亡霊怪獣 シーボーズ

デザイン・成田亨  造型・高山良策 

S・アクター:鈴木邦夫  ★光跡

 

図A

シーボーズの色の謎?

シーボーズの骨の色は、ソフビやフィギュア
イラストなどでも、だったりだったりします。
一言で言うなら、どっちでも正解です。
・・・厳密に言えば、塗装後に首から上
作り直しているので、首から下は*白7:銀3)
首から上は(白3:銀7)で塗装した結果
首から上下で色が違っています。*配分数は仮定です。
シーボーズは骨を浮いて見せる為に
つや消しの黒に対して、骨部分に銀を混ぜていますが
これが作り直し時で、配分が逆転した結果
白く見えたり、アップでは銀にも見える事から
全体のイメージが2種存在しています。

図C

骨格怪獣の目の謎?
図G
目のようなものとか、目の跡?などと書かれた資料も
ありますが、結論から言うと目は無いと思います。
確かに、首から上を作り直したのは
Sアクターの頭部が、シーボーズの頭部の中に入る予定が
在ったので、図Gの部分は耳としてSアクターに聞こえる
ような穴を予定していた跡だと思いますし
図Gの鼻の穴に見えるのも、鼻の穴を想定した覗き穴
跡だと思います。
目に見える?のは、図Gの凹み部分が照明によっては
そう見えるのだと思いますが・・・コレは骨格怪獣の
アイディアからも、目(目玉)を付ける予定は無く
デザイン画にも何も無いので、ただの凹みだと思います。

最強のアゴのひみつ

図H   図I

シーボーズは、かなり大きな凄い下アゴを持つ怪獣で
武器というより、カタカタ動かしたかったようですけども
図Hを起点に、図H黄色い部分は他の怪獣でもある
ラテックスを薄くしたり、布を使っていて
図H水色のワイヤーで引く事で可動しますが
喉にある図H・I赤い骨が、ウレタンでも可動の邪魔になるので
ラテックスの筒状(中空)のパーツが使われ
アップ時(全カットではない)は、その上から
ラテックスの削り出し(他の骨と同じ)を付けています。
なので、遠吠えのように大きな口で吠える時と
ほとんど動かない時が存在します。

歯も、かなり鋭くて右上の6本は完全に外を向いているなど
とても面白い造形でしたが、ウルトラマン
噛みつくような描写は無く、容姿とは逆に
可愛い印象になってしまっている怪獣です。

*基本に左右の記載は、怪獣側(自身)として記載します。

図B

骨格とデザイン画

実相寺さんも、当初は骨の怪獣のアイディアは
モデルアニメでと少しは考えたようですけども
撮影時間の関係から、直ぐに着ぐるみに
なってしまいましたので、怪獣だからOKなんですが・・・
地球の生物的には、骨格としては謎の多いデザインで
動きも関節とは無縁なので
成田さんは、本意では無い「形」のようです。
当時は、ハリーハウゼンシンドバッド七回目の冒険
出てくる骸骨戦士1958年公開ですから
存在していましたが、小さい子供には
骨の怪獣と言うだけで充分な存在とインパクトがありました。


図D   図E
逆のぼると、ゴジラオキシジェン・デストロイヤー
白骨化したイメージが、元のようですが
だからか?似た形状の背ビレシーボーズも持っています。
ただ、上の2つだけは図D/Eなぜか横向きに付いていて
おかしいのですが・・・コレもデザイン画が1枚時代の産物で
右斜め前から書かれ、やや前傾姿勢の為に
右側の面が上の2つのヒレは上部からの面にも
見える事から、上2つだけは横向きに造形されています。
図E黄色線がチャック。

図F

人間で言う肋骨的な骨も、デザイン画の解釈もありますが
更に、体の下の方に位置していて、内部には揺れ動かないように
サポートするパーツ図F*黄色があります。*パーツは骨と同じ色。

手の甲にも、黒い線が書かれていますが
これは、特にカットやシーンで消えていたり修復していて
何ども変化しています。図B参照
ガラモンの手のように、もっと長い指の関節に
見せる為の線だと思いますが、スーツアクターの関節と一致しないので
手の甲にしか見えません。
ビルを登るなどのアクションが無ければ
ガラモンのように、Sアクターの手と関係ない
長い関節が造形出来たかもしれませんが
シーボーズ意思表現に大事なアクションなので仕方ありません。
実際にビルは、90度に立てたものに登っているのでは無く
平に近い角度に空抜けに置いて、登っている演技をしています。


肩関節も謎ですが、股関節(脚の付け根)は
もっと謎な関節になっていて(^^;
腹部も逆Y字の骨を、補強的に儲けています・・・
本来は、成田さんはリアルにデザインしたかったようですけども
この時代の技術と時間では最善を尽くした形だと思います。

シーボーズ(海坊主?)の名前

シーボーズの由来は、単に海坊主と書かれたものが多く

現在の横文字表記ではSEA BOZU」と書きます。
ただ、シーボーズが海坊主って、おかしいと思いますよね(^^;

ココからは、いろいろ複数から見聞きした仮説ですが~
シーボーズと言う名前は、元はゴジラオキシジェン
デストロイヤー白骨化をモチーフにしてるように
海底から蘇る亡霊怪獣だったのを、*水の撮影の禁止で
宇宙からと言う展開に変更した残りだと思います。
結論的には、シースルー(見透す)のシーに落ち着いたのでは?と
思いますので、海の「SEA BOZU」ではなく
透すSEE BOZU」の方が良いかもしれません。

*(海・湖)予算と時間を喰いセットスケジュールも
大変なので、後半のスケジュールでは
使用禁止になる。


そうでないと、1本前の同・実相寺組のスカイドン
空(宇宙)に返すと言うアイディアが、まったく同じなので
34話、35話の同、脚本・監督で製作するにはムリがあります。

ただ、スカイドンは何故地上で倒すだけではダメなのか?が弱く
其の部分を35話では「宇宙から」と言う形に置換えて
宇宙に返してあげる1本に集中していますが
今度はシーボーズは、生きている怪獣なのか?が解らず・・・
ガバドンBはウルトラマンが宇宙に運べて、シーボーズが
何故運べないのか?と言う矛盾の連鎖が起きてしまっている
のも、海底からの亡霊の仕業かもしれません。。。

造形的な白骨は、ジラースゴジラ(の部分)は返却しないと
なので、倒す方形として~ウルトラマンの特殊な武器で
ラストに湖底に骨となって眠る案も在ったようですけども・・・
ジラースは、かなり特異な手刀で倒す形に放送では
なっています。   もし湖底に骨となって眠るラストだったら
それが蘇る話に出来ていたのかもしれません・・・?☆

 

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