特撮関連工房     ★光跡    最近はゲームクリエーターに成りたいとか、CGを勉強したいと
言う人は多いですけども、怪獣や手造りの特撮関連を
志望する方が少ない中、円谷プロ・東映などで、怪獣を造りたいと
言う若い方の声もあるのですが、映像制作会社では現状
ほんとど造られていないので、いろいろな関連会社が
さらにあって、出来ている事を紹介する頁です。

 開米・プロダクション

 

東京都某市にある、昭和42年設立の怪獣工房。
80年代までは、東宝ビルトに近い喜多見にあり
デッカイダルマが目印でしたが、現在の
場所に移転、平成のウルトラマンシリーズの
怪獣達もほとんでココで産みだされています。

*現在は砧社屋の移転にともない写真のところからは移転しています。

開米プロの造型登場作品
チビラくん、帰ってきたウルトラマン、トリプルファイター
ファイヤーマン、ウルトラマン80
ウルトラマンティガ、ダイナ、ガイア、コスモス
ウルトラマンネクサス、マックス、ブースカ!ブースカ!!
平成ウルトラセブンは、特殊美術GAMがメインだが
ウインダム、キングジョーを造型


マグマ大使、怪獣王子、がんばれロボコン
キカイダー、キカイダー01、レインボーマン、ダイヤモンドアイ
コンドールマン、忍者キャプター、快傑ズバット、メガロマン
ガメラは、エキスプロがほんとどだが
ギロン(69)、ジャイガー(70)ジグラ(71)を制作。
*作中全キャラでは無い作品も有ります。
劇中登場物以外にもアトラク用の怪獣やヒーローを制作しています。
*帰マン初期数体は東宝や高山良策が造型
*ガメラ対バルゴンのバルゴンは高山良策

中はまさに怪獣工場で、所狭しといろんなパーツや型があり
材料になるウレタンなどは、高い棚の上に詰め込まれています。
開米Pとして初参加の円谷作品チビラくんファミリー
頭部は長い間旧・円谷プロ怪獣倉庫奥の右の棚に仲良く並んで
いましたが、怪獣達がGWや夏休みに出稼ぎに出払わないと
なかなか対面出来ませんでした(^^;

天気のいい日には、完成近い怪獣が外で塗装されたり
吊るされて乾かされたりもします。
工房内も歴代ウルトラ戦士のマスク型が厳重に
保存されていますが、型の状態で並んでいると不思議です(^^;
デカイブーツ(足部型)なども、いろんな型や
大きさのモノが並んで居ます。
ウルトラマンのスーツも、凄い数をまとめて*特注
するのでウルトラ大軍団が出来そうです♪
*1度に焼かないと微妙な色の誤差が出る為。
塗料やラテックス、ボンド、オガクズなど
いろいろな臭いがするので、密室ではなく
だいたい行くと開放して作業しています(^^;

撮影が2班体制なので、怪獣も基本的に2班体制で制作。
複数怪獣が1話に登場したり、怪獣と宇宙人など
造形物が多い場合や、撮影班が3班などになる時などの
スケジュールの組方も、アップ・アートと調整して
行う技は、いろいろな経験から逆算出来る技で
観てる方は沢山の怪獣が出ると嬉しい限りですが
全てやりくりして撮影や、週1のオンエアに間に合わせる
努力の光跡は帰マンから今のマックスまで続いています☆


開米栄三(開米プロ代表・会長)
開米栄三(開米プロ代表・会長)
東宝特殊技術課で造型助手 ゴジラ、ゴジラの逆襲
獣人雪男、ラドン、日本誕生、地球防衛軍、などに参加。
*ウルトラマン(66)は、20.25.29.30話の
エキスプロ造型怪獣に、開米プロとしてではなく個人参加
S42年、開米プロ設立 
*エキスプロS41年設立

ヒルマ・モデルクラフト  

東京都某市にあり、開米Pと同じ1967年7月にゴジラ、ラドンなどの
比留間伸志氏が設立した会社で、ミニチュアのメカや持ち道具
武器、通信機、変身アイテム、建物(基地)などを制作しています。
*持ち道具・一般には聞きなれないか小道具と混同されますが
撮影現場では持ち道具
(刀や銃など)は、衣装に近く、小道具
セットなどに
置く物として区別されます。
持ち道具の銃や通信機も、ヘルメットなどの装備品1つ1つに
特撮ファンや子供達がカッコイイと憧れを抱く、質感や存在感がある。

持ち道具は質感や重さも重要。
*プロップ・本来小道具の事を言う。最近は何故か?特撮ファンが

撮影用のメカなどをプロップ(小道具)と略して言いますが
昔はミニチュアプロップと時々言いましけども、プロップは
小道具かレプリカを言いました。
今でも制作はミニチュアとか模型と言う方が多く撮影用語でも
特撮用語でも無い変な言葉です。

「ひ」の文字で有名なヒルマさん所の玄関は入った右に
その時々のウルトラマンなどの制作作品のポスターが貼られていて
入った左には3mほどもある、巨大なミニチュアロケットなどが在り
普通の玩具メーカーの大きな宣材と違って、存在感と精巧差に
圧倒されます。

比留間伸志

日本の特撮が評価されると、手先が器用な日本人と言う所で
止まってしまいますが、ゴジララドンのミニチュア街の
精巧差、勝どき橋やラドンが壊す鉄橋にリアル感を与え
円谷英二の特撮を100から120%に引き上げたモノとしての精巧差
だけでない存在感を出した比留間さんの腕もクローズされるべきで
メカも様々な素材、特に金属の加工とFRPで見せるラインや
MJのコンクルーダーの精密差、ジャンボフェニックスで見せた
モデラーには有名なヒルマ汚しによる技は匠です。

メビウスで復活したコンクルーダー


言葉的には矛盾する巨大なミニチュアも得意で
地球防衛軍の空中戦艦アルファ号、ベータ号の巨大なミニチュア
や、シーボーズが乗るUマンロケット、シルバー仮面で下手すれば
怪獣や主役より存在感のあった光子ロケットも、かなり巨大で
大きなミニチュア制作も群を抜いています。

 2mを越える巨大ミニチュア

*ヒルマ汚し・サンダーバードに観られた汚し塗装の事で
ガンプラブームの頃はウエザリングと呼ばれた。

厳密にはマスキング境に同系色などをギリギリに薄く吹き付ける事で
まさにモデラーの神様の技なので神業(技)と言う人も居る。
TBがもう少し早ければ、ビートルやホークも変わっていたかも
しれませんが、
ジャンボフェニックスがよく語られますが
その前の
MATアローにも施され、着陸脚や武器の発射口なども
ビートルやホークの何発も出るミサイルや先端から自在に出る
アバウトな光線からしたら、
MATアローは武器装備を出動事に
変えたり、隊長機のカラーリングなど…その精密差と拘りは
1子供番組の域では無く、MATの存在や現実社会の背景をより
リアルにまでしてしまった。寧ろ
MATシュート
などは様々な機能が
持ち道具には在り、話の方がついて行けていない(^^;

 アップ・アート

神奈川県川崎市にある工房アップ・アート
原型から仕上げ、イベントや展示模型など特殊造型全般をしますが
特撮的には開米Pの怪獣の*機電(メカ)などがメインです。
粘度原型などから制作まで(星人多い?)手がける事もあります。

*機電=怪獣の目や角などの点灯やアゴ、マブタの開閉ギミック
ドリルや角など回転メカを仕込む事を、主に指して言うが
特撮関係での専門用語的存在な為、普通の映画、TVの
スタッフでも知らない人は多い言葉です。
*東宝特美の石井氏が倉方さんの担当パートにネーミングしたもの。

機電例

ギャンゴエレキングの角の回転、グビラのドリル
ケムール人セミ人間バルタン星人の目やハサミ
スペルゲン反射板などや
ザンボラー、ザラガス、ゼットン
キングジョーなどのボディパーツの発光ギミックを照明や
テスト撮影などで光量を調整したり。
円盤、飛人形などや
カネゴンの角の回転+角のタワミなどやイカルス星人の耳
ゼットンの角などのピアノ線での操演作業など

操演とのマッチングも大事で、を吐いたりする装置などは
口の中の素材を引火し難い素材にするなど
開米Pや制作パート、操演と打ち合わせをして撮影の進行や
スーツアクターの安全も予算内で考える事が大事です。

アップ・アート劇場関連作品
星くず兄弟の伝説.85 ガメラ3 邪神覚醒.99

倉方茂雄(現アップ・アート工場長)

1期から石井清四郎、高山良策、佐々木明などの制作する
怪獣や星人などの目に電飾やアゴの開閉ギミックなどの
担当を機電と言うようになり、倉方氏の専門分野になる。
東宝特美から石井清四郎氏の助手として参加。
ウルトラQは造型担当だが、制作第14話からの高山、成田氏の
参加で事実上機電担当になり、ウルトラマンで機電とクレジット

ウルトラQの頃のクレジット

*成田氏の参加は製作NO.14話ぺギラが来た!から
特技・撮影:高野宏一 特技・照明:堀江養助
特技・操演:石井清四郎 特技・美術:井上泰幸
造形 倉方茂雄・天藤勝治*まだ機電と言う文字は無い。

ウルトラマンからのクレジット
美術・成田亨・大瀬真一 機電装着・倉方茂雄
造形・高山良策・佐々木明・エキスプロ・開米プロ
以下、参加作品
ウルトラセブン、ミラーマン、帰ってきたウルトラマン
ウルトラマンレオ、ファイヤーマン、ジャンボーグA、他

 

 


石井清四郎

石井清四郎氏は、東宝から円谷特技プロへ行き
初仕事の日活・
太平洋ひとりぼっちの特撮シーンに参加
ウルトラQ16話まで美術責任者をして
美術を井上泰幸と共にして、操演も担当していた。

ウルトラQの石井清四郎(美術・操演)関連作
美術・第3話ナメゴン、第4話ジュラン、第12話ラルゲユウス、
第22話モルフォ蝶、第25話悪魔ッ子、第28話あけてくれ!

 
操演・第1話リトラ、第2話ゴローゴンドラ他、
第5話ぺギラが来た!吹雪、雪上車他、
第8話甘い蜜の恐怖、戦車他 第9話タランチュラ
第11話バルンガ、第14話ペギラ・セスナ他、
第17話1/8計画、第27話206便

 レインボー・造型企画  

東京都某所に1981年前澤範氏らがエキスプロから独立し設立。
会社的には主に東映作品で、仮面ライダーファンにはある種ブランド
でもあり、映像作品以外にもファンに超人怪人工房や
レインボーマスターワークス(RMW)の1/2マスクなどの制作販売も
行なっています。

けしてシャープでクールなだけじゃ無い暖かいラインが
あるマスクは、時に怒り悲しみの表情が浮かび上がり
子供達の心をとらえた。

ゴレンジャー穴空き目のマスクから毎作進歩する戦隊の
マスクは、ヒーローマスク造型の進化であり牽引する存在で
戦隊のような動き安いボディスーツじゃ無いライダーの
ボディはメタルヒーローのスーツと共に、もう1方のスーツの
進化の開発の歴史で、今もその進化は止まらず響鬼のマスクと
スーツは、戦隊のマスクとの融合を見せた傑作でした。
サイクロン号以後~の歴代ライダーマシンのカウルはハードな
アクションとデザインのクロスポイントを探る造型と機能的
デザインの合わせ技です。

 

裏手に居る恐竜くん、近所の子供には大人気♪

前澤 範
ゴジラ南海の大決闘・ギララ(建物)魔人バンダーなどから
71年にエキスプロに所属、仮面ライダーシリーズやバロム1
スパイダーマン、バトルフィーバーJの造型から81年に
レインボー造型企画を設立。
宇宙刑事シリーズ、戦隊モノ、ライダーBLACK、シャンゼリオン
カブタック、ゼイラム2
など東映作品を中心に造型やデザイン
美術などを担当。

レインボー前のバトルフィーバーJジャパンのマスクの
ラインはヒーローマスクに例の無いラインを持つ。
今も人気の仮面ライダーのマスクやスーツには原点としての
存在と工夫があり、進化を実感させられます。

 

                          

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