上昇鷹

24話で、たった1度使用されたウルトラホーク1号急上昇発進カットを描いてみました☆
本当は湖に突き出た、2つの小さな岬の間に、双子山のスライドカタパルト
位置してるのですが、このカットはカメラを傾けてるのと噴煙で見難いのもあり
修正して描くつもりで下書きしてみると…画的に意図してズラしたのかも?
と言う気もしたので、絵も構図優先に比率がワイドなので、もう少しズラしてみました(^^;

*基地セットは保存用に湖(プール)部分など、パーツ分けで組まれていますが
科特隊本部のように途中で組まれず、最終回に再度組まれるのみでした。他はバンクカット。

■宇宙舞台の跡の謎■
準備段階では、宇宙ステーションV1~V3に、ホーク2号で宇宙に行き
ホーク3号(後のステーションホーク)で、ウルトラ警備隊が活躍するフィールドと
宇宙と大気圏が区別して想定されていました。
宇宙の方は時間や予算から略され
V1~V3もOP影絵に出ますが、作中には少ししか出てこない存在になってしまいます。

準備段階ではウルトラマン最終回に、ハワイでゼットン星人の円盤郡と戦うように
少年ロケット部隊(横山光輝・作)的な、宇宙からの侵略を防ぐ活躍を
当時のアメリカのX-計画*と合わせて描く主力に、ホーク1号は在りましたが
作品的には宇宙にも行けるようになってしまい(^^; 唯一1話にクール星人
艦載機(小型円盤)を放出、岩山に隠れるなど、ゼットン星人やロケット部隊的な演出が
残っていますけども、ゼットン星人との戦いを超えるメカ戦は、セブンでは描かれませんでした。
*X-計画(X-15計画)・アポロ計画よりマイナーかもですが?ジェットでなく
ロケットエンジンで、高高度まで上昇出来る能力を持つ機体で、X-15は1961年3月
Jウオーカー飛行士マッハ6の壁を破り、当時の子供達には侵略円盤などが来たら
唯一対向出来るメカに思えた存在でした。


このウルトラホーク1号を高角度で、大量の噴煙で発進させたカットも
敵円盤などの侵入を、成層圏まで向え撃つ描写の1つだったようですが
24話の作品的には、このカットの前後のホーク1号の繋がりの角度は合ってません(^^;
*高度>対流圏(0-11km) 成層圏(11-50km) 中間圏(50-80km) 熱圏(80-800km)

それが何故24話に?と言うのは、特撮のバンクカットは、毎度(〇〇組)のクランクイン前に
少しでも使える部分を選んで貰う為に、監督が絵コンテにチェックしながら
撮貯カットの試写をして>最低限の新撮部分(その話で必要な特撮)を決めるので
せっかく撮影しても、使われないカットも解って来るころ、優しさから特撮班
労をくんで使っているのだと思います。作品的には…難いとは思いますが(^^;

■双子山・発進カタパルトのカット数(尺)■
通常ウルトラホーク1号は、基地内部で横にスライドしてくる時には機体が水平です。
その後上にエレベーターで上昇すると、次はもうカタパルト上で傾斜角がついて
機体前方が約30度くらい上がっています。
あまりに長い発進プロセスに、追加で「クイック!クイック!」と基地内アナウンスを
満田監督が入れるくらいで、カタパルトが傾斜角になる(上がる)カットは
省略されてしまっていますが、間違いなく発進までには傾斜角が着いています。

カタパルトデッキの作りこみからも、ホーク1号の後方にはサンダーバード2号
ジェット噴射を受けるような板より、もっと巨大で、考えられたアールの受パーツも存在します。
その後方の電飾も、凄く凝って作りこまれていて
もっとカットを細かく割ったエンジン点火から発進までの描写が
予定されていた(撮影はされた?)のが想像できます。

1号と2号が同じ発進口から出る為に、基地内で移動を見せる設定が
考案されていますが、サンダーバード1号のような先行機が無いと、鈍差が強調されてしまい
ビートルの発進との比較からも、略さざる得ずアナウンスを入れても限界の尺と言えます。

■渦まく炎がうなりをたてて■
何故?成田さんは1・2号を同じ発進口に設定したのでしょうか?
御存知のように双子山のカタパルトは、山が分度器のようにカットされた
断面を見せてスライドして発進しますが、ホーク1号だけが普通に出るなら
3号と同じ(滝はなくても)水平発進口から出て行き、2号と場所を分けた方が
安全で合理的なはずです?

ホーク1号のα号下に4本のブースター(ロケット)が着いてるのも、3号のような対流圏
移動手段の発進と、成層圏まで敵機を向え撃つ発進の違い(ジェットとロケット)からのはずで
 この24話に使用したカットの噴煙は、明らかに高角度で、カタパルトが
見えなくなる程の噴煙ですから
1号と2号の用途が区別>宇宙にも行ける変更された時期の跡です。
*ジェットエンジン・空気のある所で熱変換して飛ぶ。 ロケットエンジン・燃料・推進剤で飛ぶ(進む)


作品的には1.2号共にU警備隊の乗り込む人数が、全員~から、24話の当カットも
ダンが1人で操縦出来てしまうように、脚本やスケジュールからも、ビートルより
お手軽な移動メカにになってしまいます。
なによりホーク1号も、宇宙に簡単に行ける事になってしまったので、発進口よりも
ホーク2号の存在の意味が薄れてしまったのは、成田さんの考案的には惜しい事です。


■マッハ4のホーク1号・マッハ5のホーク2号■
単位としてマッハ(音速)という単位は、空気の薄さによって変化するもので
どこまでが空気のある部分(音の聞こえる)か?が難しく…宇宙へ行くメカに
用いるのは…マッハはベストでは無いんですけども(^^;
U警備隊の設定上、ホーク1号マッハ4ホーク2号マッハ5と書かれているので
サイエンスなサイトではなく、空想的な光跡ですから作品世界の目安として
になりますけども、マッハの単位を用います。
*厳密には音の速さは気温が低くなると遅くなるので、気温でも異なる。
当時の子供の科学的には、高度100~200kmくらいに行くだけなら
マッハ4くらいで行けるとされているので、その「4」を基準にしてるようで
ホーク3号が、マッハ3.5なのも輸送や偵察、1号が4で、2号が5と「差」を作ってるのも
宇宙と言う場所に行けるか?の違い=差だった跡だと言えます。
 それ以前に宇宙に行くメカや装備として問題があるので
あまりリアルに考えるは、やめますが(^^; 
宇宙のメカや、宇宙人(ウルトラマン)の速度を、音速(マッハ)で子供に示す事は

いずれ変更しないといけない・・・本当の宇宙時代が来るかもしれません。 

*元画をスキャンしてるのと、縮小した画素なので、見難い部分はご了承ください。 

Copyright(C)2002- KOUSEKI・Qchan 不許複製

 

inserted by FC2 system