図A
ウルトラマンでは、ケロニアと、*ジャミラを除けば バルタン、ザラブ、ダダに継ぐ4番目の宇宙人で、スーツ的には ウルトラQのケムール人、*ラゴンセミ人間(チルソニア遊星人) ウルトラマンのバルタン星人、ザラブ星人、ダダ、*ケロニアまでの メフィラス前の宇宙人スーツは、全て頭部が外れる(別パーツ)の ものでした。 其処で、敵キャラ初の頭部一体化の宇宙人スーツ メフィラス星人が誕生した跡を追ってみます。
*ジャミラは、スーツ的には宇宙人体形で…実際は人間なんですが 何故か「怪獣」に分類されます。…光跡的には設定は別にしても 頭部パーツと言える部分が無く、肩~ボディと 一体化しているので宇宙人スーツから外します。 *逆に、設定的にはラゴンやケロニアは、宇宙人体形ですが 怪獣や植物になりますけども、ザラブ星人にも改造される事から 宇宙人型スーツにカウントします。
2代目アントラーな宇宙人。 実は、最初は頭部別パーツだったのは、造形的にも後頭部を観れば 解るのですが、順番にデザイン的に検証すると メフィラスのボディ前センターには四角い12個の金属部品が付いています。 コレは、デザイン画で観ると…「チャック」です(^^; アントラーのチャックが前に在るのは、前夜祭事件からも有名ですが この頭から爪先まで真っ黒な宇宙人も、前にチャックを配し デザイン上取り込む工夫が観られます。 あまり指定をしない成田さんが、顔の銀や耳の銀部分に「金属」と 指定しているのは、チャックの銀とコーディネイトする為だったようで 実際のスーツでは、背中の凸部分(右側から開く)の下にチャックが 付きますが、図D左の●部分凸ラインは図B右のように デザイン画では何も書かれていません。
図D 造形的には、図Dの左のような後頭部でピンクのラインを捲ると チャックの最上部が出てきますが、デザイン的には図D右の赤か青の ラインで、頭部パーツが外れる予定で描かれていたのは 腰から下図D左の●部分が、デザイン画に無いので解ります。 逆を言えば、デザイン的には前チャックしか入る方法は無く 造形的には、頭部を一体化したら前チャックは不可能と言う事になります。 勿論、一体化した理由はアクションのシーンで前例の宇宙人型スーツは 頭部が外れてしまうNGが多かった為で、台本的にウルトラマンと 互角に戦う様は、頭部が別パーツではフィルム的・時間的予算を 喰う事からの工夫です。
図E なので、デザインの段階では図Eの赤い部分は宇宙人の皮膚ではなく 鎧やプロテクターのような「服」として表現する為に、足の付け根などに パイプ状のラインを設けたのだと思います。 プラス、デザイン画上の赤い部分にだけは図Eの水色と黄緑の直線的な ラインが在り、赤い部分だけ見ればロボットのようにも見える感じに 描かれている事からも解ります。 実際の造形されたスーツでは、右の胸に少し跡がありますが… 左の胸は、筋肉かスーツのシワのようにしか見えない状態なので 赤い部分も、皮膚として認識されているので…後々、その上からまた アーマーを被せて着る事になります(^^;
武器とホースとポーズの謎? メフィラスはデザイン画のように、腕を前に出すポーズで 等身大時から~巨大化しても様々な攻撃や技を放ちます。 コレは、メフィラス星人から成田さんは、宇宙人を本格的に デザインしようとしたと言っているように、改造ベースや制約の無い 1からデザインしている宇宙人なので、地球の銃や刀のような武器は ウルトラマンと同じく持たせなく無かったのだと思います。 其処で気になるのが、メフィラスには図Eの青い部分の腕と胸部 背中に、デザイン的な表面に見せてるのとは違う内部から浮き出た ホースのような跡が、ハッキリ見えます。 このホースは、やはり攻撃に液体や粉、エアの圧で何かを 手のい先から出す予定だった跡だとQちゃんは思います。 *左脇腹から背中も張った状態で浮き出ます。図D左 実際の完成画面では、何も出ないで何か起きるパターンか 光学合成で処理されたパターンの2種になっていますけども… 名前の元であるメフィストからは、炭ガス的な煙を出す予定だったのが 予算や表現的な理由から、撮影前に停まった跡だと思います。
弱点は足?
メフィラスのスーツは、頭部が一体化になった他に もう1つ、今までの宇宙人型スーツに無かった部分が足です。 今までの宇宙人は、殆どのスペースがウエットスーツで ラゴン(ザラブ)のように、模様的な小部分を貼ったモノは在っても 全面を覆うような造型は初めての試みでした。 その為、メフィラス星人はヒザの自由が殆ど効かない為に アクションも立ちスタイルで限定した動きになっています。 最も、象徴的なのは円盤内に椅子が造られていても 座る事が出来ずに、まっすぐ足を伸ばしてお尻だけ ひっかけています(^^;
図E
デザイン的には、成田さんは・・・苦笑したかもですが 足の先から四角い突起模様を書いて行き~~ 太腿上部は、略した感じでラフに書いているのですが・・・ そのまま、太腿上部から模様のパターンが違う造型になっています。 また、足首から下にも、爪先まで突起模様は在るのですが コレも、後々に2D・3D化されると、ツルツルの靴になっている事が 多い部分で、デザインコンセプトは~爪先から 足全体が同じ模様で在る事がキーの1つになっている宇宙人です☆
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*基本に左右の記載は、怪獣側(自身)として記載します。
図B
頭の良いメフィラスの本当の頭部 頭部は、顔と耳(の銀部分)図F赤線内がFRPで造られています。 勿論、目と口はクリア空けてクリアパーツと電飾が施されます。 メフィラスの顔の造形は、複雑で凄く良く考えられていて 後のウルトラセブンのマスクにも、ザラブの目なんかより ずっと影響を及ぼしているのが良く観ると解ります。 ですが・・・残念な事に黒い為もあって、かなり本当の形は 誤解されていますので、よく見る2D・3Dモデルなどと違う箇所を 中心に書いてみます。
図F
まず、丸い工事用ヘルメットを半光沢にしたような頭部に なっている事が多いですが、実際は図Fの赤いラインの中が FRPなので、その後は入る度に形(シワ)が違い、結果的には FRPとの境目にラインが生じています。 目の上の図F黄色い部分は、造形的にちゃんと盛り上っています。 図G 頭部の後は、FRPでは無いのでシワが発生していますが 背面のデザイン図D右にある、パイプラインを造形してあるので 図G●部分が*大半尖っています。 *メフィラスは、略下半身の動きからやや前傾姿勢で 入っているので引っ張られています。
図H
耳の形も随分違うモノが多く、一番深い場所も後ろ側では無く 前寄りに在り、穴は空いていません。図H 口の横にある、襟?のような銀部分も図H●横から見ると かなり前に出ているのですが…何故かメフィラスの頭部前面は ペッタンコに、なっている事が多いです。
弱点は目? メフィラスの顔は、完成度の高さから…スーツとしては肝心の「覗き穴」が 無いまま出来てしまったようで、ウルトラマンと同じく後から 目の下にあるスジ彫りがクロスした部分に空けられ 1ブロック欠落してるように見える箇所などが在ります。
図I 上手方向が多い為か、図I小さい●左側に多く空けられますが 撮影が進行すると、良く見えなかったのでしょう、図I●数が増えて行くので 等身でハヤタと向かい合うシーンが、後の方で撮ったのが解ります。 ウルトラマンとの格闘時も、作品上は対等ですがウルトラマン以上に 見えてないのが、位置や目線方向から解ります(^^; また呼吸穴は口と思われる黄色いパーツ部分の左右図I●に空けられていて 中央の発光部分の黒●は、表面外からマジックで丸が塗られています。 目の形 メフィラスの目は、上図Iのように正面から見ると目じりが尖って見えます。 ですが図F●のように、斜め・横から見ると尖っていません。
図F図J コレは、目の青いパーツが図Jのように前面に尖った形をしているからで この部分も、後の造形物は殆どウルトラマンのように 図J下の×のように丸型か、平になっているので、正面との見え方の 誤差がありません。 目の色も、後の再現された2D・3Dでは水色などの 発光部分に合わせたカラーの場合が多いですが、青より濃い紺色の カラーマジックで裏塗りされています。 電飾も、図I●のように、右目の電飾は正面センター左目は内側に なっているので、結果的にですが…どこか黙った時に 何を考えているのか解らない怖い感じの表情を作りだしています。
飛び人形
ダダで、アクションをシーン的に強化する為にも、バルタンのように 空中戦を挟む方法が取られ、メフィラスにも用意されていますが… 形としては、お世辞にも良いとは言えない造形です(^^; 頭部や足のブーツ的な形が残るのを見ると、何かベースの人形から 改造した感じです。 ただ、後々のメフィラスの飛行ポーズも一定してませんが 元祖は、手を後方にして指を伸ばして体に付けて飛行しているとだけ 記載しておきます。
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