Sアクター 春原貞雄(第1話)黄色いカプセル 鈴木邦夫(第24話)赤いカプセル 西京利彦(第39話) *32話も登場予定でしたが、リッガーを恐竜戦車の改造にして アギラを新造形した為に交代し、未出演。 *左右は向ってでは無くウインダム自身として記載。
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ボディ ウインダムは、首のパーツの為に鎖骨部分が隠れ 胸筋が肩から吊るしたような人形的には在りえない筋肉が着いています。 コレはデザイン画としては、胸の中央の六角形と、ヘソから股間にある 崩した六角形(バックルも兼)を、西洋鎧のブレス・プレートを 基本にした肩の部分で在って、特に胸筋の盛り上がりでは無いので 盛り上がって無くてよかったのだと思います。 *制作後半に宇宙用から怪力の怪獣に変更されたのが 影響しているかもしれません。*↓製造日程参照 ただ、怪力の設定も、ミクラスの存在の前に… あまり知られ無かったようですけども(^^; ウエスト部分の左右には、ベルトようなデザインが在り 本来太く無いのですが、背中を空けたままのスチールを参考にした モノには、ウインダムが太い怪獣になっているモノが在ります。図1
足 足首から下も、エレキングと同じ型から造られたモノに エレキングの指の穴を塞いだものが着いています。図1 コレもデザイン画では図D2ペガッサ星人などと同じ足でもいいのに 意図的に、太くて大きい足を着け怪獣ぽくしている可能性が 高いと思います。*↓製造日程参照
腕 腕と足は、英国式のプレートアーマーに見られるデザインで 腕の段は片側8段・4段ずつの2パーツを、柔らかい素材の外装に 着けているので、 肘と言うものはウインダム的には無いのですが 4段目と5段目の間で、別パーツ化され肘として機能しています。図2 *8段目は大半肩のパーツの中で見えない事が多い。
6 7 ウインダムも、エレキングなどと同じくSアクターの頭部の上に キャラの頭部が位置するので、全身のバランス的に 手を長く(大きく)作ってあります。図6・7 8 9 手の甲(指)はオリジナルで、手首側に曲線のモールドがあります。図9 手の平側は、エレキングと同じ型から抜いたモノを 同じ中身に、上下(甲・掌)に張り合わせています。図8 手首から先は、親指以外は独立していなくて 4本指側には、Sアクターの指が全部は入っていません。図7
生物?・機械?・怪獣? ウインダムは、ロボット(機械)なのか?生物なのか? 解り難いキャラクターです。 *現在では機械生物などとの解釈もありますが(^^; 宇宙人としてのウインダム ウインダムは、普通にデザインだけ見たら 宇宙人に見える人が多いのでは無いでしょうか? 耳の項目で書いたように、ウルトラマン初期の耳から出たアンテナを 実際の形としていて持ち、ザラブ星人はアンテナは小さいですが 目の形や赤い凹部分など、ウインダムに継承している部分が多く 両宇宙人のDNAを受け継いでいます。図13 ロボット機械としてのウインダム 見た目のカラー(銀)以外は、足音などの効果音 動きなどのイメージはメカですが、機械だと断言出来る部分は ビジュアル的には、キングジョーやUトムなどより少ないです。 怪獣としてのウインダム 怪獣としては遠く、デザイン画のスマートな姿と一番違うのが 膝から下の足の部分です。 膝から下が太く、足首から下もわざわざエレキングと同じ 太くて大きな足を、少し強引に足のパーツに押入れています。 コレも、やはり時期的に(*製造日参照)カプセル怪獣と言う 括りの中に設定された事で、デザイン画から変更が 間に合ってしまった部分だと思います。 逆に、間に合って無ければ…けっこうカッコイイ宇宙人に 見えてしまい、ウルトラセブンと重なる部分が多いので セブンのカプセルケースから外されて居たかもしれません。
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DNA ウインダムは、ウルトラマン、ザラブ星人のDNAを持つ部分は 書きましたが、ゼットンのDNAも、ヘソ~股間の部分 腕・足のジャバラ状、第1耳がウルトラマンなら、第2耳はゼットン から継承していると思います。 細かい部分では、四角い凹みが直線的に並ぶのも バルタン星人のスカートから在り、ウインダムのサイドや ウルトラセブンの頭部にも四角い凹みは継承しています。
15 ウルトラ警備隊*(後のウルトラセブン)時期のレッドマンも 宇宙服の延長的な段階ですが、ゼットンのようなジャバラの部分(肘) 英国式プレートアーマー的な、丸が並ぶ肩や足を持っています。 ウインダムも、首が短くて、手足が小さければヒーローになった 怪獣かもしれません。 ウインダムは、設定もセブンと同じ身長ミクロ~40メートルですが セブンと並ぶと、ウインダムのトサカ分完全に高いので同じでは無い(^^; ミクロと言うのも、カプセルに入った常態の事なのか? 鼻の穴にも入れるのかは解りませんけども、ミクラスは 1㎝~40メートルなので、ウルトラ警備隊時期の跡が 残ってしまった感があります。
*企画「ウルトラ警備隊」(セブンに繋がる最初期仮題) 後の防衛チーム名になりますが、この頃は宇宙ステーションマザーを 基地に、宇宙をメインに宇宙生物らと戦う話で、等身大ヒーロー。 しかしキャプテンウルトラと重なる部分が多く 次企画ウルトラマンジュニアでは、レギュラー怪獣4匹で 主人公が呼ぶと出てくる忠犬ハチ公的怪獣と在る部分が 後にカプセル怪獣になります。
ウインダムスーツの誕生 *製造日程
ウインダムの誕生は、セブン放送前の様子が覗える一辺が在るので 高山さんへ依頼した日を中心に誕生の流れを追ってみます。 67年6月26日 レッドマンは、まだ等身でアイスラッガーも武器(*銃?)でしかない。 *アイスラッガーから出る光線が、エメリュウム光線と在り 頭部を外すブーメラン的な武器になるのは、マスク造形最中(後半)に 外す事と形状変更が成された。>セブンは佐々木さんを中心に制作。
~~そんな段階の67年6月末~~ 6月27日 ワイアール星人(まだ生物X)を依頼。 7月6日 ピット星人の(まだ名前なしで、2話の予定)頭部を依頼。 7月15日 *エレキング、ミクラス、依頼。 *この2体は6月27日に1度デザイン画を引き上げ(NG)ている。 7月23日 ペガッサ・ゴドラ星人(まだ名前なし)依頼 7月26日 ウルトラセブン制作第一話クランクイン・特撮班 8月18日 ビラ星人を依頼 *この時に引上げた1枚がウインダム。 8月19日 ウインダム(まだロボット怪獣)依頼。 8月21日 クール星人(まだ名前なし) 8月28日 キュラソ星人依頼 8月29日 クール星人納品 *この日ロボット怪獣をウインダムと記載。 9月3日 キュラソ星人納品 9月5日 ウインダム納品 特撮は、水やバンクカットの撮影で大きく遅れ、放映日からの逆算で 6月末から急ピッチで進行しています。 そんな中、ウインダムには17日間も制作に費やしていますから 力を入れているのが解ります。 納品日からすると、放映1話に登場する訳ですから、1月間を切る状態は 準備期間の貯金が底を突いている様子も覗えます。 8月18~19日には、まだカプセル怪獣の設定や名前が確立していない。 高山さんは名前が決まれば、名前で記載しているので 29日までの10日間に、カプセル怪獣や怪獣の個体名が設定されている 可能性が高いと言えます。
*この引き上げ部分は、複雑な頭部のアップ図(D1)を追加要求されたと 思われます。
*21日から制作~29日~に、カプセル怪獣との設定が確定され 30日~後にデザイン画と異なる膝から下の怪獣的な部分が 作られたと思います。 高山さんは29日の終わりに、足はエレキングの流用で行くと記載。
ウインダムのネーミング 「WIN」(勝つ)と「DOM」(~の状態)の造語だとか SF作家ジョン・ウィンダムが元だと言われますが・・・ 個体名ではないとしたら、作品設定的な役割からは DOMではなく、DAM(せき止める)方だったのでは無いかと思います。
*ウインダム・ウィンダムどちらも使用されていますが 現在は「ウインダム」が大半ですので、この頁でも小文字のイでは 無い方をメインに使用しました。
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★パーツ解説用に、後方上段の耳を第1耳 前下側の赤い部分がある部分を第2耳と記載します。
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頭部 スーツ首部分、*FRPの最下段に覗き穴、その下の段に空気穴がある。 *図3の下の濃いグレーと、材質が異なります。 上の薄いグレーがFRP。 春原さんの効き目が右側だったのか? センターから2つ目の穴は 大きく空けられているので、センター寄りの穴が少し上にズレています。
勿論、ウルトラセブンと同じく西洋の鎧がデザインモチーフの1つで 英国式プレートアーマーと、古代ローマ・ギリシャの鎧から 部分的に形を取り入れています。 ウインダムの後頭部にも、鎧兜のバイザー部分が見られ 実際の兜も、前の部分で上げた状態が鳥のように見えたり 鳥形の兜も存在します。 兜のトサカ(アイスラッガー部分)も 本来、ニワトリ他の鳥のトサカを立て威嚇する様子から 兜に付けられとも言われます。 ウインダムの後頭部は、横から見て平ではなく トサカの終わりとバイザー上部に段差があり 下の部分もエッジ凸があって、斜めに落ち込んでいます。 またトサカの後方にも四角い凹みが在って、その中の上部に丸い 金属ビスの出っ張りがあります。*丸い穴ではありません。
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宇宙ミミズクと首の形 首はサイドから見ると、下に行くほど細く 前後ろから見ると下の方が太いのが特徴です。 この首部分を、前後・左右同じ太さや、横からも下が太いと 鳥の頭部(首)ぽさを持つ「67ウインダム」の感じが出ません。 モチーフのミミズクは、首など無いようにしか見えませんが(^^; 企画時に、*宇宙のフィールドも作品の柱の1つ在った時には 外見上、耳のある鳥(ミミズク)と言う、意味での 能力的なモノから来るモチーフです。 *宇宙で使用するカプセル怪獣の予定だったので、設定にも 目から電波・電磁波を出すなどが残っています。
口(くち) 口の開閉はワイヤーで、外部に有線で出してあります。 離すと内部の上アゴに在る、ゴムバネで戻る仕組みなので 閉じる速度の方が早い。 また、開閉の軸になる突起が左右に在りますけども デザイン画では、突起を軸に2段が動くように書いてると 思われますが、実際のマスクでは1段だけが開閉していて 突起は可動の軸位置に在りません。図D1参照 さらに、デザイン画ではギザギザの歯と思える線が 描かれていますけども、ウインダムには歯はありません。
耳
10 第1耳の内部のアンテナは、左右で長さや形状が違います。 右が長く 左が短く下向き。
11 12 第2耳は、赤い部分(額のランプのように点灯はしない)の凹みに 黒い四角い板が在り、六角の金属部分から柱状の アンテナが出ています。 基本的には同じ形の予定だったと思いますが 付け根部分の2つのパーツが、片方逆に接続されているので 第2耳のアンテナも、厳密には左右で違います。 おそらく右耳の正しく左耳の接続がミスだと思います。 メインの柱状の根元には、短く小さい4本の柱が出ています。 コレも、メインと同じ方向が正しいと思われますが 針金状の付け根のようで、方向が斜めに傾いていたりして 向きがバラバラな事が在ります。 特に1話でも、左耳は弾着の影響で凄い向きになっていたり 黒くなっているカットも在りますけども、基本は銀色で 4本(左右で8本)は同じ向きです。
13 宇宙人の耳=アンテナと言うコンセプトは、ウルトラマンの初期 デザインにも多数見られ、ザラブ星人にも採用されています。 また、デザイン画的には、キーラ、ゼットン、エレキングなどの 宇宙怪獣にも、アンテナと解釈出来る同パーツが描かれています。
電飾(目・赤ランプ)
14 目の中央は左右光ります。 左目の電球露出部分が 小さいので改良され、逆に左目の光球レンズが、やや外側に 出てしまいますので、左右の目も微妙にアンバランスです。 目の軸も右目は(マスク面的に)、左目よりも下向きです。 目の奥には、8本の丸山ビスが放射状に着いています。 設定的には、電波を発信する部分として 造形されているようですが、そういう場面はありませんでした。 デザイン画の時点では、武器の発射口になりそうな感じに 両目とも前を向いて書かれています。図D1参照 額の赤いランプ
16 赤い電飾は額だけで、第2耳の所は赤いだけで光りません。 赤いランプの発光板の前には、上下に2本太い線が左右に走る 平型の集約コードを、コの字型に折ったモノを左右の金具で 固定しています。*コの字の歪みで金具の見え方が異なる。 赤い光を半分透過するので、面白い感じになっていますが デザイン画的には、塗り残し(略)なような気がします(^^;図D1参照 赤い発光板は、奥(内部)に電球があり ホームベース型の板は、フレームと同じ面にハメこんでありますが 若干内側に凹んでいる箇所や、時(メンテ毎で異なる)が在ります。 また、綺麗な直線では無くて、細かく欠けている事からも ブレーキランプなどに使う赤色板を加工したモノだと思います。
カプセル怪獣・ウインダム・ネーミング誕生
企画段階では、レッドキング、アントラー、ペギラ パゴス ゴモラが ミクロ化怪獣(カプセル怪獣)の候補でした。 ウルトラマンジュニア>ウルトラアイの時期に、侵略者と戦う路線に 変更。 怪獣ブーム熱を継承出来る部分として、局が提案した ものがミクロ化した地球怪獣を持っていると言う案でした。
その時点では、3匹ではなく4匹だったのも、活躍フィールドの 変化に合わせた構想だったので、宇宙、地上、地中、海(水中) では無いかと思います。 ネーミングのカプセル怪獣と決まる前は、後の怪獣個体名 ミクラス(ミクロ)や、ウインダム(勝つ・せき止める)と言うのは 制作側の総称名だったようで、採用だったらミクラスのぺギラとか ウインダムのゴモラなど、後のマケット怪獣〇〇〇と 言う感じの使い方になったのかもしれません。 しかし、ミクロ化した怪獣をどう携帯して居るか?と言う設定に伴い 子供に解りやすい「カプセル怪獣」と言う提案が、主役が所持している アイテムのネーミングになり、候補もウルトラマンまでの怪獣を辞め 宇宙怪獣を持参して来る事に変更されます。 その為、容姿のシルバーやメタリックとかバッファローなどが関係ない 名前、ウインダム・ミクラスが個体名に移行したので、アギラのような 逸話は在りません(^^; *アギラ・円谷粲(あきら)氏からのネーミングとして有名。 では、どの時期にウインダムが怪獣の名前になったのか? 第1話「姿なき挑戦者」の台本では、ウインダムの文字が登場し 文から解釈するに、怪獣の個体名と思われる記載になっています。 *カプセルを投げるなどの描写はあるが「カプセル怪獣」と言う記載は まだ無いのでウインダムと言うのが、個体名で無い可能性も 若干・・・残ります。 しかしウインダムと言う文字は出てきますが ロボット怪獣=ウインダムか?と言うと、*口から霧状のものを吐く 泣き声も「ギャオッオ!」と書かれていたり 目を攻撃され、おさえて暴れる描写などは、ロボットよりも「生物」的で 怪獣と円盤郡の闘い とも書かれているので、まだ完成画面で見る ロボット的な容姿のウインダムが=として書かれてはいません。 逆にウインダムと言う名前の採用は、ロボット的なデザインの前に 誕生してるのが解ります。 *霧状の吐く>完成画面では額の赤い部分から光線を出す。
カプセルの演出 1話の台本では、ウルトラマンジュニア時期の忠犬ハチ公的怪獣より 完成作品のカプセル怪獣に近く書かれていますが、まだ登場も白煙 だけで、忍者の大ガマの感じを思わせ、戻る時もダンが呪文のように 何かをつぶやいて、手を振ると消えると言う描写なので 「ウインダム戻れ!」と言う日本語の台詞は在りません。 孫悟空の毛から分身が出るごとく、カプセルは 手に戻るモノとして考えられて無かったようです。 1話の完成でも、ウインダムが戻るカットの向きが逆で、ダンも手を 前に振るだけで、手の平上のカプセルはインサートの別撮りです。 放映3話のミクラスで、同じ手の振りにカプセルを受け~ 箱に仕舞う動作を追加しています。 ウルトラアイの着眼も、カプセルの回収も、制作5話の姿なき挑戦者が 制作1話の湖のひみつより、古い描写なのは・・・ ミクラス回収も、タイトな背景で見上げるシーン終わりなので ・・・放映日差の期間にリテークしてるとしか考えられませんが 撮影に入ってから、台本上の手を振って消える演出自体が 消えた事は確かです。
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