古代怪獣ツインテール 

デザイン・池谷仙克  造形・高山良策S・アクター遠矢孝信   

★光跡

ツインテールのカラー
作中のツインテールは、ウェザリングされていたり
スモークや砂煙で、スーツカラーの見え方に誤差があります。
スチールでのスタンバイ時などには、比較的鮮明なカラーの
ツインテールが見られますので、それを更にイラスト的に
ハッキリ分けたカラーで上は塗っています。

体の左右のトゲトゲは、グレーに描かれる事も在りますが
(系)です。
第2の目の下の凹部分は、赤茶と言うより
足のパーツは、デザイン画通りグレー(系)です。
も、ちゃんと顔と違う色が塗られていますが
センター部分は、ウェザリングと砂土の付着が多いので
画面では、左右に少し其の色が見えるくらいですけども
スチールでハッキリ確認出来ます。

ツインテールの目
ウルトラQからの伝統?で、が下がっているかと思えますが?
デザイン画で既に、瞼が半閉状態で書かれていて
なんとなく眠そうな目が、愛嬌ある怪獣に見せています。


もう1つ隠れた部分なのかもで、あまり認識されていないようですが
その辺のギャルの付けまよりも、立派なまつ毛が着いています。


スーツ的な覗き穴は、第2の目の下の赤い部分のスリッド内に
空けられ、呼吸穴と兼用されています。
*スリッドはデザイン画に忠実で、八の字の逆で右が上
左が下の状態になっていて、凹面の左右には線は在りません。

格闘ラスト近くでは、除き穴とスリッドの部分が破損して
切り開かれてしまいます。
*なので、其の部分に大きな亀裂があるスチールは
撮影終了後と見て、まず間違いありません。


MATの攻撃で、やられる目は演出・設定は別にして
スーツ的には、元の目の前にパーツが3~4点接着され
赤いスプレーが吹かれて表現されています。


MATに目をやられますが、左>右の順に攻撃されやられます。
今見ても・・・かなりリアルな攻撃と表現で
シュガロンも目を攻撃されますが
その後は、あまり使われない描写になります。

*シュガロンは、その内容からか?片目を損傷した物や
絵が多いですけども、ツインテールは、その愛嬌からか
作品や尺的には、シュガロンより大きなダメージなのですが
損傷した状態が描かれたり商品化される事は殆ど在りません。

ツインテールの顔


ツインテールの顔は、造形的にはダンガー、シュガロン
ベムスターへと続き似る「m字」の顔で
頭のトップの凹み部分センターには、操演用のフックが在り
ピアノ線で頭部を持ち上げて、動かしています。

目や、まつ毛、唇は別の項に書いたので略しますが
スーツには在るのに、大きなソフビなどにも無いのが
鼻の穴で、唇の上センターに、ちゃんと2つ在ります。



逆にサイドからの顔は、カッ良くなっている事が多いのですが
けっこう壁に激突した?と言うくらい、に潰れていて
何故か?カッコよく立体化される事が多いですけども
スーツ的には、けっこうブサイクです(^^;
また、下側にはアゴを可動させるヒモコンが出ています。



そのアゴの下も、平らな板状になっている事が多いですが
高山さんは、ちゃんと喉部分も造形しています。

前後も逆?


ツインテールは前に書いたように、実に良く動く怪獣
其の1つには、元々L字のボディをコの字に折ったり
逆に折れるのに、Sアクターが前後逆に入った事で有名です。
ただ、足のパーツの向き(つま先方向?)は
Sアクターの向きに同調しています。

ツインテールの足

ツインテールは区分するなら2足怪獣で、ガバドンAのような
足が2つちゃんとあります。


画面でも、高く持ち上げられるカットがあるので、見えるのですが
週間TVガイド(5月1日~7日 450号)の表紙
撮影終了後のツインテールと、帰マンの格闘スチールが
使用されていますが、そこは帰マンの左手に噛み付いてる
ツインテールの頭が、かなり上に持ち上がっているので
足のパーツが大きく露出して映っています。

週間TVガイド450号より
除き穴(上にある第2の目の下)から、ツインテール
アゴ下までしか無いと、上の写真のように帰マンと並ぶと
解りやすいですが、Sアクターの身長に及ぶ高さが
まったく足りません。
*作中も帰マンと並ぶとツインテールは、かなり大きい。
Sアクターの遠矢さんが直立した場合は、足のパーツが
かなり見えてしまうので、セットの地面を少し掘り下げないと
足が目だってしまう感じで、サイズもSアクターに
まだ合わせて作って居なかった*時期の余跡です。
*帰マンは1クール頭では怪獣制作を、脚本(完成前)と
平行して行なった。

足の裏も、作中で持ち上げられるカットで解ります。
後に、ツインテール似の怪獣クマゴラスを、池谷さん
デザインした時には、演じる事を考慮してか?
もっとハッキリと、足が書かれていますが・・・
ツインテールのように、子供に歓迎されたとは言えません(^^;

90%?のツインテール


ツインテールは逆立ちしたような~ハサミ虫的な怪獣で
タッコングと並ぶ、ウルトラシリーズでも特異な怪獣です。
デザインや造形以外の魅力として、最も良く動く怪獣の1体で
ある意味・・・人型怪獣からするとウルトラマン
格闘するには、腕や足が無い怪獣なので、其の分動かないと
*ブルトンのような置物的な存在になってしまうからですが
その動かす努力や工夫は画面に存分に表れています。
*ブルトンも動くのですが置物(的)と言うイメージ上の例。

そこで、スーツとしてのツインテールは
ウルトラマンとの格闘も、脚本的*にありになってしまいましたので
足が活躍しているのですが、立体化やイラストでは
この2本の足は殆ど無く、アゴから下は平に解釈されて
いる事が多く、90%程しか存在しない状態な気がします。
*脚本的*詳細はグドンのえさ?」にて。

理由としては、足元を少し低く掘っていたり、カメラと足元の間の
土を盛り上げたり、砂ぼこりを撒き散らしたりと
なるべく足を見せ無いように、作中工夫しているからで
他の怪獣と違い、ローアングル過ぎないで頭部の上が見える
カメラアングルが多いのも、足を少しでも映さない工夫です。

ツインテールの名前


女性の髪型(結び方)に、ポニーテール(左)やツインテール(右)
と言うネーミングが在るように、本来は下にある尾が
頭部にあたる上に、尾が2つある事から由来しています。

操演怪獣?
キングギドラには及ばないですが、ツインテール
Sアクターの手足に、動きを委ねる部分が少ない為
2つの尾の先端、尾の付け根のセンター、頭部にピアノ線を付け
動かしています。
勿論、
Sアクターが中で手を動かす事で、体が脈打ったり
歩く事で、移動もしているのですが、形的にはシークレットな
裏の動きで、操演部分の方が表の動きになっています。
*尾の付け根センターのフックは、直立状態以外では
外されている事が多く、頭部のピアノ線が外されていると
顔が下に着いている状態になっています。

グドンのえさ?
略消えてしまった設定に、元々は後のメビウスで描かれるように
東京が海だった頃の海底生物として、イカの怪獣のごとく
海を泳ぐ怪獣と言う側面を持っていた為に、初代ウルトラマン
グビラの声が、ツインテールの声のベースになっていたり
当時の怪獣図鑑(解説)には、鞭のような尾は
クジラを、はじき飛ばす言う表現が残っています。



もう1つ残っている有名な設定としては、ラドンに対するメガヌロン
ように、グドンの「えさ(常食)」と言う設定が、食べられるシーンは
無いですけども、作中の設定や怪獣図鑑などに残ります。
ただコレは、帰ってきたウルトラマンの準備期間が短かった為に
怪獣のデザインが、脚本とは別に急がれた事が大きな原因で

実際に画面では、グドンツインテールラドンに対するメガヌロンとは
異なり、略同じ大きさで登場してしまい、尾まで入れたら
グドンより
大きいくらいで、グドンとの格闘でも圧倒的に弱いわけでも無く
ウルトラマンとも戦える戦闘力まである描写になっています。


また、デザインした池谷さんも、同じ鞭のような手と尾を持った
怪獣が同じ話に出るとは思わなかった。と言っているくらい
グドンの小さな口(アゴ)では、画面のツインテールを食べる感じは
弱く・・・、寧ろツインテールがグドン
足から食べそうな口を持っています(^^;

もし、設定だけをメインに、2つの怪獣が描かれたのならば
ラドンのように中生代・ジュラ紀に棲息していたグドンの常食獣が
姿を表し、それを食べてしまう凶暴なグドンが、帰マンと戦うと言う
図式になっていたと想像出来ます。
しかし、ウルトラファンには幸いした事に、最も初期の回の1本で
美センに移動する前の東宝のステージが使える事から
ツインテールグドンに挟まれる帰ってきたウルトラマンの姿を
観る事が出来ました。
*初代ウルトラマンは、バニラアボラスなどはステージが狭い為に
勝者の
アボラスのみがウルトラマンと戦っています。

スーツ的にも、ツインテールは覗き穴部分が裂けてしまってるように
グドンのように再使用が可能なほど立派ではなく、動き的には
長所でしたが、ある意味ペラペラのボディでなので
シリーズ後半に登場していたら、2mの身長でMATと戦うだけで
グドンに食べられるのみの存在だったかもしれません。

 

 

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