甲冑星人 ボーグ星人

           ★光跡

 デザイン・成田亨 造形・高山良策   Sアクター菊地英一(きくち英一)

   図1

27話に登場する宇宙人としてのボーグ星人
マニアには、最も有名なNG稿24話に予定されていた
「300年間の復讐」に登場予定だった*甲冑人間なので
西洋の鎧が、かなりデザインの前面に出ている星人で
攻撃と防御を考えられた左右非対称のスーツです。
*甲冑人間(台本キャスト欄・甲冑武将)

S・アクターもマニアには、帰ってきたウルトラマン
きくちさんなので有名ですが、クレジットされて無いくらい
急遽入る事になったそうなので、フィット感が無く
スーツの方が大きいと思われる箇所が、多数見られるのが
ビジュアル的には残念です。
胸の前にある4つの丸い突起のみ光り、背面は光りません。


バクタイ

4
ボーグ星人は、オープン(外)と特撮セットで撮影されていますが

25話のガンダー、26話のギエロン星獣と、翼的な容姿の

飛び系操演が特撮セットで続いた為に、飛び人形では無く
*バクタイ図4による操演が行われたスーツです。
特撮セットで、バクタイで(テストなども含む)何度か上げた
後と撮影前のスチールなどでは、足の付け根(太腿)の部分の
スーツに繋る圧で、
V字図5
が開いたり閉じたようになっていたり
「形」としては変化しているので、玩具やイラストでも
参考にした写真の時期で、異なった形に表現されてしまいます。

図5
また、図5の部分は、デザイン画では特に胸下から続く

凹型と同じようですが、造形的には1つだけ一番下が上前方向に

飛び出しています。
*バクタイ・
図4参照 スーツアクターに直接コルセットのように
巻いて、ピアノ線で吊って使用する。
特撮以外でも、ワイヤーアクションのシーンや
ピーターパンなど演劇、コンサートでも使用されます。
 

指・武器

図7
もう1つデザイン画で、甲冑人間から>ボーグ星人に変更した時に
書き直されたような跡?が見えるのが「指」で、六角の指の先端に
穴が空けられています。
図7
単純に、形から想像するとサイボーグ009004のように弾が出て
当時ライバル番組と言える
ジャイアントロボのフィンガーミサイル的な
武器だったのではと思います。?

グローブも、Sアクターの指と思われる部分よりも数センチ長く
ちゃんとしたグーの握りが、ボーグ星人は出来ません(^^;
作中では頭部のセンターフィンから光学合成で光線は発射する
だけで、時間の為か?
火薬などは出しません。
ただ、
甲冑人間は台本的には少し出てくるだけで
武器は無い(要らない)ので、宇宙人に変更された状態で
地球的な武器は持たせたく無かったのでは無いかと思います。

格闘場面の不思議?


ウルトラセブンファイターとして語るファンが
必ず口にする1つが、この女性であるボーグ星人戦で
殴り合いの格闘で、セブンが負ける描写が在る事です。
そもそも、ウルトラ族NO.1などというコピーは
後々着けたもので、
ウルトラマンとも
同一世界では無いのですが…(^^;

そのNO.1は・・・置いておくにしても、かなり不思議な
突っ込み所が満載なので・・・其の部分を書いてみます。

1、ボーグ星人は基地から出て、セブンから逃げるのに
  成功しているのに、飛んで戻ってくる。>セブンも…
  目や耳が良いはず…なのに見失う。
2、セブン残りの1つは何処か?敵に聞いてしまう(^^;
3、セブンを飛んでかわし、セブン崖に落ちそうになり
  ピンチ!に、なる。
  この段階でも、
ボーグ星人は逃げれるし
  ボーグが飛んだら
セブンも飛べば良いのだが…
  ト書きにしたがい
セブンは崖でピンチになる。

4、崖でピンチのセブンを見て、また地上に
  戻るボーグ、セブンも焦らず飛べばいいのだが…
  崖が崩れ登れない…と言うか、ほとんど足が
  下に着いている(^^;
5、なんとボーグ星人、絶体絶命に見えたのか?
  セブンに爆弾の場所を言う。
6、爆弾の時限装置の音「カチ、カチ、カチ」と聞こえ
  ~セブン爆弾を外し(何処から?)
  ボーグに投げる。セブンは耳も良いはずだし
  体に着けられていたら・・・気ずこうよ(^^;
7、ボーグ星人との格闘、ボコボコにセブンやられ負ける。
 >ボーグ星人逃げれる…
  格闘の間も、マスクが外れたりしたのか? 
  あまり2キャラを見せなかったり隠す
  撮り方をしていて不思議な格闘。

8、ウルトラセブン飛ぶと、何故か急にボーグ星人焦り>
  アイスラッガーで首を斬られ倒される。


  このラストも、実際の映像的にはセブンは
  
アイスラッガーの構えだけで、投げていなく
  
アイスラッガーが飛んでいくカットも無い
  単に音が…今までのアイスラッガーの
  効果音として聞こえ、首が落ちるので
  アイスラッガーに斬られたと思いこませている映像で
  光学合成のアニメのアイスラッガーも無い。


ビジュアル的には、アイスラッガー
一番弾き返しそうな外観の宇宙人なので…
普通のセブンの格闘シーンの突っ込み度を越えて
やはり撮影現場の事情的な要素が
いくつか重なり・・・産まれた格闘シーンだと思います。

  図2      図3


背面も、300年間の復讐では添える程度の登場キャラだったので
特に甲冑でのチャック隠し的なモノは無く、後頭部から
下までチャックのラインが在ります。
ただ、デザイン画には背面は無いので、造形段階で創造して
表面のスジラインなどが加えられたと思われますが
後頭部などの集中線は、創造出来そうですが
おしりが、左右で1つずつ高い部分に向けての集中線なのは
一寸面白いラインです♪

マスク

図6
覗き穴(呼吸)は、図6赤●センターフィンの溝に10個
左右の放射状の右4本・左5本の線上に穴が空けられて
いますが、格闘後半に行くと穴のサイズが大きくなります(^^;

ボーグ星人のマスクは、ウルトラマンと同じく前側はFRPで、
後頭部はWスーツ素材で、Sアクターが入りやすいように
なっていますが、ウルトラマンやセブンのようにFRP部分の
繋ぎに返しが無いので、接着が時間やアクションで絶えられず
剥がれてしまった為、途中から側頭部上に穴
図6緑●
左右1つずつ空け>>激しいアクションの為に
穴の数が増えて~計8箇所で留めるようになる事でも
当初はメインでは無く一寸出のキャラだったのが解ります。

左右逆デザイン?

図8
デザイン画と最も違うのは、肩のパーツが左右逆になっている事ですが
コレは、深い意味は無さそうで…キングジョーが納品前に膝のパーツを
着け忘れたように、大きいパーツなので最後に付けた段階で間違えた
だけだと思います(^^;

図9
逆に、デザイン画で肩パーツはハッキリ左右違う形に書かれていますが

マスクの目の部分にあるラインも、原画をよく観ると左側のラインは

書き直されていて図9左はトルネイド状にねじって書きなおされています。
造形的には図9右、左右同じですが、顔も左右非対称だったのかも
しれません?
また、口もデザイン画では歯?が上に4本図9左ですが
造型的には
図9右
×バツ状に切れ目がある口になっています。

300年間の復讐の復習

甲冑人間は、台本のキャスト欄では甲冑武将
書かれト書きにも、
目が光る描写があるので
上原さんのイメージは
日本的な甲冑だったのかも
しれませんが…
ウルトラセブンの申し送りの1つに
なるべく
「和」のモノを入れないと言う
海外セールスを考慮した決まりがあるので
外国人がキャストされたり、日本的なモノも
排除される方向に在った為、成田さん的には
ウルトラマン>ウルトラセブン・ウインダムの間に
研究された
西洋の甲冑のイメージから創ったのが
台本から>デザイン的に進んだ段階での
甲冑人間だったと思われます。

台本から、そのまま
ボーグ星人残された部分
アンヌが、ダンから受け取ったレーザーガン
(ウルトラガン?)で、後頭部から撃つと
首がころがり落ちる描写ウルトラセブン
アイスラッガー?
*で首を落とされ転がり落ち
中が空洞(泡が出てくる)と言う描写が
サイボーグ作戦に残されてています。
*ラストのアイスラッガーについては左の
格闘の不思議にて・・・

放映当時のサイボーグ
「サイボーグ」と言うワードの定義は、当時よりも
確立されていますが・・・まだまだで
一応
サイボーグ「サイバネティック・オーガニズム」の略で
生命体と人工メカの融合体です。
混同される、もしくは重なるワードは…主に

アンドロイド(人造人間)>人間型ロボット
ガイノイド>女性型のアンドロイド
ヒューマノイド(バイオロイド)>クローン
(人工的にタンパク質を基に形成されたモノ)
ミュータント・突然変異体(超能力者)・
          形質的な変化細胞を持つ者。

などがあり、
仮面ライダーなどもサイボーグかと言うと…
変身能力を、どう解釈するか?で、区分分けが難しく
人造人間キカイダーは、人造人間=ロボットとなっていますが
ザボーガーの変形(変身)能力とは違い…難しい。
ジェダイや、ニュータイプも、ミュータントの1種だと
言う方も多いですが、
レインボーマンは、ダシュッ7は
コスチュームで・・・他の変身は???などなど
SFの世界
では、完全に全て示せるものではありません。

日本では
「サイボーグ」と言うワードは
やはり「
*サイボーグ009」が、有名にしたワードで

 
009の透視図などでも。アンドロイドと思われるような図もあり

ワードの内容は、67年では今より・・・かなりアバウトだったようで
今作品では、
野川に催眠プレートを埋め込んだ事
サイボーグとしているようで
もう1つは、
ボーグ星人が「防具」と「サイボーグ」を
兼ねた
ネーミングだったのかもですが…ウインダムと同じく
硬質素材で作られて無い為に、サイボーグなのか?
ロボットなのか?区分としては曖昧な存在になっています。
*サイボーグ009・1964年漫画~ アニメ1966年~

Copyright(C)2002- KOUSEKI・Qchan 不許複製

inserted by FC2 system