毎日新報 号外-6  冷凍怪獣ぺギラ       光跡★

 デザイン・成田亨 *デザイン案・井上泰幸   造形・高山良策 Sアクター・清野弘幸

*左右の記載は向かってでは無くて、Sアクターの右手を右と言う形で記載します。
*ぺギラの主に腹部に見られる丸い凸模様はイボなど多種記載が在りますがコブと記載します。

ぺギラは2作品に出演していますので、2作品を用途別に
ぺギラが来た!>を「南極版」・前編  東京氷河期>を「東京版」・後編と、記載します。
南極版・東京版のスーツは、個体は1つで変化や改良による「状態」です。

怪獣が玩具や絵になる場合は、角や翼などが取られたりするような後半の状態より登場時の姿が殆どですが
ぺギラは不思議な事に、撮影後の雑誌やデパートや遊園地に展示されたスーツの「状態」が使われ
作品上の姿は使われる事が無い怪獣です。

南極版


画1

東京版


 画2

■南極版と東京版ペギラ■
最も違う撮影開始の登場時と撮影後に違う状態は、モチーフの1つペンギンを表現したゴローと同じ毛
ザックリ言うとペンギン黒部分に貼られている画1が、撮影進行ごとにアクションや脱ぎ着で剥がれて行き
展示の姿画2に近い
「状態」になっていきます。

難しいのは前・後編とも順撮り(放映の時間順)では無くて、大別すると前後の間に大きな修復と改良を施していますが
*編集が他の作品よりも細かくて匠で、前編にも後編のぺギラがインサートされていたりし、簡単に言えば
前後辺姿がベースですが、カットによりどちらもシャッフルして登場しています。 
撮影上の初登場は、前編の3度目の登場時の基地を破壊する前がぺギラスーツ最初の姿です。
*編集・円谷英二さんが自宅に持ち帰り(庭に在る特技プロの施設)編集したと伝えられます。

画3

重さで前傾斜の首上

画4

直立姿勢になる都会のぺギラ

主に南極版は冷凍光線発射装置を頭部に画5組込んで居るために重さで前傾ですが
東京版は外したので、首から上が直立です。其れに合わせて、外した事から後頭部や首がシッカリ*閉められ画6
首が太い状態から>細くなっていいます。 
*ダクトを接続する為に開けてる場合も在る。
チャンドラーが細いのも冷凍光線を吐かないからとも言えます(^^;
また後編の冷凍光線を吐くカットは、Sアクターが入ってない首から上や、逆に首から下しか
映して無い
ぺギラのカットが使われています。

序に書くと背中のチャックの左右に在るコブも、
画3~6綺麗な楕円の饅頭のようになってる事が多いですが
よく見ると鋭角な辺で滑らかな半ドームでは無く、かなり高さも在ります。
また尻尾は、横からは細く真後からは…太くて
画3~6体に近い部分は…かなりの太さが在ります。
足の太さも、足首まで同じ太さで、とても太く両足を合わすと見る角度やポーズでは
胴体よりも太く見えるのが
ぺギラの特徴です。かかとの角東京版は塗られていて濃い。画4
翼のも東京版の後半で、筆でベタ塗りされています。画4・6

画5

画6

     ■デザイン・モチーフ■

ぺギラのデザインは、ペンギンがモチーフとしか語られていませんが、ぺギラにクチバシは無く
ペンギンは在りませんので、ペンギンだけがモチーフでは無いのは、一目瞭然です。

画7
セイウチからで画8の前のデザイン画では、羽根が鳥の感じで牙もクチのもっと前に2本書かれていますが
クチの開閉から左右の外側に離れます。

ヒゲは勿論、目はアザラシをモチーフにしていて、カメラテスト前までは体のコブも平面の塗装の模様で
目もアザラシのようなレッドキング1代目的な黒目でした。
画9
目のサイドの三角の凹み
画9のようですが、デザイン画では凹みなのか、デッパリなのか…解釈が難しい所です。
また目を変更して点灯するギミックを冷凍光線の噴射装置と共に居れた事から、左側の耳?の凹みは
三角よりも四角になっています。
はデザイン画の段階では存在して無くて、目の変更や体のコブの追加時期に着けられています。
角の大きさも
フィギュアなどのように大きくは無くて、色も牙よりも暗いカラーで小さくて厳密には少し右を向いています。

 

画8

翼が変更になった第2稿、まだや立体なコブは無い。

 

画9

画10

■目■

画11
ぺギラキャライメージで目が、マブタが外側に低くなった画11の右上のような泣き顔な事が多く
そういうイメージを持ってるファンも多いかもしれませんが、実際の映像では、殆ど画11の左上の
半分で止まった状態から>画11左下のまぶたを開く目を見せています。

画11右上の状態は、右目だけ後編の右目に少しだけ見られるだけです。
また、当初は右下のアザラシのような画9黒目だったからか、瞳は基本ドーナツ型ですが
中の穴が無い場合や、ドーナツもマブタの開閉などで消えてしまうようで
瞳の厳密なサイズは何度も書き直されていて一定では在りません。画11左

■クチと歯と牙■

ロを観ても、完全オリジナルの本格怪獣でゴジララドンを合わせたような凄い怪獣をとの意気込みが感じられますが
その後のシリーズなら…こんな撮り方はしないと言う撮影を幾つかしていて、特に、前編のぺギラに対する
ロケット(ぺギミンH)を撃込む撮影を後編の前にしているので、クチ(中や周囲)を大きく修理していて
其れを境に前後編のスーツに大きな
違いが産まれてます。

画12
ぺギラ*ぺギミンH(コケから抽出した毒物)を飲ませるような表現にしてたようで、体では無くクチを狙い
火薬をクチの中で多くの量仕掛け爆破している為に、撮影が残るスーツ頭部が破損してしまいます。

画12左「前編」右「後編」です。前編は下の歯は2本ずつで、後編の下は左右に3本で前のセンターに1本と増えていて
センターのサイズが小さく、交互に大・小のサイズ違いのが 並んでいます。
上の歯は、冷凍光線の装置に配慮し火薬のダメージが無かったようで同じ状態です。
*スポンサー武田薬品への配慮から、ぺギミンHは、コケから抽出した毒物に留まっていて
あまり液体・固体を飲ますと言う表現は使われず、後編では爆薬と共に破裂させるのみになっています。


その為に大別して観ると、後編の修理されたクチの中は、登場時のような綺麗な状態では無く
歯の位置や本数なども異なっていて、逆に歯やクチが、細かい編集でぺギラ
どの状態のが、インサート(前後)しているかが解る目安の1つになります。

の角度も、絵やフィギュアで異なりますが画13・14牙自体は同じで、前傾斜分>直立の東京版画14
牙が上向きに見えますけども、上唇を越える事は(牙自体は同じ固定なので)在りません。

 画13


 画14

 ■足■
ぺギラの足は、成田さんのデザイン画の1つ目では、完全に水かきが描かれていますが
2つ目画8では…少しセーブした足になっています。

画15

足の甲黒く塗られた部分は在りますが、雪(パウダー)が乗っていたり、映りにくい部分なので
ハッキリ確認は出来ませんが、毛は貼られていないですけども黒く塗られてる部分が在ります。画1~4
足の裏は、逆に珍しく両方画15のように画面に映ります。
右足の裏は水かきの跡と思える感じですが(黒い部分は)塗装で、毛では在りません(^^;

■前後編が離れた理由■


ギラが来た!東京氷河期は、タイトルは異なりますが
1965年4月2日から24日の22日間*連続して撮影された事実上の前後編ですが
初回放送は1月30日と~~4月3日と離れた放送でした。
略・全話完成してから、放送順を決めたウルトラQでは不思議なくらい日数が開いてしまっています。

それは映画とは違うTV映画の放送で放送法に示されたモノでは無い事でも、テレビの役割から
*報道倫理上「羽田空港」と言う実名が出る為に、配慮したした措置が
以下に記載する理由から、前後編の間が大きく開けられる事になります。
*自社事業の利益のためのニュースを報じたり、逆に不利益になる事を報じるなどを禁じて いる。
 簡単に言えば、
*会社に真実以上や以下な事実と異なる事を伝えて、利益や損出をもらたしては行けないと言う事。 
*東京国際空港ターミナル株式会社(羽田空港)


●1月30日 5話・ペギラが来た!放送

●2月4日
全日本空輸60便ボーイング727午後6時千歳空港を出発>羽田空港へ向け着陸進入中

午後7時の通信を最後に消息を絶つ捜索を開始午後11時30分過ぎ海上保安庁が、遺体や部品を発見~
墜落が確認され133名の方が亡くなる大事故が起き、大きな社会的な事故のニュースが続く。

●2月20日
4日後の8話東京氷河期の放送予定を、羽田に飛行機が着陸寸前に爆発するシーンが在るので

TBSが放送延期を決定。「甘い蜜の恐怖」を繰り上げて放送。 3月13日東京氷河期を放送準備…

●3月4日
香港発東京経由バンクーバー行きカナダ太平洋航空402便羽田着陸時、午後8時15分進入灯に接触し

護岸に衝突し大破し炎上。乗員乗客合わせて64名が死亡、乗客8名が救出された。

翌日5日、午後1時58分に羽田から香港に向け英国海外航空911便が、前日事故の残骸の中離陸>
午後2時15分ごろ、御殿場市上空乱気流に遭遇し空中分解富士山麓太郎坊付近に落下
乗員乗客124 名全員が犠牲となる、羽田関連の事故が起きてしまう。

3月4日の事故で3月13日に放送を延期していた「東京氷河期」は、もう一度延期され
「バルンガ」を繰り上げて放送、東京氷河期は1月後の4月3日に、やっと放送されます。
また、この事故から製作話10話の「206便消滅す」は
初回放送ではラストから2つ目の最後方の放送になります。


と、言う理由からぺギラの前後編は、初めてTV放送の難しさを円谷特技プロが勉強する事になりますが
*再放送では、この2本は67年10月19日>26日と仲良く連続して放送されています
*全話放送としては、再放送とも言い難く・・・局よりも制作会社の意図が濃い順番とも言えるのが
月単位の怪獣登場などを考慮せず、この
ぺギラ登場の前後編が連続放送な事からも解ります。

ただ現在のソフトでは、初回放送の5話、14話になっていますのでぺギラという怪獣からの目線で言えば
連続した話数で観てもらった方が…当時の制作サイドの意向的にも良いかと思います

また、高山さんが造型した状態の南極版のぺギラの勇姿も多くファンに認識して貰えたらと想います

Copyright(C)2002- KOUSEKI・Qchan 不許複製

inserted by FC2 system inserted by FC2 system