★ウルトラセブン・スーツ&マスク★

ウルトラセブンの魅力はたくさんある中、三船プロのグループで殺陣を着ける事もあった
上西弘二さんのアクションは、欠かせない魅力の1つです。

特に間合いの詰め~空けは、時代劇のような鋭い動きでウルトラマンには無かったアクションです。
演出的にも怪獣よりセブンのアクションがメインに置かれますが
2期やミラーマンなどにも役立つ、スーツの工夫の跡がウルトラマンの経験を生かし

スタッフ、Sアクターによって熟成していく光跡を残したいと思います。

編集的なバンク(過去のフィルム)や、過去のスーツの改造、撮影進行での修復もあるので
各〇号の 登場時をメインに、話数も主に%が多いモノ(号)を基本に区分けしています。

 ウルトラセブン 造型・原型制作(主に頭部) 佐々木明

★7のマーク部分は最下部↓からウルトラセブン7つのひみつでさらに詳しく記しています。

 解説に踏まえて

図1  図2

ウルトラマンより複雑なウルトラセブンですが各部の名称が無いので
省略と解り易さの為、独自に解説用にネーミングしますので
踏まえて読んでもらえると解り易いと思います。

図1マスクの目の周り凹部のピンクを、目外凹と略記します。
六角の黄色い目の部分を、
黄目
中のだ円の白目
(ホントは銀★7を、白目除き穴を瞳と記します。
口の中サンダーバードの唇のように可動させようとした
別パーツ
(左図1・緑)と記します。
首の下プロテクターの上の
*部分を、首下と記します。

マスク横のFRP以外の首まで
(左図1・青)首部と記
さらに首部横の凸パーツを上から
A、B、Cとします。
図2ボディラインの上部から各角を、
A、B、Cで解説します。

01号(NGスーツ)

*全身のイラストはボディラインの違いが主マスクは略。

 

01号

01.02は二子のスーツで、ほぼ同時に造られています。
NGなのですが後の1号なのとセブンはココから分析しないと
進めないのでトップに記載します。
目の黄目のセンター(瞳1個ほどのズレ有)にあり
Sアクターが覗いて空けたものでは無いのが解ります。
マスクは、ウルトラマンの銀より濃い反射の無いグレーが入った
色からカメラテストを重ね、明るいものに変えて行っています。
おそらく等身セブンが太陽光での撮影が考えられた為
反射の度合いをテストしたものだと思います。特に銀同士の凹部の映り。
プロテクターや頭部凹部には、まだ反射テープは無く全部銀です。
胸のアンコ(詰め物)も無くてペッタンコな為に、プロテクターも波打った
写真が多いです。 ボディラインもまだ白です。
目の白目>銀紙が黄目全体に張られているのである意味綺麗です。★7

首部Bの左には1号になっても穴が空いています。(画点・実際は黒穴)

02号(NGスーツ)

 02号

後のスーツの使い方からしても、等身用と特撮(巨大)用を用意した為
同時に2つのスーツ開発が進んでいます。
01と同時に美センでマーチャン、番宣用の撮影が早い時期に行われ
玩具などの商品は、白いボディラインになり長期間そのままの解釈で
頭部が銀になってもボディラインは白の商品があります。
01共に電飾もまだ無い為、濃いグリーンのビームランプが写真では
に見えるので、絵やソフビなどの商品では紺色になっています。
は、上西さんの目に合わせ空けられセンター寄りになってます。
耳も01と違いFRPに合わせたのか?斜めでなく水平に着いています。
胸部はアンコが入りますが、段差のラインが2つあり プロテクターが
どう着くのか解らなかったと言うより、ウルトラマンの高さにも
あるので★7ウルトラマンに生る予定だったスーツの可能性が高そうです。
01の首部・マスクを取り替えたように見えますが同時に美センで撮影され
てるのと。2つのスーツは、1.2号になる事でも2つの存在が解ります。
*マルザンソフビ大は01STはこの02がモデルだと思います。

1号スーツ

 1号

ボディラインが白から銀に決定されるが、1.2号ともに白の上から塗り
重ねられているので形状は変化無く、ラインA>Bが、A>Cより直線的
なままです。

*02と2号のラインは01.1と同じ型紙だがやや右回りにズレています。
プロテクターと頭部の凹部分には反射テープが貼られました。
目のパーツは、取り替えられ瞳の位置が01よりセンターになる。
01と同じく目はほとんど黄色だが、試写後メンテでやや濃いイエロー
なり目の銀紙も外側を無くし、グラデーションが少し出来る。★7
目外凹は、02・2号より上角が丸く塗装も01のモノが初期は残っています。
口も、初期(1号の)の撮影では、溝はまだ埋められていないいが
円谷英二さんと並んだ制作発表の前にパテ埋めされ、その後撮影でも
パテ埋めの1号が登場しています。
*プロテクター反射テープ装着後に口の溝が埋められている。

パテ埋め前の全開きタイプ。

2号スーツ

図A目外凹左段差・1号は均等 図B(青がパテ)

 2号

01.02.1.2号は、首の接合ラインがマスクのアゴより上にあり図横顔参照
首のラインがとてもフィットして見え、アゴ下のラインが肩のラインより
下に来るほど首が短い。
目外凹も上の角が01・1号より角があり、上方が深く下方が浅い図A
耳は1号のような角度に直されるが前から見ると1号より位置が高い。
1.2号共に、後頭部のチャックが上10cmほど閉まらずに本番も撮影されて
いて横から見ても膨らんで見えます、これは首部そのものの問題よりも
足の付け根が引っ張られてる事からも、Sアクターの頭部が
マスク(内部)までギリギリに出来てる為で、マンと違い後頭部上部まで
FRPがある為、着脱時の負担が首部に多く1.2号共に亀裂が後にできます。
口の溝のパテ埋めは2号は左側の方が高い所まで埋まっていて
1号の埋め方よりも、パテ部分が平らに盛られパテ部外が広い図B
ブーツは01.02時期はツヤが無くスーツと同じ半光沢でしたが1.2号からは
光沢のある表面に変更されています。★7
この2号スーツがウルトラセブン変身カットに使用されているのも
口のパテ埋めから解りますし、変身カットの撮影時期の順序も解ります。
ビームランプの電飾は、1号共に小さいのにマンのCタイマーと同じ位電流
を流してしまったのか?強すぎてほとんど真っ白に映っています。
アイスラッガーは有名ですが、01.02.1.2共に溝あり(凹)の下辺が見える
バージョンが着いています。
VSゴドラ、TDF駐車場でアンヌを助けるシーンが、赤が塗り重ねられかなり
テカテカに光ってしまっていて、このスーツの最後の活躍シーンです。
*2号はプロテクターに反射テープを貼る前に口溝が埋められている。

3号スーツ

  

このスーツまでは、目の電飾が瞳の左右だったりし3号では2つ共に瞳より外に
着きますが、このスーツの途中から定番の黄目上下の位置に収まります。

3号

デビューはVSビラ星人戦セブン巨大化の特撮セット)(作品順的には1話)
アイスラッガーは、溝有りだが下の辺がマスクに隠れ見えないタイプで
凹部分もこれまでより広い。=枠が狭く細い。
口も、全パーツ可動から部分のみの可動を試みる為部分だけが
別パーツになり呼吸穴も少し大きくなる。
ビームランプも光量を調整しに見える。

プロテクター背中のセンターも、この3号から赤になります。
このスーツでもっとも進歩した部分が、首部で柔らかい伸びのいい素材に
変更され、長さも今までより余裕があり(長い)たるみがあるものの
脱着性は向上したようです。首部の色がマスクなどの銀よりも黒っぽい★7
首部Aの下のアールが直線的で、アゴ下も首接地ラインがまっすぐです。
プロテクター後ろのセンターも、まだちゃんと銀で存在しますがこのスーツ
が最後になり4号からは背中センターのプロテクター部分は無くなります。
このスーツはスーツのつなぎ目の接着剤が多かったのか、かなりつなぎの
ラインがハッキリ解るのも特徴です。首下は銀を吹いてますが剥げて来る。

4号スーツ(4-1~4-3)

4号

*このスーツは他の改修と違い大きな変化があるので3種(段階)に分類しました。
4-1号(左図上)

スーツとしてのデビューでVSチブル戦のみに登場
綺麗なスーツ&グローブで、首部が若干改良された為ファスナーは
閉まっていますが、頭部から股までの引っ張りが残り腹部が出ている
ように見え胴(左右も)太く見える1.2号の雰囲気が残ります。
首下も赤になりますが、境目はまだスプレーのぼかしでハッキリしていない。

4-2号(左図下)

おそらく実相寺組第一陣のどちらかからの使用(照明他で確認が不可能)
4-1号から首部を余裕のあるものに変更したのと同時にマスクなど銀部分に
NG初期のグレーが多い配分の銀が塗られています。首下も完全に赤になります。
首部A,B,Cが、マスク正面から見るとややはみ出していて首部がマスクとほぼ
同じ面に着いています。
アゴ下の形も首の接点に丸い削りがあり、首の長さも3号よりはやや短く
スーツのつなぎ目も綺麗な事から3号は急いで造られ4号は少し余裕を
持って造られて投入されています。
目の銀紙やビームランプのフィルムの形状は4-1と同じです。★7

4-3号(4-1とほぼ同じ為図は省略)

19話プロジェクトブルー20話地震源Xを倒せに登場★回
4-1号が4-2号の他にあったかのように思える存在ですが、4-2号を4-1号のように
戻した使用で、マスクなど銀部分が他のマスク同様の銀に塗られ首部
改修されています。首部右部分がマスク装着と上手く行ってない為窪んでいます。
(作品順的には10話に4-2号が登場)
*スチールにのみ溝有りアイスラッガーが乗せられてますが3号のモノ。

5号スーツ

 5号
VSキングジョー専用
きくち英一さんが、入った事で有名なスーツです。
体型が上西さんとは違うので、スーツは新調されたものですが
マスクは3号改で、グローブなども黒ずんでいる過去のを使用しています。
目の銀紙は3号の頃より無い部分(暗い部分)が外に広くあります。
アイスラッガーは、前溝下の辺も見えますが3号のもので
やや右に傾いています。
首下はちゃんと銀に塗られていますが、スーツ後ろのM字ラインは
凄く外に開いていて、上西さんとの体型の違いもうかがえます。
昔は、上西セブンが神戸に行ってた為と言われてましたが
正月のスペシャルな前後編を前に放送が間に合わないピンチに
きくちさんが抜擢されています。
美センで格闘してない唯一のセブンで、12月に東宝砧のNO.1ステージ
防衛センターと神戸港セットが造られています。

中は帰マン対ブースカの夢の共演♪(^^;
4年後に同じ1ステにタッコングとザザーンが出現するのも偶然ではなく
この時の経験が帰マンでの使用を決め放送決定の1つの要因になります。

6号スーツ

6号

デビュー、VSアイアンロックス戦
後半のメインスーツと言えるくらい活躍するスーツです。
ビームランプの色が変わりエメラルドグリーンになります★7
最大の特徴は首部後ろの背びれの上が、唯一角ではなくかなり上まで
あり、ゆるい角度にカットされています。
その為か4話後に1.2号のように首部後上の付け根に亀裂が入ります。
首部Cは、1号からよく破損して取れていましたが6号から先は無くなり
下のラインはBの1本だけになります。
アイスラッガーは、低いだけでなく細くなります。
右耳がやや下向きで中のスイッチが、他のと少し違う付き方を
しています。★7 あご下のカットが唯一直線的なのも特徴です。
プロテクターは試着してから接合するようになったのか?
このスーツから先は、全て右にズレたように着いています。
上西さんの右肩が大きい為と動きやすさでは、この方がいいのでしょうが
見た目だけで言えばセンターにある方が綺麗です。
ボディラインはA>Cが太いので4号と似ていますがA>Bも縦のラインより
かなり太いので4号の形紙のA>Cが太すぎるのでA>Bを少し太く修正した
感じです。腰のM字ラインは、5号を継いだのか?すごく開いてます。
胸のアンコはセブンで最も厚いものが入っています。
 

7号スーツ

 7号
 デビュー、VSダリー戦(話数的にはVSプラチク星人)
投入が急がれたのか?時間的な問題か?デビュー戦ダリーの撮影時には

頭部の反射テープが貼られていなく銀オールの頭部です。
最大の変化は、口のもマスクと一体化して造られている事です。
が横長なのも7号の特徴です。
ビームランプは、そのまま6号と同じフィルターのカラーです。★7
耳は横から見ると02と同じFRPマスクのラインと同じ平行に付いていて
左耳がやや長く上向きで、右耳はやや後方に付いています。
アゴ下の形状も基本の1号に戻ります。
6号と同じく背びれが首部の高い位置まであり、32話では6号と同じく
破損してしまいます。★7
ボディラインはAの部分のプロテクターとの接点が太く描かれていて
腰のM字は5号からしたら位置は下がりましたが、まだ少し開いていて
背びれにも銀ラインがあります。

8号スーツ

 8号

デビュー、VSテペト戦
このスーツの最大の特徴は、前の銀ラインB-Cの幅が凄く広い事です。
それと、首部がまったく違いA、B共に真っ直ぐでFRPマスクのアゴ横
ラインまで達していて驚きますがコレは1話(テペト戦)のみで
外されてしまいます。
(後にその首部を利用する宇宙人がいるのですが・・)★N
電飾のスイッチも右耳の上にあり右だけ前から見ると下向きです。左図下
スイッチも首部と共に改修されます。★7・★N
腰のM字ラインは6.7号を見本にした感じで、背びれにもラインがあります。
ビームランプはに戻ります。
プロテクターは7号よりさらにズレています。
テペト戦は、ガイロスとVSニセセブンの海のシーンと同じセットですが
ガイロス前に首部が改修されて居る事からも、かなり異質な後頭部だった
事が窺えます、VSテペトはそれでも撮影してる事からステージを
プールが取るスケジュールのタイト差も解ります。

9号スーツ

 9号
最終回バージョン
コレは新スーツではありません。セブンもウルトラマン同様に赤(朱)

ペイントの補修は、1.2度までは16mmフィルムではほとんど解らないので
塗り重ねリペイントしていますが、44話ゴーロン戦辺りでは16mmでも解る重ね塗りがされひび割れが起き、7号改も8号改も限界に来ています。
残り2本なのでそのまま行く所なのでしょうが、最終回に対するスタッフの
愛情で誕生したようなスーツなので光跡では9号とします。
マスクは8号で、首部のみ新調されています。スーツはリペイントなので
新品では無いのは解りますが、元がどれなのかはボディラインなども
リペイントされ、より1号に近ずく努力が見えるものの確定は出来ません。
首部後ろのスーツとの接合部に、本来中にあるはずのベロが出ている。

アイスラッガーも、かなり装着時は短く(低い)前面の上に穴がある為
操演用のものが乗せられているのが解ります。
ビームランプは、また6.7号と同じ色です。背びれは銀ラインあり。
首下はセブンは、ちゃんと銀に塗られ(戻され)ています。★上

  

 

 ★ウルトラセブン7つのひみつ★

*上西弘二氏は三船プロの殺陣師でもあり、殺陣専門の俳優。
*セブンスーツは、撮影引退後も治しを加えスチール撮影をしています。それらの特徴などはこの項には含みません。

SPECIAL THANKS 難解な4号の分析に協力してくれた名誉教授 三浦SVさん・I氏

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