異次元超人エースキラー 

★光跡

■S・アクター 図師勲  ■デザイン・鈴木儀雄  ■造形・開米プロ

*左右の記載は、向ってでは無くSアクター(自身)側で記載します。

画1

■エースキラー・スーツ

エースキラーの正体は、言うまでも無く…首から下はウルトラセブンです。
勿論、首から下のベースと言う意味で、先のナックル星人と同じく
新しいスーツで無いのは見れば解る通りの
「最利用」型の怪獣で在り
偽ウルトラマンや、ニセ・セブン、エースロボットのように
設定としては敵方です。
敵・味方は、設定的なモノで、
ウルトラの父他、ウルトラマンスーツ
主役なので痛みが出ると、早目の降板をする事になる
スーツの創意工夫の跡で、現在の
エースキラーの人気からしたら
今の言い方で言うと、こんなエコで人気が出たキャラクターは居ない
特異な存在です。

ただ、
電池BOXは背中にウルトラセブンのプロテクターよりも
ぶ厚い鎧を装着したので、スーツが見えている脇腹に
ウルトラマンと同じように入れています(^^;
*セブンは背中の肩甲骨部分の左右に入れています。


■ネーミングとコンビ
キラー【killer】は、英語で
殺し屋の意味なので
そのまま
「Aを殺す者」と言う意味ですが…超獣バラバの肩書きも
また
「殺し屋超獣バラバ」と言います。
この肩書きや、当初エースキラーも13・14話に出演予定だった事や
Y字型の刃物の武器を持ち、
バラバも十字型の刃物を頭部に備えた
超獣ですから… 嘗て、
帰マンを十字架に架けたコンビ
「用心棒怪獣ブラックキング」「暗殺宇宙人ナックル星人」
同じくコンビでの出演予定が在ったのは、ネーミングからも窺えます。

勿論、
バラバ「バラバかイエスか」の選択で、民衆はバラバの赦免と
イエスの処刑を要求し、イエスの代わりに釈放されたユダヤ人の囚人
からの名前でしょうけども、
ゴルゴダ星と共に…そのままですね(^^;
コンビ解消?の理由は次の項で~。

 画2     

 画3  

画4

画3セブンのライン跡を覆う前鎧パーツ

部分に少し跡が見れる。

■エースキラーの背中
サブタイトルは違いますが、13話・14話は事実上の前後編で
制作資料の記載などから、確認せずに掲載された図鑑などには
エースキラー13・14話に登場となってる場合が在りますが
実際の画面には「14話」にしか登場しません。

現在の人気からしたら、もったいないキャラの使い方で
14話でも前半4兄弟から武器を移しエースロボットと戦う約2:35秒
後半本物のエースと戦う約1:35秒合計4分10秒だけの登場で
その内のエースなどの映るカットを除けば3分程しか画面に映りません。
コレは、基本3分制約のあるウルトラマンと違い
怪獣としては少ない尺で、プロデュース目線で言うと贅沢な怪獣です(^^;

その少ない理由は、光線技を多用する怪獣に時々観られる理由で
エースキラーも、動き難い怪獣に属すからです。
それも其のはず、セブンよりぶ厚いプロテクター(鎧)のウレタンを

全身に貼り付けているからで、肘と膝は、おそらく元のスーツの破損が
激しく、デザイン前の条件的にも、覆う指示が在ったようで
肩と腰周りを前後左右(セブンの銀ライン跡を隠す画3覆っている事から
「動けない」(動き難い)と言うより動くと、画の黄色パーツ
取れてしまったようです。 その為もあり
格闘よりも光線技を多用する代表キャラになっています。

動き難いスーツの跡を追うと、肩は腕の付け根を*別素材で繋いでいて
動きに改良を加えていて、切り離された跡に右腕は前方向に回転して
付いているので、セブンの上腕部のプロテクター接着跡が見えます。
*セブンスーツの首や後頭部。
膝のウレタンも、他の金部分と別素材なのでカラーに微妙な
下地素材的な違いが在ります。

格闘シーンはにマウントポジションになり、せっかく作った武器を
使用するくらいで、特に腰のパーツ(後ろ)は少しのアクションで
鎧が外れる(離れる)ようで、エースキラーは、殆ど背中画2
(特にバストから下)は見せてなく、*写真も背面は出されていません。
*近年・未公開写真が掲載される事が増え
ウルトラマン・オフィシャルデータファイルのトピックインフォ
ウルトラマンA 7-30で、カラーの背面写真が見られます。

太腿付け根左右にある丸い凹部分画4も、造形的には正円ですが
背中で引っ張って、接合したり結んでる時(撮影進行的な修復)
真横に楕円の凹モールドに変形しています。
*デザイン画では凸モールドだったので、いい意味で凹穴だと引っ張る
 伸び穴として機能する事になっていて…奇跡です☆(^^;
腰の鎧パーツは、接着箇所(接着剤)がはみ出したカット、写真も多い。

つまりコンビで出ない1つの要因には、ナックル・ブラックキングのように
動き廻る事が難しく、なるべくカメラに正面を向けて、サイドまでに留まる
アングルが選ばれ、出来たら暗い方がいいスーツだった事も
1つの理由のようです。
ただ、中身は別の場所と言う設定から、同じ図師勲さんが演じると言う
「コンビ*になっています。*エースキラーバラバ>Sアクター図師勲

    画00


複雑な形なので
多くの角度やアップが他にも描かれ
デザイン画の余白に13・14話に登場の文字記載が在る。
後に、同・鈴木儀雄さんデザイン
バルキー(レオNG)を経て
ウルトラマン史上最も複雑な
頭部を持つレオも窺える。

■デザイン画に観るエースキラー

ウルトラQから、デザイン画に「忠実」過ぎる*オーバー造形が観られる
ウルトラ怪獣ですが、、このエースキラーも同じように
忠実過ぎてしまってると驚き箇所も在り・・・その逆の箇所も在ります。
歴代ウルトラマンは、デザイン画の方がシャープでカッコいい場合の方が
Sアクターの体型などからも多く、ある意味、仕方無いのですが・・・
このデザイン画は、そういう立体化のは別にしても
後のウルトラシリーズに大きな影響を落としていると思いますので
少し掘り下げてみます。*ゴメスの腕の角など画のエラーまで造型される。

デザイン画との違いで目が行くのは、頭部のセンターの隙間は後方に
完全に抜けているように、サイドからのデザイン画でも描かれていて
もっと鋭利で高い角なのですが、スーツでは頭部登頂のギザギザ画8
この抜けを塞いでしまっていたり、口?の左右も昆虫の口に在る
ハサミ(アゴ)のように尖ったパーツも、丸い造形で可愛くなっています(^^;

肩の防具も曲線を描いた薄い感じで、角もタロウの角のように刃物的な
エッジが在りますが、造形的にはウルトラの父のような*円タイプで
コレは、足の先にある角も同じです。
*造形跡(削り)のスジが照明で浮かんで見えるカットは在る。
膝のパーツも鋭利な斧のような形ですが、完成スーツのパーツは
サポーターのような可愛い楕円で、ブーツもセブンのままの履口です。

このデザインは、敵味方を超えて「鎧的宇宙人」として
この後、登場するウルトラの父の角・手に握って持つ武器(Uアレイ)や
タロウの角・プロテクター、同・鈴木さんのデザインしたバルキー星人
ウルトラマンレオのデザイン、マグマ星人、ババルウ星人、アストラ
ウルトラマンキングなど、スーツ+金属パーツを身に付ける造形や
鎧的要素を持つ宇宙人には、デザインからの造形の違いを考慮する
「改良と工夫」の新しい基点になった存在だと思います。

   

画5

■第三の手?
エースキラーの左手*グローブは2種ありますが、右手より長く
E.Tの指
ように先が丸いものが造られ、尺的にも長く使用されています。画5右
デザイン画的には、指が長いとかの形状では無く(^^; 熊手のような長く
先端がL字に曲がった爪状の武器として描かれていると思いますが画00
その線を…確かに丸い指に見えるのは解りますが…良く観れば
尖ったL字形状なのが解るので、残念なような*面白い事になっています。
*指長は腕上方は斜めではなく円カットの口。
*薬指が一番長く中指が一番太い…誤解尺のオーバー造型。

右手のグローブは、作中ほとんど武器を握っていて、先端に尖った爪を
延長したグローブで、上方側は斜めにカットされていて
ジッパーが無く、口が波うっている事からもキッチンなどに使用される
ゴム手袋の改造のようです。
また、帰マンブレスレットを投げる時のみ、左手も武器を持つ為に
右と同じ形状のグローブに付け替えています。

画6

Y字下にも小さな反し刃がある。

■武器・キラーハルバート
ウルトラ怪獣には、武器を持った怪獣や宇宙人は、殆ど無く
等身大の星人が銃を持つか、隠し武器のようなのをバド星人が持っては
居ますが、武器らしい武器を持つのはになって9話で、ガマス
忍者の道具として出しますが、ヤプールから剱を与えられる事で
解禁になった感が在り、エースキラーは最初から自分の武器として
所持している型破りな持ち道具を所持した画期的な存在でした。

残念ながら名前は、まだ無いようなのでモチーフとしては
エースキラーも、ドイツの昔の甲冑が濃く、武器の形状も
ハルバート(ドイツの斧とヤリを混合したような武器)
似ているので、Qちゃんが勝手にキラーハルバートと書きました(^^;

この武器も、兄弟から奪った光線技に…まったく霞んでしまいますが
デザイン的には、とても考えられた形状です。
この武器は、デザインのオーバー造形でY字の下の部分にまで
小さな反しが造形されていますが、コレは近年の玩具やイラストでも
描かれ無いくらいで、デザイン画的にも線の誤差や背景色との隙間的な
エラーだと思いますが、しっかり造形して造りこまれていて凄いです。

 

画7

ウルトラマンAと同じ二重に放射状の線が在る目。

■キラー・アイ
エースキラーの目も独特の雰囲気を出すのに力を発揮してしていますが
デザイン画の初期では、ネコ目のような黒い瞳(的)画7右なのが書かれ
輪郭や形状を表す光(白い線)も、完成スーツの形とは異なります。
その後、描かれたと思われるアップの顔には黒の瞳の上に白い●
描かれ、エラー的に横に白が線状に流れています。
その…解釈からの造形で、どちらが良いとは言えませんが
面白い目が誕生しています。
覗き穴は、ウルトラマンと同じ内側の一部分に在り(左が大きい・広い)
発光球は、左右1つずつ瞳の裏にあります。
奥の反射紙は、カットで違い…左右でも違いがあります。
また、瞳の位置も左右で違う場所(輪郭からの距離的に)にあります。

画8

スリムでは無くヘビィ級なボディ

エースキラーの能力?
設定的な事ですが、13話に登場してない事は書きましたけども
エースキラーの能力に、ウルトラ4兄弟の必殺技を持っている
記載されていたり、ウルトラマンから必殺技を奪える能力が在るように
書かれた解説が在りますが、作中ではウルトラマンの能力を「移せ!」
言うヤプールの声があり、移せの他に「~与えよ!」と言う場合も在り
移し終わった後に、エースキラーは目覚め(起動)るように言われ
活動を始めます。
作中的には「移す能力」は、ヤプールエースキラー自身
何もしていませんので、必殺技を受ける「入れ物」では在りますが
持っていたり、移せる能力は在りません。
なので2代目~後の別のエースキラーが、4兄弟の必殺技を
最初から持っているのは…14話の表現からすると…おかしく
また別宇宙のゴルゴダ星にしか出現してないのなら
地球のデータにエースキラーが在るのも…ホントは、おかしい(^^;

エースキラー自身の戦闘能力を、見てみたい気はしますけども…
何も無いのかもしれません(^^;?

エースキラーのスタイル
エースキラーは、現在の知名度と違い2期のタロウ時の図鑑にも
載らないような、マイナーなキャラ扱いでしたが
当時の子供へのインパクトは、再利用とか登場尺(秒数)に関係無く
絶大で在った事から人気が見直されたキャラクターで
フィギュアやイラストになる事も多いキャラですが、メトロン星人と同じく
スリムで足長にされる事が、大半ですけども・・・
実際には、膝のパーツの下はすぐブーツで(重なる)・・・短く
ボディもスリムではありません。サイドからは特に(^^;

ただ、怪獣や宇宙人は必ずしもスリムで足が長い=カッコイイ
言う事は無く、短足でもゼットンウインダムもカッコよく
幼児体型のような姿勢とお腹でもメフィラス星人もカッコイイので
エースキラーも、もう少しそのままのレスラー体型で良いと
個人的には思います。

     

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