ミサイル超獣 ベロクロン
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★光跡
■S・アクター河合徹 ■デザイン・井口昭彦 ■造形・ツエニー★
*肩。頭部、背中の棒状の突起は怪獣図鑑に倣って「えら★」と記載します。
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NG・・・?
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■NG・タイプ このNGタイプのベロクロンは、個体としては放送のモノと同じで 放送画面には出てこないと言う意味での、NGカラーのグレーボディで えらの赤も明るいタイプです。
ですが図鑑や印刷物では、放送に出てくるベロクロンでは無く このNGベロクロンの写真が、使われる事も少なくなくて 現在に至っても、NGタイプや同時に両方の写真が掲載される事が 在るくらい「NG」とも・・・言いにくい存在のベロクロンです。
NGの方も使用される要因の1つは、全体的にも完成からの時間経過は 少ない方なので、肩のえらなども上向きでシッカリしていて 部分的に、特に金色の塗装がシッカリ初回塗装分が見られる 為だと思われます。 金の塗装は、今でも難しいカラーですけども、素材や下地処理でも 変わる特殊な色なので、手の爪や足に4つ(片側2つ)の金色の角も NGタイプの方がハッキリ観ることが出来ます。
デザイン画に忠実なカラーのベロクロンで、カメラテスト後に 変更されますが、初めての帰ってきたウルトラマンからウルトラマンAへと 連続放送で、準備や宣伝の為に多数の写真が撮影されたNG?なベロクロン。
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頭部のみ光沢。
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■放映・タイプ
ベロクロンのカラーイメージは、後々の玩具やイラストを見ても 紺色(ネイビー)と赤(濃赤)がメインのイメージになっているようです。
元々デザイン画では、ベロクロンはライトグレーと赤の超獣で このタイプも、NGから色を変更したと言うよりも・・・生物感を出す為に 全体に光沢を施した事で、グレーが濃くなり~ 素材的に頭部のラテックス部分にのみ光沢が残ってしまった「状態」で 青味がかったダークグレイに見えるカットが多い事での ベロクロンのカラーイメージに繋がっています。
赤い部分も同じく、NGタイプの明るい赤から濃い黒味がかった 赤に同じく変色しています。 写真では撮影タイプでも、紺色では無くてやや濃いグレーのボディに 真っ黒の頭部を持ったベロクロンも、見受けられますがイメージと異なって いても、紺色のイメージよりも、実態には近いと言えると思います。 放映的には、冒頭(光沢を与えた最初の日・時間経過少)に 頭部以外も、光沢を帯びたベロクロンが出てきて、茶色の家を踏み潰す アップでは足の角に金色を再塗装されていますが、その前の暴れる カットや、ウルトラマンAとの格闘時には、略…まったく足に金色は無くなり 手の爪もパーツの素材違いで部分的に金が無くなっています。
肩のえらも、光沢塗装の重みなどで左右に(下向き)開いてきています。
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背の高さに反して 尻尾は短くサイドボリュームは少ない。
目のクローズアップのカットも使われますが 引きの画では、眼球のアールも在って 略赤目に見えてしまいます。
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■ネーミング① ベロクロンの名前は、簡単に2分割した合体名です。 まず「ベロ」とは、有名な辞書を引けば載っていますが「牛」の事です。 ベロクロンをガレキなどで造ったり、画を描いた人には解るかと思いますが 頭部の形(頭蓋骨)は、馬でも豚でも無く牛そのものの形をしています。 クロン(クローン)は、Aの時代は一般的では無いワードで 近年では、DNA的な同一の起源を持つ生物をイメージする言葉で 起源は、ギリシャ語の植物の小枝の集まりです。 なので、ベロクロンの場合DNAをヤプールが操作して造った 怪獣では無い、超獣と言う意味に解釈する事も出来て 肩などの「えら」を枝と解釈して、DMAとの意味と合わせたとも 解釈出来ます。 また、当時こどもが知る(理解する)ようなNEWSでは無いですが 創り手側としては、1970年アフリカツメガエルのオタマジャクシを使い 初めてのクローン個体が誕生し、家畜のクローン化で世界的な食料問題の 解決か?との記事が広まった頃でもありました。
■ネーミング②・合体・合成超獣の謎 ベロクロンの設定には、ヤプールの超獣製造機で宇宙怪獣と珊瑚を 合体した超獣。とか、動植物を合体させた超獣などと書かれています。 まず、TACの広報か、図鑑も発売してる出版社のミスか解りませんが サンゴ(珊瑚)は,イソギンチャクの仲間で植物ではありません(^^; 宇宙怪獣と珊瑚の合成…だとしたら…もう、宇宙怪獣だけでいいような 気もします。(^^; 「珊瑚」の赤いイソハナなどが、似てるからでしょうけども ベロクロンの★えらは、その1本1本は枝別れしていなくて「珊瑚よりも サボテンに近く、特に電磁波吸収サボテン(和名)に似ています。 そこで、当時の怪獣図解入門(小学館)のベロクロンのページを見ると 頭頂部に「放電えら」と記載されています。 なのでベロ=牛、クロン=枝分かれサボテンの合成怪獣なら コンセプト的にも、西部やテキサスなどのワードで融合(合成)でき 放映当時流行ったマカロニウエスタンからの北斗や南のスカーフや ブーツのヒラヒラ(フリンジ)、牧場の緑が~♪などの歌詞 TAC(基地)の*カムフラージュも連想出来ますので「珊瑚」と言うのは 植物でも無いですし、ヤプールの合成素材としては無いと思います。(^^; *朝霧高原近辺の牧場からTACファルコンが発進する様で、一方 帰マンの郷隊員がレーシングマシンを作るレーサー、タロウの光太郎が ボクサーを目指すと言う休暇時に見せる一般人の面を持っていたように カウボーイ(ガール)などの面を予定していた可能性の跡が、フリンジなど では無いかと思われます。 市川森一さんでは無く、上原さんですがA後~2年の75年に書いた ゴレンジャーでもマイティジャックで使用した一般(店舗)カムフラージュを グレンダイザーでは、シラカバ牧場に主人公は普段居る設定を使用しています。
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巨大怪獣>超獣
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■超・超獣 通常の対ウルトラマンの怪獣は、Sアクターの頭部の上に怪獣の頭部が 乗るくらいの身長ですが、怪獣を超える「超獣」と言う設定的な面も 在ったのだと思いますが、後の超獣達からしてもベロクロンは大きく ウルトラマンAの頭2つ分を超える身長を持った大型超獣です。 ベロクロンは、ミラーマン放送中(71.12.5-7211.26)だった為 特撮を東宝が担当したウルトラマンAだった事から ★東宝怪獣を制作した村瀬継蔵氏の工房ツエニーで制作された怪獣で バキシムと共に、放送前の準備期間(帰マン・ミラーマン時期)に 産まれました。
撮影的にも、美センが帰マン・ミラーマンで使用中だった事から 東宝のステージ(スタジオ)での撮影を予定してので 高さの在る、広いホリゾントの使用が可能な事も幸いし撮影出来ました。 雑誌や印刷物でのウルトラマンAとの幾つかの2ショットは 主役をたてる為に、身長を同じくらいにする加工をされてしまいます(^^;
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デザイン画的には、爪の上の8本 がミサイルのようですが、スーツでは その間の爪の穴(パイプ)から 曳光弾を発射、手の平は普通です。
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■ミサイル超獣のすべて! ベロクロンのミサイル超獣の描写は、コンセプトとしては 同時に四方八方に攻撃できて、戦闘機などに攻撃の隙を与えないような イメージだと思われますが、実際には多数あるえらの中から 肩に5つ(両方で10)のパイプを埋め込んだ(先端に穴)えらを持ち 頭部のえらにも、数本のパイプ、手(4本指)に、左右8箇所の 曳光弾を発射出来るパイプのギミックを備えていました。 実際の点火も、なかなか上手く行かず…こどもの印象にも 凄いミサイル攻撃をする怪獣という印象を持った人は少ないと思います。 特に怪獣からの曳光弾を、目標に当てるのは難しく ウルトラマンAへの攻撃も、カットを割って別フレームにしたり ついには、同一画面ではウルトラマンAを光学合成(テリブルハンドリング)で ホールドして動かないようになってもらい、手からミサイルでは無くて 光線を出してしまいます(^^; それほど、CGが無い時代のアナログでの火薬描写は難しいのですが 怪獣を超える超獣の描写に、挑んだ跡がとても面白い超獣です☆
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スーツは火炎(左)・アップ用ギミック頭部はミサイル(右)
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■双頭?超獣ベロクロン ベロクロンは、ミサイル超獣と言う肩書きなのですが 映像的にはミサイルと言うよりも、火薬の曳光弾を出す事の方が多く 超獣からの発射は、狙い(着弾)と画作り的に難しい面が在るので その大きな体に対しては、迫力に欠けてしまい口から火を吐く(←左) 描写が、スーツでは多用されます。 大人には、クチからミサイルと共に火を吐くと…引火=自爆の可能性が 直に頭に浮かびますが(^^;
実際のベロクロンは…もう1つ頭を持っていました。 スーツには、火炎放射器を装備し、ミサイルを発射する*アップの頭部は 別に、もう1つ(←右)首から上のギミック用のモノが造られていますので 「引火」せずにウルトラマンAと戦えました。 *アゴのみ可動して開いたが他は固定。
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