脳波怪獣☆ギャンゴ     デザイン・成田亨  造型・高山良策 S・アクター荒垣輝雄  ★光跡

ギャンゴの模様の謎

ギャンゴは、劇中でも何度かペイントなどの変更点の多い怪獣で
1クール後半に来て、余裕がなくなって来たのがデザインからも
伝わってきます。 成田さんの原画や高山さんの造型後の完成写真でも
ギャンゴのお腹から下の模様は無く、撮影直前に追加されています。
ウルトラQの白黒作品からカラー作品のウルトラマンで、オンエアが
開始されると、怪獣のカラーもさらにカラフル差が追加されるように
なりデザイン画を見ても初期のバルタングリーンモンス、ネロンガ
などよりガボラ、ゲスラ辺りからカラフル差がUPして行く中
色的には地味なベムラーの改造怪獣として、最もカラフルな1体と
してギャンゴは制作されています。


*ウルトラマンのに対して、マンの怪獣は黄色を主に配してデザイン
されていて、バルタンも画では
黄色がメインでGモンスも黄色い線が
あり、ネロンガは放送でもある背中が黄色に塗られている。

さらに、ギャンゴは巨大化後ブルー系の色が吹き付けられていますが
まだ、耳のアンテナが健在な撮影前のセットに居るギャンゴには
が噴かれていないものがある為、本当に撮影直後まで試行錯誤が
繰り返されていて特撮スケジュールの厳しさが見えるが、満田組の
もう1班のジラース(ゴジラ)や、ギャンゴの自衛隊メカを同時に
東宝から借りる事で乗り切りを試みるも、2クールからは
特撮3班体制になり、今となっては嬉しい結果の悪魔はふたたびでは
英二さんが現場に出る事にまでなる…なんとか体制を回復
39話3クールまで初の週1カラー放映を保ちます。
*デザイン画には、当初から下腹部と左足、右腕にやや青が塗られている

 

ギャンゴの顔の謎

 


ギャンゴは、体の色の他に顔も大きく分けると等身大と
巨大化後で違いがあります。
一番解りやすいのは、下唇(唇?)が等身大ではクリーム色
巨大化後はピンクになっています。

もう1つは、ロボット怪獣ガラモンを意識したのかギャンゴも
マブタの開閉が頻繁に行われますが、マブタが完全に上部に
ホールドできない為に、怒り目になってしまう事から
巨大化後はUPのマバタキのカット以外は、上部分で停めて
しまっている為丸目です。  瞳の位置も変更され話的には
鬼田の命令と逆に見た目は凶暴じゃなくなっています(^^;

ギャンゴの足の謎

 

図A   

  図B

ギャンゴは、原画の段階ではベムラーの足のまま3本指に爪の
足ですが、画面ではなんとも漫画的な足図Aになっています。
イメージ的には、等身大の怪獣では無いのでしょうが
カネゴンと同じく想像から産まれた怪獣で、等身大での対人間の
リアクションは、カネゴンの演出パターンであり青島幸男のゲスト
など、完成形よりもっとコミカルなものを目指していた跡が
ある事や、足首から上もスーツに余裕があり、一見覗穴に見える
図B矢印部分に、かなり大きめな穴が空けられている位置を
Sアクターの肩などから、逆算すると呼吸穴であるので走るなどの
アクションを想定した足デザイン変更だったようですが
等身での活躍の尺は放映上は、あまりなく残念ながら画面で
その足は生かされていません。
*青島幸男・若い人には政治家なのかもしれませんが66年時には
クレージーキャッツとの
おとなの時間(59)シャボン玉ホリデー(59)
スーダラ節、無責任大行進の作詞や、クレージーの映画や番組に出演
コメディアンの1面としても有名だった。

耳の破壊からも特撮が後に撮影されていますが、股に補修があり
色も違う事から走るシーンは、撮影したのかもしれません?

アンテナ☆耳の回転♪

 

ギャンゴのアンテナは、内部のセンターで1つのモーター
回転させている為、とうぜん左右が逆の回転になるが
アンテナの形状のユニークな面と、混ざりおもしろい回転
運動になり、このギミックをそのまま受け継いだ怪獣は
有名なエレキング♪ *電池の消耗は激しかったそうだ。

*中島春雄・ゴジラの初代Sアクターとして有名。ゴジラ以前も
時代劇の殺陣では有名な役者で、黒澤映画などにも出演している
役者さんで、ウルトラでは、ゴメス、パゴス、ネロンガ、ガボラ
ジラースなどの、東宝(系)怪獣が多いが、マンのキーラのみ
純ウルトラ怪獣で演じていて、セブンでは1作だけだがロボット
ユートムの中に入っている。
顔出しも多く、ウルトラマンでも
25話での父親役、33話では巨大
フジ隊員に発砲する警官を演じています。

 

 

背中のトゲは、ほぼベムラーのままで尻尾をカットした部分には
トゲが足されてベムラーの前傾姿勢も、若干補正されています。
元のベムラーの腕の装着部分と、特徴ある首の模様を隠す為の
模様のデザインなのが解りますが、撮影前に追加された腹部の
模様で、さらにトーテンポールな感じになっています。

ギャンゴの手?の謎

ギャンゴの手は、一応がありデザイン画では当初指のある
怪獣でしたが、拳付近からC型のロボット的なパーツが
急遽追加され、成田さんの原画にも右手のみ追加で描かれて
います。キングコング(対ゴジラ・Kコングの逆襲)などの
腕を長く見せる為の方法と同じく、指の所までSアクターの
指は中に無く作中このC型パーツも指も動きません。
*英二さんの映画のコングは、掴む、握る動作用の短いタイプ
と2種用意された。ウルトラマンの
ギガスも同じく
Sアクターの指は先端まで入っていない。

おそらく、等身大の時に対怪獣のリアクションを連続で
見せるくだりで、C型パーツをアップなどで可動させる
予定だったのでしょうけども映像には無い。
*C型パーツの可動ギミックは高山さんが考案している。
ただ、当時見ていた子供はほとんど影絵のギャンゴや
あの時代のロボットの手として理解していて
続くキャプテンウルトラハックガルバンなどのイメージを
重ねて記憶していた(^^; *正しくはガルバンはU字の変形

怪獣の改造とウルトラマンの帰郷☆


前人未到の毎週新怪獣が登場する番組ウルトラマン
3分以外に、この1クール後半でかなり制作的ピンチに
なっている事は、制作NO.8ガボラ、9.ゲスラ、10ギャンゴ
11、ジラースと、4連続改造怪獣が続く事からも解るが
東宝の怪獣映画からしても、毎月でも凄い事なのに毎週と
言う快挙を続ける苦労は、想像を絶するがゴジラなどの
助っ人後立て直し、ますます人気と期待が上がり視聴率も
右肩上がりの中、苦汁の決断をしなければならず
2クール中に別会社でキャプテンウルトラが準備に入り
ウルトラアイ(ウルトラセブン)も動き出す。

怪獣の改造は、今でこそファンのクイズやパズルのような
楽しみの1つになっていますが、当時は喜ぶべき事では
なく監督のランクで下から仕方なく使用している面がある
予算がその理由の前に出ているが、予算よりも時間的な
問題の方が上であった事からも
快獣ブースカとウルトラマンのノウハウを活かし
改造怪獣なしでのカラーでの年間放送到達はセブンに託され
3クールでウルトラマンは故郷に帰る。

Sアクター荒垣輝雄の光跡☆

荒垣輝雄・本来は俳優さんでありこの時代Sアクターと言う
言葉も、区分けも特にあるわけではなくゴジラの中島春雄さん
ウルトラマンの古谷敏さんも、もちろん東宝系の俳優です。

レッドキングゼットンが好きと言う人は多くても
ウルトラマンやゴジラ、ネロンガのように誰が演じたかは
あまり語られなませんが、荒垣さんが演じたウルトラマンの
怪獣だけをあげても、ベムラー、レッドキング、ゲスラ
アントラー、ヒドラ、ジャミラ、ドドンゴ、ペスター
ガマクジラ、ブルトン、ジェロニモン、グビラ、ゼットン

を演じています。


中でも、このギャンゴはベムラー、アントラーなどの
正統派の格闘と違いレッドキングで、コミカルな動きを
演じ…さらに究極のコミカル差をプラスした怪獣で
ズルがしこい策略をウルトラマンに対して行い、海に
落とされた後の、スペシュウム光線のポーズを怪獣が
すると言うのは、設定的にはギャンゴがウルトラマン
必殺技を知ってるのはおかしな事なのですが、濡れた手を
クロスするとショートして驚くと言う、絶妙の演出・演技に
子供の人気は改造など、まったく関係なくギャンゴを
1体の怪獣として絶賛で迎えます。

これは、制作話でも並んでいるジラースの中島春雄さんの
演技指導の分も大きいと思いますが、レッドキングは金城さん
のイメージではウルトラ版のキングコングを、意識してる
事からのコミカルな演技でしょうけども、怪獣第1号ゴジラ
演じた中島さんも、ゴジラの逆襲では初の格闘でしたが
相手が4足と言う事もあり、ギニョールが多用され満足出来る
格闘シーンが出来なかった(着ぐるみ材質などもまだ動きにくい)
為、キングコング対ゴジラでは英二さんは、中島さんの
コミカルな動きを採用、腕を振って喜びまで表現している。
*ウルトラマンの古谷さんの動き(演技指導)をつけたのも中島さん。
*キンゴジの動きは、レッドキングやギャンゴからしたらコミカル差が
薄いが当時の恐竜イメージのゴジラが人間のような表現をする演技は
充分コミカルだった。

荒垣さんのベムラー、ジェロニモンなどの正統派な演技と
4足怪獣やゼットンなどの重量感ある芝居も、素晴らしいが
レッドキングやギャンゴのようなコミカルな演技を怪獣で
演じた事こそが、ウルトラマンのカラーを作り怪獣ブームを
さらに加熱させた要因の1つで、大事な光跡だと思います。
Qちゃんは、幸運にも中島さんがゴジラスーツの横で
若いSアクターに、指導してるのを聞く事が出来たのですが
荒垣さんの演技を見ていると、まったく中島さんの言う事が
よく解るお手本のようで、今現在の平成ウルトラマンでも
参考にされているのが解ります。
*中島さんはコミカル>漫画的と表現され、古谷さんの事を
びんと言うので、Qちゃんは最初瓶?だと思ったが敏(びん)
と言うあだ名でした(^^;

古谷さんが、U警備隊のアマギ隊員なのは有名ですが
セブン11話では、荒垣さんも顔出しで出演されています。

 

Copyright(C)2002- KOUSEKI・Qchan 不許複製

inserted by FC2 system