ウルトラセブン
45話・恐怖の超猿人
図1●
モンキーランドに当時の犬山ラインパーク(現・日本モンキーパーク) が使用されました。 ビジターセンターもモンキーセンターの 建物として登場しています。 今は外観が楽しく飾られていますけども、建物自体は ほぼ当時のまま健在です。
ダンとアンヌがポインターで来て停める所です。図1● 手前にあるのが花時計ですが、そのエリアにある植木が 同じ形のまま成長してるのが、高さのある木と別の驚きがあります。
ポインターは、左(下手)から走行してきて、建物前までは 来ないで停まります。 図1●までの赤いラインが走行ラインです。 画面では解り難いですが、かなりの坂道を上がって来ています。 今は木々が育って抜けは見えませんが、図1左の黄色線部分の モノレールの線路が当時の画面では確認出来ます。 花時計前のカラフルなポールモニュメントは当時はありませんでした。
ダンとアンヌがポインターから降りて来る正面からの アングルです。 奥がモノレールの駅です。図1● ビジターセンター前は、ポインター共に午後イチ位の撮影ですが カット数が多いのと、やっと晴天(若干雲隠)に恵まれたので かなりハイテンポで撮影を消化してる感じが、影や太陽光を カットごとに見ると解ります。
図1
左黄色がモノレール線路 赤い線がポインター走行ライン
ダンとアンヌが、ポインターから歩いて来て飼育係の男と 擦違うのを助手の民子の後ろから撮影したアングルです。 ギリギリポインターを上に入れていますが、当時のテレフレだと ポインターは半切れになってしまってます。 DVDではちゃんと見る事が出来るようになりました。図1●
民子と飼育係の男が出てきたり、アンヌとダンが帰ろうと 真山博士と挨拶するアングルです。 当時から柱の位置は替わって ないので、室内部分が手前に広がっているのが解ります。図1● 当時は柱の後からドアの壁部分まで約2~2.5mの 距離がありますが、今は柱の後すぐに壁やドアがあります。
ダンとアンヌが、民子と話す俯瞰からのカットです。 当時は色のタイルがないので無機質な感じで、このカットだけだと まるで実相寺監督のカットかと見間違える感じです。図1● 作中、左に少し柵の角が映っていますが、当時は中央の手すりは ありません。 建物の上にも出れたそうですが、今は屋上に看板があるので 厳密には、まったく同じ角度の撮影は無理でした。 通常行けない場所ですので無断では行かないで下さい。
ダンがポインターのボンネット覗き込むみ、建物から博士らが やって来るカットのアングルです。図1● 見て解るようにポインターの停車位置は、背景とのバランスで カットごとに違うので、本当は動くのが解ります♪(笑) このカット他、ポインターのボンネットにパレードなどで乗っかった 跡なのか?あきらかなヘコミがあるのが解ります。
ダンが変身前に、頭をかかえて降りてきて右手前の草の所で 変身する所です。手前の看板裏の手すりは当時と同じです。図1● 実際にウルトラアイを出して着眼するカットは、倒れこんだ場所に 映る小排水溝のフタのようなものを、この場所で探してみましたが まったく無いので、変身のカットは世田谷体育館前だと思われます。
ラストシーンでウルトラ警備隊が、左下手から来るカットです。 建物前のサイドにある、階段の上から撮影されています。図1● 作中の右に映る手すりは、今は新しいモノになっていてます。
上のカットの寄りで、キリヤマ隊長が真山博士と握手する 平和になったと、子供に解りやすく提示するカットです。 少しセブンよりウルトラマン的な平和なラストの画です。図1● 足元の影の方向が、ダンとアンヌが訪ねて来た時の角度と ほぼ変わらない午後の時間なのが解り、ロケ地的な時間 経過は少ないので、建物前はまとめて撮られてるのが解ります。
S43当時は花時計は多く存在しましたが、今は激減してまうけども ここは、なんとか花はなくても時計の機能は残っていました。図1● 実際はもっと高い位置(おそらく現モニュメントポールの所)から 撮影していますが、今はそれが邪魔で高い脚立でもないと 角度を合わすのは難しいです。画面では半切りしている下の看板は 名古屋に本社がある「RICOH(リコー)」製でした。
ラストにウルトラ警備隊と子供達が手をつないで仲良く歩くカットです。 当時は左のカラフルなモニュメントはありません。図1● このラストやダン対セブンの決闘のラストもウルトラマン的な明るい シーンで、U警備隊が子供と遊んでくれるんだ~♪?と、ちょと 不思議な感じを受けた覚えがあります。 やはり43~47話は、金城さん的なセブンやウルトラ警備隊と違い 、無い面が見られる事が多く、最終回前に 上原さんを軸に、かなり自由に(さらに)若いスタッフが 苦しい条件の中で創っている感じが解ります。
ラインパークモノレール線 (通称犬山モノレール) 現・名鉄モンキーパークモノレール線
犬山遊園駅>成田山駅>動物園駅(1.2km) 日立製・MRM100形 アルウェーグ式 直流1500V 車体アルミニウム合金製 日本初の跨座式モノレール 1962年に開業>2008年12月廃止。 ウルトラ警備隊の極東基地地下の(^^; 東京モノレールの 元とも言えるモノレールで、このモノレールをベースに 東京モノレールが作られたそうです。 当時からの車輌が まだ走っている凄い保存状態ですが、残念ながら 今年2008年で廃止になるそうです。 東京モノレールも、実際は急な坂があるのですが モノレールは、フラットなイメージがあるので この距離での登り降りの差は、乗るとちょと驚きますが 緑のトンネルの中を進むのは、ファンタスティクな感じです。 座席も昔の東京モノレールの車内に、どことなく似ていますので ウルトラ世代には懐かしいかもしれません☆
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ダンとアンヌが民子と入って行き、アンヌが驚いた剥製があった アングルです。図2● 現在剥製は別の所に移動しています。 U警備隊が驚くのもなんですし、アンヌはこの場所に初と言う 設定では無いようなので、かなり子供向けな演出です♪ ケースは変わっていませんが通風孔のダクトが変わっています。
夜間のシーンで、アンヌが右側に隠れて居た時のアングルも ほぼコレと同じで、今はアンヌの立ち位置に置物が あったりして、まったく同じには撮れませんでした。★↓詳細
剥製の中身は図2●の中に移動して現存します。 中の個々の並びも作品とは違います。
真山博士が気がつくシーンのカットです。、ダンが敵の声を聞く カットもほぼ同じアングルで撮影されています。図2● かなりローアングルで、奥に映るの角のケースやドアの部分が 変っていますが、当時の剥製や展示で位置関係は解ります。 ガラスが多く映りこみがあるので、照明は凄く大変で アングルなども使用出来る角度が少ないようです。
ゴーロン星人が変身してるゴールデンライオンタマリンは 編集上のアップしか無い事からも、ココには居なかったようです。 操られてる真山博士と助手が向っていた、居る体のケースは おそらくコレだそうです。図2●の下の□
そのケースの台の部分が、柱の左下に残ってるモノだそうです。 ★その横がアンヌが隠れていた部分ですが、角は奥と同じく斜めに 今はなっていますので、厳密には柱の間の台跡と斜めの 部分にアンヌは隠れて、図2●で襲われた博士を目撃し 飼育員(ゴリー)に見つかってしまいます。
図2
●部分は展示内容で変更のあるパネル類が並びます。 左の黄色いラインくらいが、当時の室内との外の境界で 今は赤いラインまで室内空間が拡大しています。赤の左が外図1●
飼育員が噛まれてドクターアンヌが治療した所です。 当時は、手前の木の廻りに八角?のベンチがありました。 現在檻も手前の柵も新しくなっているので、ほぼ同じ場所の アングルと言う場所で、ベンチもあありません。(アジア館)図1● ベンチは覚えてる方が居て、この上に似た檻の角がありますが やはりカメラ引き(距離)が画面のように無く、抜けの右奥の 建物など違いましたので、この場所しかありません。
治療後にアンヌがダンを誘った所、アフリカ館です。図1● 当時の画面では、木々が低く抜けが展望出来ますが、今は 無理ですけども、上から見ると「J」の字になった特徴ある 建物なので、特撮セットにもミニチュアが確認出来ます。 南米館から降りて来る階段の途中から撮影しています。
上のカットで抜けに見える山を、木々の間から撮影したものです。 遠くの大きな山にも見えますが、近くのパーク内の小さい山で モノレールで来ると、この山を回りこんで来ます。 山の上に立って居るのは★↓詳細にて。
2人が猿を見てると、気配を感じたダンが振向くカットです。 アンヌの立つ右にある木と似た木が奥にあるのですが 成長してない訳もないので違います。当時の抜けの角度から この辺りと判断していますが、2.3mは手前か奥かもしれません。 民子が覗いていた所は、当時アフリカ館からアジア館方向に あった看板と南米館を利用してるようですが、今は看板が 無いので撮影出来ませでした。
当時画面に映る柵は檻も新しく移行していて、柵も低くて 見やすいものに変って行ってるとこですが、少しまだ現存します。 中を覗く子供やU警備隊の顔は照明など大変だったと思いまし おそらく覗き込んでる方向(カメラ後)に猿は居ないと思います。(^^;
若い太陽の塔
★アフリカ館の抜けに見える山の上には、セブン当時は 何もありませんが、なにも無い状態の最後に近く・・・ 1969年に70年の大阪万博を前に岡本太郎の若い太陽の塔が 設置されました。現在もパークのシンボルとしてバラ園の上に 立っています。
この撮影の前、67年の春にはウルトラマンの怪獣ブームで 犬山ラインパークでも「海獣博」として、ゴジラやウルトラ怪獣の イベントが開催されています。 タイミングがわるく 68年の春はサンダーバードを中心にした宇宙モノの イベントが開催されますが、69年春にはセブンは終わっていて 72年に再開された春の怪獣ジャンボ大決戦、73年春の大怪獣博で セブンが帰マンやマンAらと、やっとココに来てるようです。
夜間撮影とポインター
ラインパークの施設的には、もちろん車で正面まで来れるように 造られていて、2人が歩いて来るストロークは必要ないものですが 設定的にはポインターだから?とか後着けするのが難しいですけども 撮影的には行く前に夜間のシーンは世田谷体育館前でと言う 照明や時間の問題から決みていた為、対警官やダンの変身、その他 があるので、ポインターが正面で動かなくなる訳には いかなかったので、離れた所から2人は歩いています。
最終回前後編への充転!
43~47話は、金城さんや一部の制作スタッフは少し離れ 最終回の構想や、次回作怪奇大作戦の方に行っている時期で 私が愛したウルトラセブンでは、最終回前の遠征が仙台になって いますが、実際にはこの中部地区のタイアップ遠征の事です。 怪獣や星人、円盤なども作る予算が大幅にカットされてしまい ありモノと工夫でなんとか若いスタッフで5本を作っています。 43話第四惑星の悪夢 怪獣なし 44話恐怖の超猿人 ワイルド星人の改造(ラストに置かれた頭部のみ) 45話円盤が来た NGピニア星人の改造+灰皿の円盤 46話ダン対セブンの対決 傷んだセブンの改造+MJなどの船宇宙船 47話あなたはだあれ? 頭部のみ+黒タイ フル状態の怪獣(星人)が無く、ウルトラホークも思うように使えない 状態で、ストーリーや工夫で宇宙人がゴールデンライオンタマリンに なっているなどの案で5本も作ってしまっていて、43と44話を 足すと確かにこの時期ヒットした猿の惑星になってしまいますが(^^; 別けた事で、其れを感じさせないものになり、43・47話などは 今見てもSF性も高く子供心に怖かったです。
円盤が来たも、一般人が47話よりもさらに主役という異色で 実相寺さんが撮った事で、他の予算のある新怪獣が出る話より 今でも人気があったりする傑作が産まれているのも驚きます。 それも最終回(の前後編)へ、この5本よりは当時格上俳優の 長官・参謀などゲストキャラのキャスティング費や、火薬、円盤 輸送船・ミニチュア費は、残された資料やメモからも 少しでも、最終回に転じれたらと言う部分も見えますが もう2度と巨大ヒーローモノは作れないだろうと、思えてしまった程 この5本から~最終回も前後で1体の怪獣(改造)にまで しなければならない台所事情は、Gタイムの番組としては 想像以上に苦しかったようです。
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