毎日新報 号外-2                  光跡 

   
ウルトラQは番組コンセプトの1つに、円谷英二の特撮をお茶の間にと言うのがあり
ゴジラに代表される恐竜型怪獣、ラドンのような鳥型の怪獣、ケムール人の話のように
姿が消える、電送人間のような作品など、企画モチーフにしている作品があります。
その中で、このピーターと言う怪獣は、変異体怪獣のモスラを元に考案された怪獣で
作品中では5段階の変身を遂げています。 その各個体とディテールを書いていきます~

上のイラストは、左が等身大で、右が巨大化ピーターのスーツです。
等身から>巨大化に改造されたのではなく、2体が造られています。
まず、違いは明らかに表面のモールドと*カラーリング、足のヒレ、ヒゲ(大人?)などが解ると思います。
*巨大化のカラー写真は数枚残っていて、特に砧社屋前でのカラー写真は本編撮影後と思われる
補修前のオリジナルカラーや状態が解りやすく、
遊園地など展示で撮影された補修後のモノより貴重です。
等身大のカラーは存在しない為、濃淡の違いをメインにQちゃんがカラー化したモノです。

枚数的には手間のかかる巨大化の方が多い。

ウロコの厚みと大きさ!

作中紹介される学名アリゲトータス
の部分から亀甲模様(六角)のウロコが着けられた。
*ただトータスは陸亀の意味で海亀(水)は属さない。

等身、巨大化、共に貼り付けているので、模様かも
しれませんが、体の表面の六角をウロコと書きます。
サイズは、どとらも数種あり、トータル的に言うと
等身の方が大きいくて薄いものを貼り付けていて
ベースの部分の色が、濃いのが特徴です。
巨大化の方は厚みがあり、センター部分に鏡ほどの
反射率は無いようですが、アバウトな形に見える…
一応、*六角の金属のプレートが埋め込まれています。
コレも、改造だとしたら全部ハガして付け直す手間は
よほど予算の無い番組でしか考えられません。
*後のウルトラセブンに、登場するワイアール星人では
本当の鏡を埋め込んでいます。
*ピーターのデザイン画は
首の後ろ数枚にしか、鏡的な部分は書かれていません。

複製頭部の穴

頭部と、4つの足(前・後)の足首から先の部分は、ラテックスで
型抜きされているのが、細部のモールドや(キズ?)などを
見ると解ります。 ヒゲや塗装の違いは、改造でもありうるのですが
鼻の穴は、後から空けられたようで(一応、四つ足状態の前方
確認に少しはなった)等身巨大化は位置や大きさが微妙に違います。

さらに、口の中に植えられたの並び方が、巨大化の方が綺麗です。
*巨大化はギミックがありアップ用でも意図的に使用された。
足の部分も、左右対称に見えないカットもありますが、よく見れば
4つとも左右対称に抜いた、形抜きなのが解ります。
それらパーツや、撮影も、等身はドラマ班、巨大化は特撮班
(美セン・スタジオ内*)で使用される撮影スケジュール的にも
2体のスーツ作られたのが解ります。
*控え室の等身ピーターのUPは、美センのセットの為、目が動く
ギミックから、作品繋がり的には
ヒゲがあったり間違いなのですが
使いわれている事からも、同時に存在したのが解ります。

ピーターもウルトラ怪獣によくある、複数の動物(昆虫など)
要素を合わせ持った怪獣で、コンセプトはアルマジロトカゲ
ような、巨大化した時にもウロコがある、怪獣的な容姿の
ペットだったようで、成田さんのピーター初稿はカメレオンより
完全に鎧トカゲの姿です。
しかし、完成デザインや完成スーツは、ディレピスカメレオン
ような頭部を持つ、鎧の無いトカゲぽくなっています。

その幼体の一番初期(上左)は、本物で、おそらくアカハライモリ
動いてると言うより溺れている?(^^; 
次に大きくなったシマ模様のは(上右)おそらく
トルキスタンスキンクヤモリだと思われます。
コンセプト的には、イモリは両生類ヤモリは陸のみなので
両方イモリを用意したかったのだと思いますが、季節や、当時の
環境からも、ヤモリで代替してるようです(^^;

ギミック 

 

ピーターの巨大化頭部には、ギミックがあります。
本来は等身で対役者との演技に、使う予定だった
みたいですが、操演のワイヤーやタイミングなどが難しく
体は映さないよう、アップ処理でのみ画面では登場します。

目は透明のドームの中に、白目部分に手書きと思われる
黒目が書かれています。*イラストの水色部は透明です。
右目が2つのスーツ共小さく、左の黒目が大きい事から
4つ制作して、装着時に左右が混ざってしまったと
思われます。(^^;
巨大化のピーターはも収縮する動きが撮影されていますが
ピーターの芝居としては(何かを食べるとか)印象的に
使われる事がなく、もったえないギミックでした。
巨大化の正面からのカット以外にも
控え室セットのシーンでは、等身のピーターのアップとして
巨大ピーターの頭部ギミックが、アップで使われています。

広告募集中

戻る


3段階目のピーターは、制作検討用モデルでしょうか?体はネズミのようで頭部だけが
完成スーツのカメレオン的な形のが着いています。
尻尾は、イモリヤモリからも短くなっています(^^;
水から出した時に、ズームで大きくなるカットの多重合成に使われているのみで
動きませんけれども、このアイディアはブースカで、まんま多重合成で、大きく小さくなる
ペットのひみつとして、受け継がれていきます。

ピーター自体は、あまり人気のある怪獣とは言えませが…(^^;
デザイン的にはウルトラQでは関係ない、スダールのNG怪魚が結合してウルトラマン
ゲスラになるのは有名で、ガマクジラガバドン(NG・B)ミイラ怪獣(NG)グビラへと
海(水系)のウルトラ怪獣デザインに、人が入る事への大きな影響を与えた存在です。
次に変体するゲスラの初期は、そのコンセプトモチーフ通りモスラの幼虫からの改造が
ギリギリまで考えられ、デザイン画も残っていますけども…それは、また第2研究所にて

Copyright(C)2002- KOUSEKI・Qchan 不許複製

 

inserted by FC2 system inserted by FC2 system