カプセル怪獣・ミクラス   

 デザイン・成田亨   造型・高山良策          ★光跡

モチーフ


ミクラスは、出身バッファロー星と言うだけあって
モチーフの1つはが印象的には上にありますが
成田さんの言うインカの神面と言うモチーフの方が
デザイン的には強く存在します。

 
画1

デビューのエレキング戦で、水に浸かった為に
顔の左右に出た4本(計8本)の放射状に広がる角?は
シオシオになってしまいますが、インカ太陽神雷神
モチーフにしている部分で、迫力があったのですけども
変形で…逆に愛嬌ある怪獣になってしまいました(^^;
完成時点では画1より、ライオンの鬣のように広がり~
回ごとに殆ど解らなくなってしまうほど
張りが無くなってしまいます。

体にある模様も、ナスカインカに観られる
パターン(図形)が、インカがモチーフであると言う事から
解りますが、インカの神、イラティキ(雷神)と
日本にも伝わる風神雷神雷神は、2本の角(風神は1本)
ミクラス小角と同じ形に書かれたモノが多く
耳や、眉毛(ミクラスの目の上に植えられた長い毛)
書かれた雷神も観られるなど、インカや日本の雷神の
要素も、モチーフの中にあります。


体の模様の中にも、ラーメンの丼模様で御馴染みの
四角い渦巻き>正式には「*雷文」
崩したと思われるパターンなども入っていて
体が緑の雷神(かみなりさま)も、高木ブーらの
コントから、絵本など多く存在するの種なので
デザイナーが意識して入れた要素だと思います。
*雷文・カミナリ(稲妻)を模様化したと言われる模様。
 デザイナーの成田氏は、直線的模様(パターン)
ダダの模様や、六角キリコなどに興味を持ち
「鬼」への興味から後に鬼の彫刻に力を入れる。

頭部から背中にある、2列に並んだ四角いコブ
インカ文明に見られる、石の積み方がモチーフのようで
背中のチャック隠しは後方(背中部分)の
下から*6個上までが、右側から開いてチャックを開閉します。
*一番下のコブは小さく薄いので5.5個?


インカ遺跡の石積

 
黄色いラインがチャック隠しの開く部分。


チャック隠しの一番下は、尻尾の先端を
回避したラインになっているのが微笑ましい♪

太腿のサイドに多く見られる、岩牡蛎のような
凸パーツも、デザイン画ではイバラの葉のように
尖ったもので、色や他のパーツからも
稲妻と植物の精の怪獣をイメージしたように思えます。
同じ凸パーツは、上腕部分にも数個着けられて
いますが、シワで見えないのと欠落してしまって
殆ど認識されていないパーツに成っています。

ネーミング


カプセル怪獣なので、ミク「ミク」
1500年代・大西洋を越えたスペインの
侵略(南米・インカ帝国へ、他)に反対した
ラス・カサス(聖職者)の名「ラス」
合わせたものだと思います。

 

体色
全身はデザイン画のように赤茶
当初は塗られていたので、最初期のカラー写真には
が多く残るものがあります。
赤茶も、塗装が回を重ねるとハゲた部分の下から露出して
見えるので、どの部分が赤茶だったかもよく観れば解ります。
肩?(腕の付け根)の後ろにのみ、赤茶のままの凹み
デザイン画どうりに残してる部分は、ハゲたのではなく
デザインに忠実に再現され残っている部分です。
画2
画2

成田さんデザインの怪獣としては、レッドキング
エレキングのようにシンプルなデザインではなく
形も複雑で、様々なモチーフもデザイン上入り込んだ
珍しいキャラクターです。
成田さんは、複雑な形だとガラモンのように
色はシンプルだったりと、バランスを採るのですが
このミクラスだけは、色も(デザイン画はなおさら)多色で
複雑に描かれています。
*ウルトラマン初期の怪獣は、カラーTVへの試作的に
カラフルな色をデザイン画より、画面では怪獣に
使用していますが、ミクラスは画面の方が
逆にデザイン画より色使いが抑えられています。

怪獣で唇があるのも、少ないケースですけども
ガラモンより大きくハッキリとしたピンクの唇
獅子舞のような口が着いているのは、全体的な
配色的にも特異です。
巨大な怪獣というよりも、ジャングルの中で出会う
喋るキャラと言う雰囲気で、怪獣と妖怪の
中間的な存在にも見えます。(^^;
画4
唇下の葉っぱがモチーフの逆三角の部分
初期はモチーフのまま、当初はでしたが
クランクイン前に塗り替えられてしまい
葉っぱのエッジの尖った部分も、水で変形してしまいます。
マルサンの初期ソフビは、撮影前の写真を
参考にしてるので、逆三角が
緑一色で発売されています。
足首から下も、初期はが多く残っていた部分で
回ごとに、緑は消えてほとんどダークブラウンなどに
なってしまい、作品内でも初期とカラーが異なる部分です。

カラフルな大角と、小角も、あまり厳密に
玩具では再現されず残念な部分で、特に小角の
下にある2本のラインは完成後に薄い黄色
塗られてしまう為に、見え難くなり
かなりリアルなフィギュアでも、再現される事が
少ない部分です。 放映途中の補修で、再度色を入れて
もらったりしていて、見えるカット(写真)もあるので
再現されるようになるといい凸ラインです。
画4(小角に凸線に色を入れた時期)

鼻の中が全部見えるのも、凄いですけども
その中が真っ赤で、浅いのも凄いキャラです♪(^^;
その鼻の穴の中に、覗き穴があります。
鼻の穴の中、下側のセンター寄りにありますが
ミクラスは前傾姿勢と、顔を上げてる時があるので
前傾ぎみの時は、殆ど見えなかったようです。
*鼻も左右が繋がったの形になっていますが
左右独立してる誤解が多い部分です。


フォルム
ウルトラ怪獣は、独特なタイプが多いですけども
ミクラスも怪獣としても特異なフォルムで
2足・4足型の恐竜タイプでは無く、後方からは
さらに、丸く短足も目立ちます(^^;
何頭身なのかも?顔と頭部の範囲が微妙ですが
ブースカよりも、ドラ●もんに近いくらい、リアル作品の
キャラではない頭身なのに、頭の小さい
エレキング戦が
デビューは、デザイン的には可愛そうな気がします(^^;
 画3
最大の特徴のい1つは、手の大きさ
後のフィギュアなどは、かなり小さく作られていますが
グーにするとスイカより大きいくらいの
ドデカイ手が着けられています。
*その後、ミクラスとして造型されたりアトラク用は
指の動きなどを重視し4分の1くらいの小さい拳です。

拳だけでなく、腕も長~~く作られていて
肉(ウレタンなど)が無い、ほとんどラバーだけの腕は
操作性は良く、キックは短足でダメですが(^^;、
腕技は得意な着ぐるみでした。
ただ、長~~~い為に、袖をズリ上げたようなシワが
腕全体に及んでいます。

足首も、足首から下が大きい(面積)ので
全体からすると、凄く細くSアクターの足に
フイッティングさせて動けるように
完成後に、試着改良されています。
その為に、制作時の繋ぎ目(足首上)の
凸部分が、ブーツのファのように見えて
可愛さがUPしてしまっています(^^;

足の指は左は、少し分離していますが
右は、略一体でスジで指に見えています。

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