ウルトラセブン
14・15話・ウルトラ警備隊西へ・前、後編
E倉庫
連絡を受けて六甲防衛センターに急行する ポインターと、秘密諜報員マービン・ウエップの ヴォクソール(白い車)が、走るカットは 第1突堤E倉庫の東側図1■で撮影されました。図1E右側 ↑カット左に少し映るのがE倉庫*E倉庫・上組神戸E倉庫
現在も*屋根を新しくしていますけど、略同じく残るE倉庫です。 右側に大型車輌が並んで停車しているので、同じアングルは 写真で解るように撮れないので、3枚↓の写真と画で解説します。 当時は、くし状だった摩耶埠頭(図1参照)の突堤間は埋め立てられ ポインターの右に停泊していた北の船の部分は今は道路です。 *E倉庫上屋改修工事, 平成11.9~11.12。
作品ではE倉庫とポインターが向かう画として、六甲の山並みを 意図的に入れて居るので、現在の六甲の同じ山並みとE倉庫です。 奥の右に見える黒い建物も、同カットに映り残っていました。
ポインターが防衛センターに急行するカット奥の建物を拡大。
上の写真右の黒い建物は、セブン撮影当時は色は白でしたが 右上方が高く、その左角が凹んでいて、右側に クロス状の外階段が在り、左上方に正方形に近い *窓のようなモノも見えます。図1・2■ 地図や航空写真で見ても、当時同じ形の建物は 他に在りませんでした。 *実際は昔は荷をクレーンで出し入れしていた大型の扉。
摩耶埠頭・略暦 1959年 摩耶ふ頭(仮)着工~第一突堤~から順次使用 1966年 2月摩耶埠頭と命名。 1967年 着工~8年後~摩耶埠頭完成。・11月セブンロケ 1972年 4月国鉄 摩耶埠頭駅・貨物駅開業。 1986年 11月 摩耶埠頭駅廃止。 1997年 第一~第四突堤の間の順次埋め立てが竣工。
神戸ロケ・摩耶埠頭
ウルトラセブン神戸ロケは、1967年11月22~27日に 撮影され、摩耶埠頭は24日(金)夕方~25日(土)朝から1日 の実質1日と少しの時間で撮影しています。 その為、夕方のカットは何日に撮ったかは判別が難しく 土田博士を演じた土屋さんの映るカットは 登板表から25日と判断出来ます。
旧・D倉庫
マービンの説明に、ダンが推理するカットなど 北側抜けのバックには、A倉庫より南に在った 旧・D倉庫を、意図的に映しています。 マービンの鼻先奥見えるのは第2突堤の倉庫。
図4■の北側の抜けは前編・変身カットの大型車輌などが 停まっていた為と思われますが、東側の図4■の位置まで移動して 旧・D倉庫をバックに撮っています。 前編でダンが変身する(直前)タイヤ越しに海側に走るカットも マービンが、偽ドロシーのペンダントを釣り上げた場所と 略同じ旧・D倉庫の少し西側図4■の場所です。
図3 ウルトラセブンの撮影時には、摩耶埠頭は串型に 1番から~4番の突堤を持つ埠頭でしたが 摩耶埠頭も、95年の震災で大きな被害を受け 補修と共に図3の黄色い部分が埋め立てられました。
現在の旧・D倉庫跡・図3・4赤のDが新倉庫。 同型・同サイズの倉庫は同じ場所には既に在りません。
図4
摩耶防波堤
U警備隊がポインターを停めて降りて来る場所も 摩耶埠頭・旧・第1突堤で、↑でポインターの前に見える 四角いモノが防波堤です。図4■と■の間にポインターは 停車しています。 作品的には同じ停車位置ですが 撮影的には、ポインターを移動させています。 現在は、図4黄色い部分が埋め立てられたのと同時に 防波堤の上赤い部分(1の左)が、壊されているので 残念ながらセブンに映っている部分は存在しません。 また、当時の防波堤は図4■と■の間に位置していましたが 埋め立ての延長的に、現在は摩耶埠頭の南西の角に 位置していますけども、防波堤自体は東西に動いては居ません。 後編のラストにダンが走る引きの画で、左に映るのも 同じ、解体されてしまった堤防部分です。
西方向からの現在の短くなった防波堤です。 奥に見える赤い橋は、新港第四突堤とポートアイランドを結ぶ 神戸大橋でセブン撮影当時は、当然まだ在りません。
図5 現在の新港(摩耶埠頭西)への航路や 摩耶埠頭西岸を通過して、北側(陸側)に在る船だまりへ 進入する船の速度は、旧・摩耶埠頭突堤間に 入港する船よりある為、進入で起きる波からの横波防止と 南側の第六南防波堤と、第七防波堤間からの 第3航路を、灘浜航路と新港航路に 分岐する役割を持つ、3つの防波堤が在ります。 ウルトラセブンでは、俳優の近くの防波堤図5●と 南側に水平線に浮かぶように見える東西方向の防波堤 図5●が映っています。
摩耶埠頭
兵庫県神戸市灘区
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ウルトラセブン
14・15話・ウルトラ警備隊西へ・前、後編
A倉庫
完成したライトンR30爆弾を、ポインターで防衛センターから運び ジープで待つ隊員らに渡す場所は、旧・A上屋(*三菱倉庫)の 南東の角で撮影されました。図1・2● A、B、C倉庫は、摩耶埠頭の初期からの倉庫で D、Eよりも旧式だった為、セブン撮影直後にA~Cは 大きく改修されます。 現在のE倉庫のようにリニューアルして 残っているとは言い難いですが、位置的には略同じ場所に 現在の新しいA~C倉庫も在ります。
現在のA倉庫(略・E型と同じ建物)の南東の角です。 荷が邪魔にならずに見えるアングルで、倉庫の角と 解るサイズに引いたサイズ↑です。
図1
作品的には、隊長や土田博士の立位置や映し方からも A倉庫の右奥に意図的にE倉庫を映しているので R30爆弾を受け取るのはE倉庫角で 図1・2■から>>>ジープで前進して A倉庫の南側図1・2●から発射しているのだと思われますが ロケ地的には、A倉庫の角図2●からの図2●に 前進しただけで、ジープで移動する程の距離は在りません(^^; ポインターが神戸に来れなかった場合に用意したとは言え 距離的には、かなり贅沢なジープの使用です。
同型倉庫の角、雨樋などの配管も同じ位置に見られます。
図2 当時D倉庫だった所は運輸会社の建物が出来、同型のモノは無く 南側に、東西に長い新型のD倉庫(三菱)へと名前は移行します。
ハイドランジャー跡 図1・2他の左■の場所から西側(対岸)を映したカットは 船上から撮影した動いている映像ですが、コレは 台本上では、ハイドランジャー(まだ大型艦)からボートで 上陸する場面に使われる予定だったようで、船を借りた為に 経費上放映画像として使用しないとならないカットでした。
倉庫と上屋
*上屋とは、港湾の荷さばき用の倉庫で、保管目的の「倉庫」とは 本来区別され、空港と共に保税蔵置場で在る場合も在ります。 光跡は倉庫専門サイトでは無いので、解りやすく上屋も倉庫と 記載していますが、厳密にはA~Eも 倉庫では無くて「上屋(うわや)」です。
旧・第1突堤
マービンが*車を停めて釣りを(装う)していた突堤の角は 摩耶埠頭・旧・第1突堤の南西の角です。図3.4■ また、夕景でぺダン星人と知りながら スーツのダンが宇宙人同士の約束をするのも 図3.4■の旧・第1突堤の南西の角です。 *マービンが上陸したのは第4突堤の東の角なので… 其処から車で移動して来たと言う意味で、停めてあるの かもですが…身分証明書も無いのに?(^^; スタッフ&キャストの集合写真もこの角で↑右の水色の船を バックに67年11月25日の昼に撮影されています。
しかしマービンが、ドロシー(偽)のペンダントを 釣り上げる場所は図4■で、作中のポジションや 移動設定とは別に、ロケ地としては旧・第1突堤の南側を 東西に移動してさせて撮影しています。 ドロシーの奥の倉庫は第2突堤南側のの旧・倉庫です。
旧・第1突堤の南東の角図4■は、珍しくU警備隊6名が 歩くカットや、後編でダンが変身するのに カメラに向かって走ってくるカットも図4■で 撮影されています。
現在のU警備隊6人が歩いていた場所。図4■
摩耶大橋(袂・下)
マドロスに変装したソガ隊員が、ビデオシーバーで 報告する所は1966年完成の摩耶大橋の 摩耶埠頭側の袂の下図1・3の左●の地点です。
現在は、南側に1975年完成の第2摩耶大橋が在ります。 *その影響もあり明るく無いのでフラシュ&増感しています。 ソガ隊員が、寄りかかっているのは、歩行者用の 階段の手スリで、当時は光沢の在る銀の丸パイプ状 でしたが、今は塗装も良くなったので手スリ部分は 四角い形状に変わり、柵と共に白く塗られています。 摩耶大橋は、現在も自動車のみ有料(100円)ですが 二輪、歩行者も通行可能で、歩行者の登り降り用の 階段が接地されています。
紅の流れ星 昭和のマドロスのようにクールなキャラ シャア・アズナブルの赤い彗星ファンには 赤いヒーローのファンより有名な映画 「紅の流れ星」は、66年の神戸を舞台に摩耶埠頭で ロケショーンしている作品です。 「紅の流れ星」1966年10月公開 出演・渡哲也、浅丘ルリ子、宍戸錠、藤竜也、杉良太郎 「紅の流れ星」は、映画ファンには説明の必要に無い 渡哲也さんの代表作で、石原裕次郎さんの「赤い波止場」58年の リメイク作品ですが 「赤い波止場」も、神戸背景にした 作品ですけども、58年には摩耶埠頭は存在してないのに対して 「紅の流れ星」では、ソガ隊員が寄りかかっていた 階段(手すりの形状)や、*摩耶埠頭の当時の倉庫の様子も ハッキリと全景で解るように撮られているので 興味のある方は、DVDも出ていますので是非御覧下さい。 *ウルトラセブンでは、ポートタワーの埠頭と言う 作品上の設定が在るのと、おそらく撮影当時に 「紅の流れ星」(日活は、新人・渡哲也の売出し中)を意識し 摩耶埠頭らしい部分を、意図的に映さないようにしています。
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