で大変な事になるので、カメラを廻す
部門チエック後に、特撮監督(特技)自ら確認しカメラを廻す程です。

コマ撮り出来るかキャメラは、1コマあればいいのですがなぜか
2~4コマ撮影します(^^;
カメラ助手や助監督は、ボールド撮影で焦点距離を覚えたりしますし
ステージ内は暗いので照明さんがセッティング終わらないタイミング
明かりを貰わないといけない場合も多く、下手なタイミングで
「明かり下さい」などと言うと、自分でバッテリーで照す事になったりして
助監督は次への準備、進行を、把握するにも照明部に鍛えられる
ようになっていました(^^;

尻ボールドと言うのもありカットの最後に入れるのですが
崖などのカメラの前に行けないで、カメラを振る事も出来ない
状況などでなければまず使いません。
有名な大プールに落ちた話は、カメラを振ってもらうのを知らずに
カメラ前に乗り出したら落ちたと言うのは聞きますが・・・
いろいろ話が進化してるようです(^^;

キャメラとカメラ

*キャメラ ある意味江戸弁と同じようなナマリに近いかもですが
現場にはスチールのパチカメと言われる
写真のカメラもあるので
それとの区別にも映画用をキャメラと言っていました。
(写真用も昔の方はキャメラと言う)
最近は、あまり
カメラキャメラを言い分ける事も少ないですが
京都などではまだキャメラと言う方がいます。
Qちゃんはキャメラの方が好きです♪

日本映画テレビ技術協会

もっと詳しく知りたい方は、協会に入ると技術手帳が貰え
中には各キャメラのフィルムの装填図や各レンズの焦点距離
全フィルムのNO高速撮影、空撮料金、光学の式から
照明、録音、ビデオなど、撮影に関する全ての事が
ほとんど見れば解る便利手帳があります。

現在は、後輩などのを見るとかなり大きくポケットには
入らない大きさで手帳ではなくノートです。(^^;
一般の方にも販売してるようです。

*1947年に日本映画技術協会誕生

1965年日本映画テレビ技術協に改名。
 関連法人・団体・映画、テレビの技術に携わる方の公益法人団体。

 

      

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