バルタン星人・2代目  

デザイン・成田亨  造型・佐々木明 Sアクター・飛鋪正直   ★光跡

時の再登場怪獣はぺギラ、ガラモンなど同じスーツを
使用してた事から、このバルタン星人も、メディアが新造スーツとは
思わずに撮影をしていないので、資料の少ない怪獣の1つです。

*2代目の肩書きは、放送後数年経って付いたものです。

図1

額のV
1代目バルタンと最も違う部分は、額の横スリッド凹部分が
>白(*電球色)の点滅発光ギミックが入った点です。
形としても、1代目よりVの字が縦に急角度になっていて
発光を見せる為からも、凹部分の面積が広く造られています。
*LEDなど無い時代の電球の色・タングステンで
スタジオの照明や角度で、黄色に近く見えたり白に見えたりするので

オレンジ黄色>白にも見えますが、実際は赤と白です。

この額のV字のパーツのフレームは、良く見ていると光るので
最初は、銀の金属パーツに黄色いスプレーなどの塗料が
ランダムに塗ってあるのかと思いましたが、アルミが高価だった
時代なので加工しやすく価格も安い、*真鍮の板に銀が
ハミ出して(付着)ようで
透過する発光部分の板を止める役割をしています。
棚ぼたか、狙いかは解りませんが、フレーム自体もギミックの発光で
フレームもキラキラしている効果が画面にあります。
*真鍮黄銅とも言う)銅版かとも思いましたが、色味(5円玉)や
価格などからも、ウルトラ警備隊ヘルメットの初期バイザーフレーム
同じ真鍮だと思います。真鍮も65%以上がなのですが…(^^;

図3

バルタン2代目の肩と腕
1代目のバルタンのと上半身の関係を、例えるとダウンベストから
肩を外に出している形状が、1代目の肩の造りでしたが
2代目は、スペルゲン反射板(胸部)の開くギミックが
肩側(脇)に在る為もあり、肩と上半身は同一化しています。

図7  図8 
 
ですが、スペルゲン反射と反重力光線のカット以外では
頭部のパーツが、反射板の開閉が出来ない状態まで下に降りていて
頭部の下図7.8が肩に乗ってしまっているので誤解されがちです。
特に右(向かって左)の肩は、頭部の下と、ピッタリと
重なって乗ってしまいますから、頭部が外れるスーツなのに
頭部パーツ下部=肩と言うような
脱着するには在りえない解釈も成されています。

よく解るカットは、反重力光線(ハサミ内の青光)時のカットの
左(向かって右)の肩を観れば、頭部パーツ下部分と肩
まったく別なのが解ります。

図9
更に斜め後から見ると、二の腕図7.8.9は1代目と異なり
上半身と一体化なのが良く解ります。
反重力光線とスペルゲン反射光のハサミを水平に固定したカットは
頭部が少し
*上げられ、Sアクターが入っていないので人間的には
変な腕の角度になっています。
*上げないとが邪魔で胸が開かない。


この肩や、腕の関節と言うか…ウエットスーツとラテックスパーツの
関係も、2代目の方が成田さんのデザインに忠実です。

2代目・新造形

同名怪獣を新造形して、よりデザイン画に近くしたのは
ウルトラマンAタイプでのイメージを、材質だけではなく耳や口なども
Bタイプで変えて来た直ぐ後に、バルタンも新造している事は
ウルトラファンが、更に成田デザインに近いバルタン星人に出会えた
大きな意味が在り、佐々木さんの熱い探究心の光跡です

初代バルタンの頁

*基本に左右の記載は、怪獣側(自身)として記載します。

 

図2

目・口(管)
2代目は、初代がなんとか3.5頭身だったのが
頭部パーツが縦長になったので、ディフォルメでも無いのに
3頭身になっています(^^;
目のパーツ自体は、初代と同じ構造とギミックですが
目は発光しながら回転と、センター軸がムーブしますけども
動きは別にして、初代の目が顔に対して、略正面に向いているのに
比べて、2代目は左右の目が外に向いて着いています。図1.2

図4  
更に、人間的な言い方ですが額のVを基準にすると

目の位置が、初代は堀が深く図4V額よりも低い(後)位置に
目が着いて要るので、ギミック+Sアクターのスペースを
頭部の厚み(前後)に収めていました。
2代目は、V字発光も足した為とデザインからも
ギミックとSアクターのスペースを、上下縦方向に収める事で
解決した為、とても長い頭部パーツになっています。

図5    図6
2代目の口(管)を横から見ると図5前方向に、かなり突起しています。
コレは、*デザイン画の初稿に近く造形されていて

頭部パーツが、スペルゲン反射ギミックの開閉に合わせて
覗き穴が空けられてるようで、S・アクターの肩から逆算すると図6
解るように、通常は呼吸穴と言えるような位置に在ります。
なので殆ど2代目は、視界なくウルトラマンと戦っていたようで
ある意味・・・忍者です(^^;
*デザイン画には、2代目は存在せずバルタン星人で1つですが
初稿と決定稿の2種が在る。

 

スカート
初代に比べ、2代目のスカートは正面から見える面積が少なく
長さ(後の最下部)も、初代は膝上10~15㎝ですが、2代目は
膝の位置(真裏)まで、スカート後方の最下部突起が来ていて
かなり長いのが特徴です。
また、初代はスカートと、上半身のパーツは同じウエットスーツに
固定されては繋がっていますが、別パーツになっていたので
バルタンの姿勢でスカートの角度が、直接変わる事は在りませんでした。
しかし、2代目は上半身とスカートが一体型なので
下半身のウエットスーツとは、別の位置に留ろうとする為に
バルタンの姿勢の角度が、直接スカートの角度と略同じになります。

この構造も、初稿デザインの脇にラフで一体化の図
書かれているのに忠実になっています。


カラー
初代バルタンは、三角の青いギザギザパターンが頭部から
下半身まで在り、全身的にはライトグレーなイメージ
茶色が目立つのは、ハサミの付け根部分くらいでした。
2代目は、全身のベースイメージは赤茶で宇宙船など
暗いシーンがあるので、茶色やダークブラウンのイメージです。
実際のスーツでは、まずスカートが*決定稿のデザイン画に従い
黄色いボーダーラインで塗り分けられていて
下半身は、初稿のケムール人のパターンに黄色を入れた感じで
黄色が多く使われています。
*初代バルタン時は、カラー作品なのでネロンガの背中や
ジラース、ぺスターなど原色を入れるように指示が在った。


下半身も含め、2代目には三角のギザギザパターン
少し股間の近辺に在るだけで、9割は初代と違う模様で
塗られています。
また、等身大と特撮セット、撮影進行でスプレーが足されたり
逆に、剥げている部分など小変更が在ります。

ブーツ
初代のスーツのブーツは、履いてる感の在る段差が完全に在りますが
2代目は、ウルトラマンと同じくテーピングしていて
略段差は無く、綺麗な足首を披露しています。
コレも、デザイン画に忠実に再現された部分で爪先へのラインも
初代よりデザインに近くなっています。

スペルゲン反射板の不思議?

図10
小学校高学年頃に、疑問に思うウルトラファンが多いようですが
ウルトラマンスペシュウム光線図10矢印赤が、右胸の板に当たり
反射します。けども
通常の光の法則ならば図10矢印緑の方向に反射して、ウルトラマンには
当たりません(^^;
ですが、スペルゲン反射板図10矢印水色の方向に跳ね返し
ウルトラマンを苦しめます。 
地球の鏡なら矢印緑なのですが…*中野さんも気ずいたのでしょう?
水色の矢印の光は(ある意味、更に在りえない)ウルトラマンに
届く時には、大きく
拡散して当たりますので助かっています♪(^^;
なので設定的には、見た目は反射鏡なのですが
此処で書いたように
「反射板」とは言わず「反射光」としています。
*中野さん・中野稔・光学合成担当。
と、言う設定的な事は、光跡では棚上げで…1代目スーツを
新造形で進める最中~ウルトラマンのカラータイマー
胸に足したように、このスペルゲン反射板も足されたモノなのは
胸の開閉部分だけが厚みが在り、開いた画で観ると
反射板の下にも、胸が造形されて要るので解ります。
故に、リアルなスーツ造形で、スペルゲン反射板が開いて開口部が
上半身に落とし込んで凹んで要るのは、正しくはありません。

バルタン星人・3代目

デザイン・成田亨  造型・佐々木明 Sアクター・岩本弘司 ★光跡

 後々3代目と題されるバルタン星人ですが
光跡的には、2代目を補修し色替えしたモノで2代目と同じスーツです。

しかも2代目と同じ同名怪獣で、異なる形のスーツを使う
前例が無い為に、スチールも存在していないのと、作品画面では
上半身しか映らないと言う資料的な意味で保存状態の悪いキャラクターです。
唯一の救いは、丸の内ビル郡に出現する為に、ミニチュアではなく
実景のビルと合成するカットなので、35㎜で撮影していた事です。

 頭部 
頭部パーツは、2代目時期にはスペルゲン反射光の胸部を
開く時に上に持ち上げないとダメなくらい
ボディ側に沈み込んでいましたが、3代目は改善されているので
スーツ的には、姿勢が良くなり、身長も伸びています。

額のV部分は、2代目時期より完全に真鍮フレーム
塗装がハゲて、露出している為にハッキリ解ります。
金属パーツなだけあって、曲がっていても
ラテックスのように亀裂や、破損も見られません。


目は両方光らせていますが、2代目で組込まれた
額のV時凹部分の電飾は光っていません。
また、目の周囲もに見える光ったカットが在りますが
目の周囲ドーナツ状の凸輪は、では無く塗ってあります。

エラー的な事では、左目が陥没していてV字のフレームパーツも
左が凹んで湾曲しているので、前戦でウルトラマン
やられた跡なのかもしれません。

 胸部 
胸部も、反射板のギミックが無い分が薄いのと
元の胸板形状が露出していて良く解るのが特徴です。
*反射開きのギミックは、カラータイマーのように
制作途中~終わりに上から付足している。


ハサミ
可動部分の元(軸)は、2代目より隠していますが
右手のハサミはダメージが大きく、外側(上)の
部分は特に激しく痛んでいます。
*左側が傷みの激しいハサミの写真は裏焼きです。

色変更と謎の下半身
初代から2代目への変更では、1番大きいのは頭部のデザイン
ボディのカラーも、スカートが黄色のボーダーに塗られるなど
デザイン画に近く変更されてる箇所が多くありました。
3代目は、上半身のベースは茶色からに変更されていますが
其れだけで言うと、初代にカラーに戻されていますけども
デザイン画のカラーの解釈で、2代目の茶色が・・・イメージでは
無かったのかもしれません。

さらに初代バルタンに見られる、青系の三角模様が頭部や腕に
観られますので、最もスポットの当らないバルタンですが
成田デザインに近い2代目の形に、デザイン画のカラーと
初代の模様を配した、バルタン星人の決定版的な側面を
持っていた可能性があるスーツでもあります。

その鍵を握る1つが、下半身がどうなっていたか?
なのですが…残念ながら現状、3代目の下半身が解る画像は
出てきていません。
上図は、2代目が黄色のボーダースカートを身に付けたに
合わせて、デザイン画に在るボーダーカラーを配してみました。

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