油獣・ぺスター

デザイン・成田亨  造型・高山良策 

S・アクター:荒垣輝雄/清野幸弘  ★光跡

 

図1


ペスターは、2つの星型を左右に合体させた形で、ドドンゴと共に
Sアクターが2人で入る怪獣です。
左右の星型中央部分には、空気が入るのですが…上部には除き穴が
設置され、他の部分も空気を少なくしないと、上手く動けないので
作中では動きを重視して、へこんでたりシワが在る状態が多く
形としては少し残念です。

ウルトラマンとの格闘は、想像しても難しく…作品的にも
最も絡みが無い怪獣になりますが、かなりの大型の怪獣なので
格闘場面も観てみたかった気がします。
色もデザイン画では、や緑も入ったカラフルな怪獣でしたが
スーツ的には、黄色以外は目立つボディカラーは在りません。

図3

サイド
あまり造形されたり書かれないですが、ぺスターの横には
前の星型よりも、白い(メタリック・ホワイト)部分が在り

とても綺麗です。図3
また頭部と言うか…首も、デザイン画では前方に
かなり長く突き出ていて、実際に造形的にも首長に作られてるいる
ようですが図5 操演的に内部からのSアクターの手による
操作図6だったので、長さがSアクターの手の限界を超える事は
出来なくて惜しい部分です。
外部からピアノ線で操れば、その部分の効果は在ったと
思いますけども
を多く扱う作品で、水の中にも入る怪獣なので操演的には
正しい選択だったのかもしれません。

図5

デザインや造型的には、前に出る首でしたが…

幻の怪獣・クラプトン

  図7
ウルトラQの御蔵入りに「Oil S・O・S」と言う脚本が在ります。
そこに出る怪獣がオイル怪獣クラプトン図7です。
実際には微生物以外に、動物でぺスターのように
石油を
食べると言うのは…ありえませんが(^^;

クラプトンはオイルを食べるのでは無く、吸収して大きくなり
オイルを吹き散らし大火事を起こす怪獣で、コンビナートから
海に流れ込んだ廃液で、異常生長してるように
推理される怪獣でした。

準備中にロケ地との関係、石油メーカーのイメージから
作品自体がNGになりますが、怪獣クラプトン自体の
制作は進められていたので、ボスタング図8言う名前で
「宇宙指令M774」で使われています。…エイですけども(^^;
 

図8

ボスタングクラプトン時のデザインでは、尻尾の付け根左右に
細い脚?のような
ヒゲのようなモノが左右に出ていて
頭と言うか?図7の上の先端に細いドリルと思われるモノが
在りましたが、無くなった事で…更にエイになりました(^^;

ボス・タング「タング」は、潜水艦に使われる言葉で在るように
海底のボスと言うような意味だと思われますが
海と油をベースにしている話は、海底油田開発など現実の進行と
クロスして、グビラのドリルや、ノンマルトの使者の海底開発と
見た目は、タコ類の怪獣ガイロス(名前は複数国家・間)や
帰マンのオイル怪獣タッコングが、海底ライン(パイプ)を
襲う描写など、海からの怪獣としてオイルを主にする
怪獣の中に、少なからずDNAを引きつでいます。

パイラ星人とペスター


よく言われる怪獣のデザインモチーフにと言う部分では
「宇宙人東京に現わる」1956年に登場する
岡本太郎デザインの
ヒトデ形の宇宙人「パイラ星人」との関係が語られますが
無いとは言えないと思いますけども・・・
クラプトンからの経緯からも
特別意識してと言う事は、無いと思います。

*基本に左右の記載は、怪獣側(自身)として記載します。

図2


デザイン画だと、背面にはべムラ―の頭部のような
鋭利なトゲ図5のようなモノが多数在る感じに見えますが

造形的には四角で山形のブロック体のサイズを
複数組み合わせ、ヒトデの模様が形成されています。


ある意味、表よりも凝った造りなので
映る%が低いのが、もったえないくらいです。
ただチャックが着けられた後で、アクションを繰り返すと
に着けたのもあって、撮影後半は傷みが激しかった感じです。

  図4


ぺスターの顔は、タウンゼントオオ耳コウモリに近い顔で
目はレッドキング1代目と同じ、クリアパーツの
半ドーム型の中に黒目が在ります。
スぺシュウム光線の弾着熱で右目は溶けてしまします。

歯は上の3箇所に2本ずつ6本、下のセンターに2本の
合計8本在ります。喉チンコも在ります(^^;
を噴く画は基本合成で、ウルトラマンに後から吐くカットのみ
もう行き絶え絶えなので、Sアクターが入ってない事と、横からの
撮影なので、クチの奥側(カメラから)生の火を吐いていますけども
合成のような勢いは在りません。
ウルトラマンに命中して爆発するのは、よく解らないですが(^^;?

図6

主に左側(荒垣さんと思われる)Sアクターの右手で
操作していました。


名前

名前の由来はPetroleum(石油) Starfish(ヒトデ)
PE + STAR で、ペスターです。

 3つのモチーフ 

モチーフ・① ヒトデとコウモリ


ヒトデとコウモリが、ぺスターのモチーフなのは
よく記載されていますが、種類は書かれていません。
ですが…明らかに

ニッポンヒトデタウンゼントオオミミ・コウモリです。

*設定では、ペスターは1時間100キロ泳ぐとなってますが
実際のヒトデは、すべて
海産の底性動物で、泳いだりは出来ません(^^; 

 
モチーフ・② ヒトデ側から

では・・・なぜ2つを合体させたのでしょうか?

その1つはコウモリヒトデと言う名前のヒトデが、元だと思われます。
英語で  bat star と言うヒトデです。
ただ、見た目は黒に赤い点の在る☆でしかありません(^^;
実験材料としてよく使われ、日本の沿岸にも多く生息しています。


モチーフ・③ コウモリ側から

もう1つは、アブラコウモリ↓と言うコウモリが


日本で最もメジャーで、スタンダードなコウモリとして存在します。
昔はアブラムシ(脂の昆虫)と呼んでいた事から
シーボルトが長崎で入手した標本データを、世界に紹介し
ジャパニーズ・アブラムシと広め、今は*アブラコウモリ
言われる事が多い種で、デザイン上の合体モチーフの
1つに在ったと思われます。

*別名・家コウモリとも言われ、唯一人家の屋根裏などに
生息したりするので
あぶる(あぶり出す)と、出て来るから転じたとも言われるので
だとすると
「油・オイル」とは関係ありません(^^;

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