悪質宇宙人・メフィラス星人 

デザイン・成田亨  造型・高山良策                        

S・アクター:扇幸二 声・加藤精三       ★光跡

 

図A

ウルトラマンでは、ケロニアと、*ジャミラを除けば
バルタン、ザラブ、ダダに継ぐ4番目の宇宙人で、スーツ的には
ウルトラQのケムール人、*ラゴンセミ人間(チルソニア遊星人)
ウルトラマンのバルタン星人、ザラブ星人、ダダ、*ケロニアまでの
メフィラス前の宇宙人スーツは、全て頭部が外れる(別パーツ)の
ものでした。 其処で、敵キャラ初の頭部一体化の宇宙人スーツ
メフィラス星人が誕生した跡を追ってみます。

*ジャミラは、スーツ的には宇宙人体形で…実際は人間なんですが
何故か
「怪獣」に分類されます。…光跡的には設定は別にしても
頭部パーツと言える部分が無く、肩~ボディと
一体化しているので宇宙人スーツから外します。

*
逆に、設定的にはラゴンやケロニアは、宇宙人体形ですが
怪獣や植物になりますけども、ザラブ星人にも改造される事から
宇宙人型スーツにカウントします。

2代目アントラーな宇宙人。
実は、最初は頭部別パーツだったは、造形的にも後頭部を観れば
解るのですが、順番にデザイン的に検証すると
メフィラスのボディ前センターには四角い12個の金属部品が付いています。
コレは、デザイン画で観ると…「チャック」です(^^;
アントラーのチャックが前に在るのは、前夜祭事件からも有名ですが
この頭から爪先まで真っ黒な宇宙人も、前にチャックを配し
デザイン上取り込む工夫が観られます。
あまり指定をしない成田さんが、顔の銀や耳の銀部分に「金属」
指定しているのは、チャックの銀とコーディネイトする為だったようで
実際のスーツでは、背中の凸部分(右側から開く)の下にチャックが
付きますが、図D左部分凸ラインは図B右のように
デザイン画では何も書かれていません。

図D
造形的には、図Dの左のような後頭部でピンクのラインを捲ると
チャックの最上部が出てきますが、デザイン的には図D右の赤か青の
ラインで、頭部パーツが外れる予定で描かれていたのは
腰から下図D左部分が、デザイン画に無いので解ります。

逆を言えば、デザイン的には前チャックしか入る方法は無く
造形的には、頭部を一体化したら前チャックは不可能と言う事になります。

勿論、一体化した理由はアクションのシーンで前例の宇宙人型スーツは
頭部が外れてしまうNGが多かった為で、台本的にウルトラマン
互角に戦う様は、頭部が別パーツではフィルム的・時間的予算を
喰う事からの工夫です。

図E

なので、デザインの段階では図Eの赤い部分は宇宙人の皮膚ではなく
鎧やプロテクターのような「服」として表現する為に、足の付け根などに
パイプ状のラインを設けたのだと思います。
プラス、デザイン画上の赤い部分にだけは図E水色黄緑の直線的な
ラインが在り、赤い部分だけ見ればロボットのようにも見える感じに
描かれている事からも解ります。
実際の造形されたスーツでは、右の胸に少し跡がありますが…
左の胸は、筋肉かスーツのシワのようにしか見えない状態なので
赤い部分も、皮膚として認識されているので…後々、その上からまた
アーマーを被せて着る事になります(^^;

武器とホースとポーズの謎?

メフィラスはデザイン画のように、腕を前に出すポーズ
等身大時から~巨大化しても様々な攻撃や技を放ちます。

コレは、メフィラス星人から成田さんは、宇宙人を本格的に
デザインしようとしたと言っているように、改造ベースや制約の無い
1からデザインしている宇宙人なので、地球の銃や刀のような武器
ウルトラマンと同じく持たせなく無かったのだと思います。

其処で気になるのが、メフィラスには図Eの青い部分の腕と胸部
背中に、デザイン的な表面に見せてるのとは違う内部から浮き出た
ホースのような跡が、ハッキリ見えます。
このホースは、やはり攻撃に液体や粉、エアの圧で何かを
手のい先から出す予定だった跡だとQちゃんは思います。
*左脇腹から背中も張った状態で浮き出ます。図D左

実際の完成画面では、何も出ないで何か起きるパターン
光学合成で処理されたパターンの2種になっていますけども…
名前の元であるメフィストからは、炭ガス的な煙を出す予定だったのが
予算や表現的な理由から、撮影前に停まった跡だと思います。

 弱点は足?

メフィラスのスーツは、頭部が一体化になった他に
もう1つ、今までの宇宙人型スーツに無かった部分がです。
今までの宇宙人は、殆どのスペースがウエットスーツで
ラゴン(ザラブ)のように、模様的な小部分を貼ったモノは在っても
全面を覆うような造型は初めての試みでした。
その為、メフィラス星人はヒザの自由が殆ど効かない為に
アクションも立ちスタイルで限定した動きになっています。
最も、象徴的なのは
円盤内椅子が造られていても
座る事が出来ずに、まっすぐ足を伸ばしてお尻だけ
ひっかけています(^^;

図E

デザイン的には、成田さんは・・・苦笑したかもですが
足の先から四角い突起模様を書いて行き~~
太腿上部は、略した感じでラフに書いているのですが・・・
そのまま、太腿上部から模様のパターンが違う造型になっています。
また、足首から下にも、爪先まで突起模様は在るのですが
コレも、後々に2D・3D化されると、ツルツルの靴になっている事が
多い部分で、デザインコンセプトは~爪先から
足全体が同じ模様で在る事がキーの1つになっている宇宙人です☆

*基本に左右の記載は、怪獣側(自身)として記載します。

図B

頭の良いメフィラスの本当の頭部

頭部は、顔と耳(の銀部分)図F赤線内FRPで造られています。
勿論、目と口はクリア空けてクリアパーツと電飾が施されます。

メフィラスの顔の造形は、複雑で凄く良く考えられていて
後のウルトラセブンのマスクにも、ザラブの目なんかより
ずっと影響を及ぼしているのが良く観ると解ります。

ですが・・・残念な事に黒い為もあって、かなり本当の形は
誤解されていますので、よく見る2D・3Dモデルなどと違う箇所を
中心に書いてみます。

図F

まず、丸い工事用ヘルメットを半光沢にしたような頭部に
なっている事が多いですが、実際は図Fの赤いラインの中が
FRPなので、その後は入る度に形(シワ)が違い、結果的には
FRPとの境目にラインが生じています。
目の上の図F黄色い部分は、造形的にちゃんと盛り上っています。

図G
頭部の後は、FRPでは無いのでシワが発生していますが
背面のデザイン図D右にある、パイプラインを造形してあるので
図G部分が*大半尖っています。
*メフィラスは、略下半身の動きからやや前傾姿勢で
入っているので引っ張られています。

図H

耳の形も随分違うモノが多く、一番深い場所も後ろ側では無く
前寄りに在り、穴は空いていません。図H

口の横にある、襟?のような銀部分も図H横から見ると
かなり前に出ているのですが…何故かメフィラスの頭部前面は
ペッタンコに、なっている事が多いです。

弱点は目?
メフィラスの顔は、完成度の高さから…スーツとしては肝心の「覗き穴」
無いまま出来てしまったようで、ウルトラマンと同じく後から
目の下にあるスジ彫りがクロスした部分に空けられ
1ブロック欠落してるように見える箇所などが在ります。

図I
上手方向が多い為か、図I小さい左側に多く空けられますが
撮影が進行すると、良く見えなかったのでしょう、図I数が増えて行くので

等身でハヤタと向かい合うシーンが、後の方で撮ったのが解ります。
ウルトラマンとの格闘時も、作品上は対等ですがウルトラマン以上に
見えてないのが、位置や目線方向から解ります(^^;


また呼吸穴は口と思われる黄色いパーツ部分の左右図Iに空けられていて
中央の発光部分の黒●は、表面外からマジックで丸が塗られています。


 目の形
メフィラスの目は、上図Iのように正面から見ると目じりが尖って見えます。
ですが図Fのように、斜め・横から見ると尖っていません。

図F図J
コレは、目の青いパーツ図Jのように前面に尖った形をしているからで
この部分も、後の造形物は殆どウルトラマンのように

図J下の
×のように丸型か、平になっているので、正面との見え方の
誤差がありません。
目の色も、後の再現された2D・3Dでは水色などの
発光部分に合わせたカラーの場合が多いですが、青より濃い紺色の
カラーマジックで裏塗りされています。

電飾も、図Iのように、右目の電飾は正面センター左目は内側に
なっているので、結果的にですが…どこか黙った時に
何を考えているのか解らない怖い感じの表情を作りだしています。

飛び人形

ダダで、アクションをシーン的に強化する為にも、バルタンのように
空中戦を挟む方法が取られ、メフィラスにも用意されていますが…
形としては、お世辞にも良いとは言えない造形です(^^;
頭部や足のブーツ的な形が残るのを見ると、何かベースの人形から
改造した感じです。
ただ、後々のメフィラスの
飛行ポーズも一定してませんが
元祖は、
手を後方にして指を伸ばして体に付けて飛行しているとだけ
記載しておきます。

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